
ブログ運営でもリハビリ職のキャリアを考える上で共通することはたくさんあります。
抽象度を上げると、ブログ運営でも、リハ職のキャリアでも共通点がたくさんあります。ブログを運営し始めると、他のブログにないところを探して、そこをアピールしていけば差別化になるだろうと普通は思います。
これはリハ職のキャリアでも全く同じ。
「~のスペシャリストになる!」といって、特殊手技を習い始めたり、~治療法を始めたり、膝関節を極めようとしたり・・・これは他のリハ職と差別化を図る戦略ですね。
ひと昔前なら、これは結構有効な戦略だったと思うんです。
でも、今は、みんな将来に不安を持っているのです。みんな「このままだとやばい!」と思っている訳です。
なので、当たり前のようにみんな差別化を考える。そして、みんな似たりよったりの”差別化”を意識し、どれもこれも大差がないという状況になりかねません。
差別化よりも独自化を
差別化は今のリハ業界のセミナーをみればよく分かります。どれもこれも素晴らしいのですが、どれもどれというか・・・これだ!っていうのがありません。
元々、差別化は競争の中で勝ち抜くための戦略だと思います。
差別化で他者より優位性を誇示すると、当然、被差別側である競合も頑張って、さらに追い打ちをかけて差別化を図ろうとするので、「差別化地獄」、「負の差別化スパイラル」の渦を自分でまき起こして、そこに血気盛んに突入していくようなものです。

差別化を図り、時間と労力を注ぐ前に、そこに”嗅覚”で気づかないといけないと思うのです。
ちなみに、この嗅覚は、”違和感”とほぼ同義です。
セミナーの場合、差別化を続けていくと、最終的には虎の子である「価格」の下げ合いになります。
そうすると、どうしょうもなく安い低品質のセミナーが量産されていき、その界隈の信頼はがた落ち。
さらにそんなセミナーに参加する人は、多少高額のお金を払っても勉強したい!という意欲の高い人ではなく、「なんちゃって勉強」をしにくるようなタイプの人が増えてしまいます。「暇つぶしで来ました。安かったんで!」みたいな。
ブログをやっていても、実は差別化って大した効果なくて、結局は独自化できないと長期間に渡って生き残れないと思っています。他と明らかに違うところをアピールしていかないといけないと思うのです。
どうやって独自化するの?
じゃ、どうやって独自化するのか?という話ですが、最もお勧めの方法がパラキャリを実践することです。異業種同士を組み合わせると、他にはない色が出てきます。
- セラピスト×ブログ
- セラピスト×IT
- セラピスト×農業
- セラピスト×政治
- セラピスト×バンド
- セラピスト×映画・ドラマ
とか、ですね。できるだけ周りのセラピストがやってないことをやる方がレベルの高い独自化が完成します。
セラピスト×○○、もうこの○○は無限です。なんでも良いです。自由な発想と自分勝手・わがままな発想(好きな分野でないと続けられない)を持ちましょう。できるだけ、深く探求できることで、自分が好きなこと、時間を忘れて没頭できることが良いです。
異業種で実際に働いたりして、そこでえたスキルや見解を盛り込んだリハビリ論を展開する。これは非常に面白いと思います。
それをブログで発信していけば、絶対に「おもしろい!」と思ってくれる人が世の中にはいます。だって、みんな差別化ばかり考えていますから、独自化を考えて実行している時点ですでに目立ちます。
セミナーであれば、「車でドライブ勉強会!(※好きな音楽をスマホに入れてお越し下さい。順番に再生します。福井県東尋坊までおいしい海鮮丼を食べに行きます。その間ずっと認知運動療法について実体験を交えながら講義を行います。」
とかすれば、顧客は適正価格なんていくらか分からないし、他に同じことしているセミナーなんてないですから、差別化なんて考えなくても良いです。
これが独自化。今あるセミナーの「形をぶっ潰して」、本質的なものだけ残す。※形をぶっ壊す発想はめっちゃ大切です。(実際にぶっ壊すのではなく、あくまで発想だけです。)
そうなれば、競争なんて永久に必要ないし、負のスパイラルなんてありません。ザッツフリーダム。
はじめから差別化など目指さずに、独自化を目指しましょう。
チャンクアップして繋ぎ合わせる
ただ、リハ職の多くの人が抽象的な考え方が苦手だったりします。それだと、リハビリ×○○を合わせて情報発信できません。上手くかけ合わせてシナジーを起こすことができず、最悪両方の良いところを打ち消し合ってしまうかもしれません。
