
今の世の中では、お金を稼ぐことよりも、お金を上手く使うことの方が何倍も難しい、かもしれません。
稼ぐより、本当に難しいのは「お金の使い方」
お金の稼ぎ方に関してはたくさんの情報が世に溢れるほど発信されています。その方法のうち、どれを信用し、選択し、努力し続けるか、という問題はありますが、お金の使い方に関しての情報はそれに比べて非常に少ない印象があります。
これは、お金稼ぎに関しての情報はみんなが欲しがっている情報であり、それを謳うことで何かしらのサービスや商品を売り込むための宣伝になるから、という側面があると思います。
しかし、お金の使い方の情報を熱心に発信しても、あまり人が寄ってこないのか(お金持ちの人口の割合を考えると当然ですが)市場には少ないですよね。
お金の稼ぎ方は、人が成長していく段階で親がやっていた仕事の話を聞いたリ、学生時代のアルバイトなどを経験するうちに自然に覚えていきますが、お金の使い方に関してはあまり勉強できる機会は少ない印象があります。自分から求めて勉強していかないとなかなか勉強する機会がありません。
さらに、普通とは逆の主張かもしれませんが、お金が稼げるようになると、物欲を我慢することが貧乏な時より多くなります。
「買えないから買わない」という選択をするよりも、「余裕で買えるのに買わない」という選択をする方が、物欲を抑えている感覚があります。
お金を稼ぐためのスキルを身に付けていくと同時に、お金を上手く使うスキルも身に付けていかないと人生の成功はありえないのではないかと思います。
年収1000万程度でいまどき高級車に乗る人はどうなの?
年収が1000万円程度で400万とかそれ以上するような、いわゆる高級車に乗る人は、そういう意味で、多少稼ぐ能力はあっても、お金を上手く使う勉強はしてこなかったのかな?と思ってしまいます。
もちろん、それが悪いという訳ではありませんし、自分の稼いだお金を何に使おうがその人の自由であり、他人がとやかく言うことではありません。
でも、私は高級車なんて年収が1億円位あれば乗るかもしれませんが、1000万程度だと絶対乗りません。
車は実用性を度外視して趣味性の高いものも多いので、「趣味で好きだからコスパ悪いのを承知で乗っている」のならそれはそれでアリかな、とは思いますが、「ちょっと稼いでいるから、カッコいい車に乗りたい」という理由で高級車に乗るような人は、正直長くその状態を維持できないだろうな、と思います。
当たり前の話ですが、車を買うことは、財布に穴を空けるのと同じです。自宅に、車を乗らずに放置しているだけで、税金やら維持費(車検など)が掛かります。
高級車にするとなおさら多く掛かります。大きな穴を財布に空けることになります。
年収がその程度で高級車に乗る人は、要するに稼いでいることを周りにアピールしたい見栄っ張りだということです。
”他人がどう思うか”という貧乏視点
他人に見栄を張っても、それはしょせん実体のない虚像です。人によって意見は変わるし、誰も他人のことなんて本心から気にしていません。(親とかなら少し話は違うかもしれませんが)
そんなもののために資産をすり減らしていれば、すぐにまた貧乏になってしまうでしょう。キリがありません。
他人がどう思うか?ということに価値をおいている時点で、自分軸ではないので、何か起きたりしたときに他人に責任を転嫁してしまう確率も高くなります。
他人の話を聞く姿勢は必要ですが、他人の意見が全てだと思っていると絶対に失敗します。
お金持ちの視点は”自分軸”
私はリハビリの臨床で、お金持ちの資産家にリハビリをさせてもらった経験が幾度かあります。皆70歳台の方だったので、お金持ちの状態を何10年もずっと維持し続けてきた人達でした。私はかなり仲良くさせて頂き、お金に関する話をたくさん教えて頂きました。
基本的には「自分軸」で生きていないと、いつまでたっても幸せになれないし、お金持ちにもなりません。私が出会ったお金持ち達は一言で言うと、「余裕がある人」ばかりでした。
誰かが稼いでいると聞いても、余裕があるから一緒に喜べる。ねたんだり、嫉妬することなんて絶対にありません。
また、「人は人、自分は自分」という確固とした視点を持っており、自分軸がしっかりとあるため、人の意見に必要以上に振り回されたり、何かあっても絶対に人のせいにしません。
人のせいにしないから、起こること全てを自分の責任(自責)で人生を動いていける。もちろん、失敗もするけど、失敗した時には反省し、再び自分を成長させて、またチャレンジすることができます。
