リハ職キャリアにおけるスキルアップ・差別化の方法「ゼネラリストかスペシャリストか?」

理学療法士のスキルアップ


リハ職のためのスキルアップとして、旧来の方法論では「専門技術を磨いてその分野でのスペシャリストになることが良い」と言われます。

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例を挙げれば、理学療法士であれば、

  • 肩関節の構造とその治療法を熟知して、臨床経験を積むこと
  • 小児などのニッチな分野に特化した知識・経験を積むこと

などです。

しかし、本当にそれだけしか方法がないのでしょうか?

マクロの労働市場では療法士の専門性は確立している

私はリハ職の専門性はマクロの労働市場ではすでに確立されていると思っています。

現在私の所属する訪問リハビリでは、リハビリの依頼がひっきりなしに来て、本当に手が回らない状態です。

 

中にはマッサージだけを望んで訪問リハを希望する人もいます。

リハビリでマッサージをするのは良くないと思っている療法士も多いと思いますが、患者さんの言う「マッサージ」という言葉の意味は、私たちと同じ認識ではない場合も多くあります。

患者さんにとって、マッサージという言葉は「片麻痺で自分で運動を積極的にしており、動作後の筋緊張の過剰な亢進を緩めて欲しい」という意味で使われることもあります。

別にマッサージをしなくても、筋緊張が落ちるストレッチや運動を指導すれば納得してくれる人もたくさんいますし、患者さんの状態によってはそれしか方法がないのであればマッサージをするのも一つの手段だと思います。

「それではマッサージ士と変わらないではないか」と思う方もいるかもしれません。

全然そんなことはありません。

 

マッサージ士は直接体に触らないと筋肉が緊張しているところは分からないと思いますが、私たちは動作分析を行えば、見るだけである程度筋肉の緊張している箇所がわかりますし、ストレッチやマッサージを実際にしなくても動作改善の方法を指導し、普段の生活で筋緊張が亢進しにくいようにケアすることもできます。

症状に対して取れる選択肢の幅が少し違います。(もちろんマッサージ士にはマッサージ士の専門知識があり、どちらが職業として上・下などという意味のないくだらない話をしたい訳でありません。)

 

さて、このように処理しきれないほどにリハビリの依頼が殺到している現状で、私個人としては今のところ、スキルアップのため、専門性の差別化を図る必要性は低いと判断しています。

 

どういうことかというと、同期の療法士が「肩関節のプロになる!」と言っていても、じゃあ、「私は股関節のプロになる」などとは思わない、ということです。

なぜなら、同じように考えている療法士が全国にたくさんいることが簡単に想像できるからです。

皆がやっていることを、特に優秀でもない私がやっても効率が悪いと思います。

それなら私にしかできないことをやったほうが良いし、その方がより、一つしかない私の人生を社会のために役立てることができると思います。

 

そもそも、何のためにそれらを勉強し、ごく狭いニッチな分野でプロになるのか、というところが一番の問題です。

もしそれが、将来の自身のキャリア形成のためのスキルアップのためにと考えているのであれば、有効な策ではないかもしれません。

 

転職市場は上述のようにマクロの視点で考えられるので、脳卒中片麻痺の動作後の筋緊張の亢進がなぜ起きるのかという機序を理解しており、どうすれば効率的に緊張を落とせるのか、その解決方法をたくさん考えられる知識と経験、スキルを持っているだけでも素人や専門外の人には十分アピールできる差別化になるはずです。

もし療法士として淘汰されなくないとか、生き残りたいとか、専門家内での差別化を図るのなら、以下に述べるミクロの視点で労働市場を捉え、差別化を図っていくことが必要だと思います。

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療法士業界での差別化=競争ではない。むしろ競争しないほうが良い。

どうしても、”差別化”という言葉には”競争”というイメージが付きまといます。

狭き門をくぐり、競争を勝ち残らなければ差別化などできない、そう思っている人も多いでしょう。

しかし、実際はそうとも限りません。

 

オリンピックを例に考えてみましょう。

もし、あなたが今まで特にスポーツに打ち込んだ経験がなく、どうしてもオリンピックに出たいとします。その時にそうすれば良いのか?

明白な答えのひとつが、選手の少ない競技を選ぶことです。そうすれば、競争者は少なく、オリンピックに出場できる可能性が高くなります。

完全に競争の世界であるオリンピックですらそうなのです。

 

もちろん厳密に一切競争をしなくて良いということはありえないですが、簡単に療法士内、専門家内で自身を差別化するためには、できるだけ競争者の少ない分野に特化すると効果的です。

このロジックでは、競争者の多い分野で戦おうとするのは愚策であり、むしろ発想を逆転して「競争しないこと」を前提にキャリア構築を考えます

その時に、自身の現在見えている狭い範囲での仕事内で考えていると、自分にフィットした特定の分野を見つけることが非常に難しい場合が多いのです。

”リハ職辞めようかな症候群”は視野狭窄状態?