初めに「ブログ運営とリハ職のキャリアは共通している」というお話をしましたが、両方の物事を少し詳しく理解していると、上澄みの部分で似ている共通項が見つかります。(上澄みを掬うことを”チャンクアップ”と言います。)これが結構本質的なことだったりします。そして、本質的な部分は他の分野でも応用が利きます。
例えば、リハ職の臨床では、本質的な所は、対人関係とか思いやり、いたわり、配慮する気持ちなどだと思います。
”人と触れ合う温度”を知っているんですね、リハ職は。
基本的に優しくて温かい。
だから、リハ職は普段の友達付き合いでも、ちゃんと人の話を聞いて、その人の興味・関心がどこにあるのか探ってから話始めたりしますよね。無意識に合わせにいくのです。
このように、本質的なところはあまり場所を選ばす使いまわしが効きます。
しかし、具体的なところは応用が利きにくい。特殊手技とかもそうですね。ある限られた場面でバチッと合わないと使えない。
チャンクアップして考えるクセを付けるには、とにかく思考に枠を設けないこと。
リハ職のキャリアの場合だと、先輩、上の年代のキャリアをベースに発想している人が多いです。しかも無意識に。
さらに臨床経験第一主義的なベースがあるので、権威主義傾向が強くなりがちです。
そうすると「~先生のキャリアデザインを参考に・・」となります。こうなると、自然に差別化をキャリアデザインのベースに据えることになります。
そんなのこれからの時代は通用しません。
これからは国にも守られませんし、開業して自費診療でも厳しい時代です。先輩たちのキャリアデザインがそのまま通用するわけないですよね。周囲の環境が全然違うのですから。
リハ職は”資格を捨てる”という発想が今後必要
資格を捨てるというのは、以前のリハ職の働き方や仕組みを捨てて発想するということです。そうすると、色んな他の業界に「リハビリ」が無造作に転がっていることに気付くはずです。
伝統を維持するためには改革が常に必要なのです。もう、今は革命が必要なくらい変わっていかないと、時代に追いつかないかもしれません。伝統を維持、継続させるために。
リハビリって何でしょうか。広義では、私は「人の幸せを追求すること、つまりは社会貢献」だと思います。
社会貢献するために、資格を使わなければならないとか、プラットホームの上で、病院で、施設で、ハンズオンでオフなど関係ありません。
目的は社会貢献。手段は無限。
どんな手段でも良いのです。社会貢献に目標設定しているならそれでOK。他の業界に出たときに先ほどの独自化する際に培った「リハビリ×○○」のうち、今度は「リハビリ」の部分が強くあなたの個性を輝かせてくれるようになります。
他の業種の人に負けない独自化が、あなたの中の「リハビリ」的要素によって成立するのです。
資格という”不安”を捨てよう
でも、多くの人は資格を捨てられません。心の中で。
なぜなら、それで現在ご飯を食べているからです。資格を捨ててしまったら、将来生きていけない、と無意識に思ってしまうのです。
”不安”が心の自由を奪ってしまうのです。
しかし、私のように2つの仕事を同時並行で行い、パラキャリを実績して、なんとかご飯が食べられる他の分野の収入があれば、本当に心から「資格を捨てた発想」ができます。
なぜなら、安全地帯が二個あるからです。
パラキャリリハ職にとって安全地帯が本業
復業は"チャレンジする場所"
ネット使って上手くやればリスクは0
何度失敗しても痛くもかゆくないのです
— 西野 英行 (@PT50139040) October 6, 2017
なので、上述のようにパラキャリをお勧めしているのです。
今後、次世代のリハビリ界で活躍するセラピストはきっと、みんなパラキャリ実績者か、資格に囚われた発想をしない、強靭なハートと柔軟な思考を持った人たちだと思っています。
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まとめ
ひと昔前は起業が推奨されるような雰囲気がありましたが、これからは形に囚われない発想が必要です。起業しているとか、セラピストだからとか、本当に形や外枠は何でも良いんです。
枠を壊す必要すらありません。完全無視で良いんです。
重要なのは、「あなたが何を目指し、世界をどうしたいか」です。いわゆる「ビジョン」です。
世界=地球(外国も含め)とは、定型的な形のあるものを指しているのではありません。「こんな世の中になったら良いな~」という自分の世界観ですね。
自分が成長していくことで、今後どんな世界を築いていくのか、それが最も重要なことなのです。
まずは、そこを確立させましょう。でなければキャリアデザインも何も構築しようがないのです。