そうやって稼ぐ能力を増大させていきます。
報酬としての金銭というのは、あくまで過去の自分との差分(自分が古い価値観を手放し、変化し、成長した分がお金になる)で発生するものだとわかっているので、自分を変化させ、成長させることに喜びを見出しています。
お金はあくまで、その結果ついてくる”数字”だという認識があり、それがまたお金にケチケチしない性格を作り上げているように思います。そうやってさらに余裕のある人になっていく。
お金持ちはケチだと一般的によく言いますが、確かに、自身の物欲に関してはケチです。
しかし、周りの人にはジャンジャンお金を使います、見込みのある人や成長する人に奢ったりするのは当たり前で、日常茶飯事です。こうやって、長くお金がある状態が続くのです。
つまり、お金の稼ぎ方はお金の使い方に密接に関わっていると思うのです。
宝くじなどのギャンブルで一発当てた人がすぐにお金が無くなるのも、この真理が存在するためだと思っています。
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稼ぐ方法だけでなく、使い方を考える
市場に溢れる「消費系の商品」は実はほとんどが別に必要のないものばかりです。(書籍など自己投資系は別です。)
「布団専用の掃除機」なんてその最もたるものです。アレルギーでもなければ、布団に多少ダニがいたって別に何の問題もないです。
資本主義が成熟してくると、商品だけでなく、既存の商品の「魅せ方」が新しく開発されます。布団専用の掃除機も、本質はただの小型の掃除機です。その「魅せ方」を少し変えただけです。
食卓を拭く時に使うアルコールも同じで、CMで菌だらけの食卓をアピールし、いかにも綺麗に除菌しないと、、、と思わせる魅せ方をしています。
実際は、菌なんて食卓だけでなく、そこら中に、何なら食卓の何千倍も多い菌があなたの体中に付着しています。口の中なんて菌だらけ。その口でご飯を食べている訳です。食卓がどうこうなんて馬鹿らしい限りです。
前にも書きましたが、顔を洗う洗顔料も別に必要ありません。
この1個87円の赤箱牛乳石鹸で充分です。洗顔料の代わりにこれを使ったからといって、顔が油まみれでギトギトになるとか、ニキビができまくるとかただれまくるとか、そんなわけありません。
まとめ
「あれも欲しい、これも欲しい、もっと欲しい、もっともっと欲しい」
こんな歌詞の歌がありましたが、物欲に踊らされているということは、極論では現代においては、商品やサービスの「魅せ方に惑わされているだけ」ということです。自分の大切な資産を守るためには、物事の本質を見抜く視点がどう考えても必要です。
上には物欲のみを例として書きましたが、サービス系の商品も同じです。市場が成熟してくると、物と同じように色んなサービスが市場に出てきて、色んな「魅せ方」が発明されます。
ネットビジネスの神と言われるある人は、「ただ一緒にバーベキューに行くだけ」というセミナーを高額(数十万円)でやったりしています。ネットを使って熱狂的なファンや信者を作れば「コミュニティビジネス」といって、その信者内だけにセミナーの案内を流して、こういった稼ぎ方も可能になってきます。
たぶん、これがネットビジネスの最終形態だと思います。
自分の魅せ方を「神」に模して、自分を商品にするのです。さらに、サービスの売り方にも最大限「魅せる技術」を使います。期間限定、値引きや特典などを付ける方法が典型ですね。
こうなると、もうセルフブランディングの極致です。その人が売れば何でも売れるという状態になります。例え、それが「ただ河原で肉を食べるだけのバーベキュー」でも、です。
私は、魅せ方に惑わされていることに自分で気づいており、それでも身銭を切り、そのサービスや商品を手に入れることで幸せになれることが分かっているのであれば、それはそれで構わないと思います。
宗教を熱心に信じる人が、自分の生活が苦しいのに、それでも毎年お布施を払っても一向に惜しくないのと同じです。
お金なんて道具でしかありませんし、それで幸せが手に入るなら大いに使うべきです。
しかし、過去記事で書きましたが、お金に関しては「まずは自分のコップを満たす」ことが第一優先であるべきでしょう。そこから溢れた分を周りの人に使っていく。それはまた、必ずあなたに帰ってくるはずです。これはお金持ちが100%みんな言っていることです。
それが賢いお金の使い方だと思います。
稼ぐことばかりを考えず、お金の使い方も勉強していく必要があるな、と強く思います。