
好かれる人というのが存在します。もちろん全ての人にというわけではないですが、明らかに好かれやすい人がいます。
その人が場に現れるだけで華やかになる、いわゆる”ムードメーカー”的存在の人です。彼らは仕事も私生活も好調のように見えます。彼らのように、人に好かれるコツはどこにあるのでしょうか?
EQという言葉があります。IQは知能指数を示すのに対して、EQは心の知能指数を示すと言われています。
心の知能指数とは、自分の感情に気づき、コントロールし、それを相手に適した形で表現する能力のことです。
好かれる人はこの能力に長けています。
好かれる人に共通するのは?
いつも何となく機嫌が良いオーラを発している人は好かれやい傾向にあります。周りに人が寄ってきます。
あなたの周りにもいませんか?
大して実務的な能力がなくても、一緒に仕事をしたいと思ったり、教えてあげてたりしたくなる人。
多少おっちょこちょいであったり、不器用であったりするのですが、それがまた魅力的に見えてしまう人。
仕事が人間関係の上に成り立っている以上、いつも機嫌が良い人は得することが大変多いようです。
いつも不機嫌な人の特徴
好かれる人とは対照的に、いつも不機嫌にしている人がいます。
周りにも陰鬱なムードをまきちらし、好かれる人とは正反対に近寄り難い感じがします。
こういった人にありがちなのが、自分の感情に気がつかない、ということです。自分が不機嫌であることを認識できていないのです。
怒りや不満、嫉妬の感情に囚われていることに自分で気付くことができず、「どうして自分の周りにはこんなに嫌な感じの人ばかりなんだろう」と思っています。
(ちなみに、不満を100%前向きに解消する良い方法も記事にしています。興味がある方はどうぞ。)
全ての人間関係は鏡のように自分を映しています。
ある人に悪い感情を持てば、相手も自分に悪い感情を持つことはみなさん経験されたことがあるでしょう。何となく体感的に理解している人は多いはずです。
なので、悪感情を持たない、持ったとしてもそれを引きずらないようにすることが人に好かれるためには必要です。
「自分は今悪感情を持っているな」と、まずは認識できるようになると、不機嫌な人にならなくて済みます。
自分の感情がわからない
不機嫌はまず、自分の感情に正直でないことから始まります。
周りが望むことを自分もするが、それは自分のしたいことではなく、どちらかと言えばあまりしたくない。そんな経験が積み重なっていくと、不機嫌な人を作ります。
人間は社会の中で生きています。
特に40代、50代の男性は今まで社会生活にどっぷり浸かっているため、ずっと自分を抑えて周りに合わせてきました。
もはや自分は何が嫌なのか、自分が本当は何をしたいのか、わからなくなってしまっていることも多いのではないかと思います。
そういった人はだいたい”不機嫌な人”に該当します。
人に嫌われたくないと思っている
私は、不機嫌な人は本当は心の優しい人が多いと思います。
自分の気持ちを抑えて、基本的に人に合わせることを優先している人だからです。
しかし、必要以上に相手の気持ちをおもんばかると、それは返って良くない結果を招くこともあります。
自分の感情を偽り続けるのですから、不機嫌になるのも当然です。
その根底には「嫌われたくない」という自己保身の考えが見え隠れしたりします。
他人に嫌われたくないと思うが故、もう一人の本当の自分に嫌われてしまう、そんなパターンが不機嫌な人を作ります。
そして、そんな人は不機嫌に他人に合して行動するので、他人からも嫌われがちです。
結局、他人にも嫌われ、自分も楽しくない、そんな悲しい結果になってしまいます。
他人が察してくれると思っている
もう一つのパターンは、不機嫌な人は他人にたいして「なぜわかってくれないのか」と思っていることです。
例えば、自分は家事をそこらの夫よりもこないている、なのにご苦労様の一言もなく、あれして、これしてと家事を追加で要求してくる妻。そんな家庭を持つ夫は、妻に対して不機嫌な人になることがあります。
この場合、不機嫌な人になってしまうことを避けるためには「少しくらいは苦労をねぎらってくれ」と言葉に出して言うことです。
言葉に出さないと周りの人は分かりません。気持ちを分かってくれと言ってもそれは無理な話です。当たり前の話ですよね?
では、なぜこのように不機嫌な人は「なぜわかってくれないのか」と思ってしまうのでしょうか。
それは、自分がいつも他人の感情を優先して考えているから、当然他人もそうするだろう、という強い思い込みがあるからです。
不機嫌な人は、周りの人を「自分の気持ちを察しない愚鈍な人」と思っています。
しかし、周りの人からは「なぜはっきり言わず、いつも黙り込むのか」と思われています。
お互いの思いは平行線で交わることがなく、「もう放っておこう」となります。
こうして、不機嫌な人は何が何だかわからないままに、人が遠ざかっていきます。
人に好かれる人の特徴
上機嫌な人は他人に好かれ、人が集まってきます。
結果的に、仕事がうまく行ったり、人生がより楽しいものになります。上機嫌な好かれる人の特徴を考えてみましょう。
自分を信じている
私の経験上、自分を根底で信じることができる人は、感情的に安定している人が多いです。
自分に信念があり、絶対に曲げることがない、と確信している人は、たとえどんなことを他人に言われても、不機嫌になることはありません。
相手の意見に耳を傾けることもできるし、それが正しいと思えば素直に受け入れることができます。
自分の中に確固とした信念があって、それに基づいた価値判断を日常的にしている人は、感情的に大らかで、上機嫌な人です。
自分自身の生き方に迷いや不安があったり、他人の言動に一喜一憂するような人は、不機嫌になってしまうことが多いです。
将来に夢や目標があり、それに向かって自分なりに進んでいけば、自分が「成長できる」と確信している人、そんな人は上機嫌な人であると思います。
人間関係の基本を「好き」に置いている
人間関係の基本は「思いやり」です。心理学とか関係なく、恐らくどんな人でも人間関係を良好に保つコツは思いやりにあることは理解しているでしょう。
しかし、ビジネスの世界に長く身を置いている人は、「責任を果たす」、「やるべきことを何としてもやる」、「結果を出す」ということがスタンダードな考えになってしまい、この基本的な、人を思いやることが置き去りになってしまうことがあります。
思いやりとはいわば共感能力です。
共感能力を鍛える、あるいは思い出すにはどうすればよいでしょうか?
それは人を好きになることです。
誰しも恋愛をしたことがあると思いますが、自分の好きな人に対して思いやりがない、ということはありえません。好きな人には喜んでもらいたいし、幸せになってほしいと思うことが人間の自然な心理だからです。
できそうにないと思うなら、自分の周りの人を思い浮かべてみてください。
心底憎い、嫌いという人が一体何人いるでしょう?
ほとんどのあなたに関わる人は「好きでも嫌いでもない」という人ではありませんか?私はそうです。
そういう人たちに対して、「好き」という感情を持ち込むのはそれほど難しいことであはありません。
人は誰でも得手不得手、長所短所があるものです。
短所にばかり目を向けずに、長所に目を向けるように少し視点を変えてみると、少し嫌いな人くらいは少し好きの範囲に持ってくることができると思います。
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人との適度な距離感を心得ている
人間関係は思いやりに基づいて構築していくものです。
しかし、それを時に重苦しく感じてしまうこともあるでしょう。
自分が苦しい環境に置かれた時に、人に思いやりを持って接する余裕がどうしても持てない時もあるでしょう。
夫婦や家族でも良く散見されますが、人間関係は濃密過ぎても感情のぶつかり合いになることがあります。
上機嫌な人はいわば、不機嫌な自分を見せないことがうまい人とも言いえます。
自分の嫌いない人に嫌いにならない程度の距離を置き、接するコツを会得している人が上機嫌な人とも言えそうです。
まとめ
こうして考えてみると、人に好かれる秘訣は、特別な能力や経験が要求されるものでもなく、ありのままに生きるということに尽きます。
「ありのままで」という言葉が、「アナと雪の女王」で流行りましたよね。その通りで、ありのままの自分を表に出し、何も飾らないことが好かれる人になる秘訣です。
不機嫌な人の特徴を考えてみて分かったのですが、人間の感情は複雑で、自分を騙すようなことを日常的に気付かずに行っています。
プライドであったり、社会的な責任であったり、組織での立場であったり、自分が今まで必死に築き上げてきたものが、素直な自分、やりたいことをやる自分を抑圧し、本当のその人らしさを殺してしまう、そんな悲しい現実が見え隠れします。
芸術家で有名な岡本太郎さんは、「人は生きれば生きるほど、何かを積み重ねて成長していくべきだと思っている。しかし、私は逆で、成長するためには積み減らしていくべきだと思っている。」と言っています。
彼に限らず、道を極める人は、最終的に今まで必死で獲得してきたものを「削ぎ落とす」ことを徹底して行います。
自分を心から好きな人は他人からも好かれます。
自分を本当に好きになるためには、余計なものを常に捨てる覚悟を持ち、いつまでたっても裸一貫で生きていくことが必要かもしれません。
私は職場の後輩達を見ていて良く思うのですが、人間はみんな健気に頑張っていると思います。
上手くできない自分に葛藤しながら、本当はみんな人に好かれたいし、仕事ができるようになりたいし、異性に好かれたいと思っています。
それらを卑しいことや、ダメなこととして捉えるのではなく、「ダメな自分を克服しようと健気にみんな頑張っているな」と思うことができるようになれば、人を好きになり、人からも好かれる人間になれるのではないでしょうか。