多くの人がここでつまずき、「私にはリハビリ分野で何もしたいことがない・・もうリハ職辞めようかな・・」と考えます。

本当にそうでしょうか。

 

自分の今見えている範囲でしか仕事を捉えていないから、”辞めようかな症候群”を患ってしまうことが多いように思います。

  • 回復期だけでしか働いていない
  • 特定の疾患、年代の患者さんしか診ていない

これではリハビリという仕事の背景にある、”巨大な可能性”が見えている状態とはとても言えません。視野狭窄状態ではないでしょうか。

ゼネラリストか?スペシャリストか?という議論は極論で意味がない

よくリハ職のキャリア形成において、ゼネラリストを目指すべきか、スペシャリストを目指すべきか?などという議論が聞かれます。

しかし、これはそもそもの問題提起が間違っているので、あまり意味のない話です。

 

若い方は特に、まずはゼネラリストを得て、スペシャリストを目指すべきです。両方の視点がキャリア形成においては必要です。

 

なぜなら、初めからスペシャリストを目指しても、狭い視野での範囲でしか物事を捉えらえないため、先ほどの”肩関節のプロ”みたいな単純な発想になってしまいがちです。

そうなってしまうと、競争者が多く、勝ち残るために莫大な労力と時間が必要な割に、大した差別化にならない可能性も高くなります。

しかし、キャリアの始めにゼネラリストを目指すと、圧倒的に視野が広がり、色々なリハビリ分野やその社会背景、自分の可能性が見えてきます。

 

初めからスペシャリストを目指すと、リハビリ分野の全体はあまりにも範囲が広過ぎて、とても仕事の全てを把握し、自身に適切な分野を選ぶことはできません。

言うまでもありませんが、今ではリハビリの対象は、

  • 身体の構造・機能
  • 筋肉、関節などの人体組織
  • 運動・動作・活動

だけではありません。

 

現在の訪問リハビリでは社会問題を背景にした地域社会の問題にも関わりますし、スポーツ医療の分野、予防も視野に入れると健常者の健康維持、高齢者だけでなく若年者や小児、障害者も対象になります。

もっともっと視野を広げれば、人類の永遠の課題ともいえる寿命や日々の運動習慣の確立にも療法士の専門知識を生かすことができると思います。

 

まずは、ゼネラリストを目指し、漠然とでも良いので、社会におけるリハビリという仕事の全体像を掴むことができないと、そもそも自分が何のスペシャリストになると良いのかなど分かるはずがありません。

 

まずはとにかく視野を広げて、色々なものを見てその存在を感じ、知ること。

それから自分の好きな分野で生涯を掛けて熱中できるものを見つけること。

 

いざ、そういう分野のものが見つかったら、こに一点集中してスペシャリストを目指すのです。

これが自然で現実的、今後の正しい療法士のキャリア形成の方法論です。

今後は「旧来の専門知識」でないものを学ぶこともスキルアップになる

理学療法士のスキルアップ

上述のように、今ではリハビリ職の職域は広く拡大しつつあり、旧来のスケールで考えた「専門知識」だけではない知識・スキルも今後重宝される可能性は十分あり得ます。

例えば、最近の療法士のキャリア構築の手段の一つとして、セミナーを主催するというものがありますが、この時に必要となるのが、ネット(SNS)での集客や宣伝の知識・スキルです。

それらの知識は旧来の療法士の専門知識ではありませんでした。

しかし、今後はそういった知識やスキルも療法士業界で求められるようになる可能性は充分あります。

”横展開できるスキル”を身に着ける

社会人のスキルにはざっくり分けて二種類あります。

  1. どの会社でも通用する”横展開できる”スキル
  2. その会社でしか通用しない”固有の”スキル

です。

 

ネット集客の知識とスキルは非常に横展開しやすいスキルの代表です。

(2のスキルは、例えば、社内での書類のフォーマットの把握や稟議の通し方、などです。)

新世代療法士のキャリア構築の方向性として、

  1. セミナーを開催する
  2. 本・電子書籍を出版する
  3. 独立開業する

などがありますが、

参考)リハビリ職の認定専門資格は本当に必要?”キャリア弱者”のための最強戦略

これらの方法はどれも、効果を最大化するためにネットの活用が必須です。

 

開業・独立した療法士にもネットを活用した集客は今後絶対に必要になる(今後高齢化していく団塊の世代はネットを使えます)ので、そういったスキルを持っていれば、新規事業立ち上げの即戦力としてあなたの力が必要とされるかもしれません。

そういった視点も踏まえると、療法士と言えども臨床だけを視野に入れて日々働くだけでなく、もっと大きな視点でビジネスの知識も持っていたほうが良いでしょう。

また、できるだけ早く後の時代の流れに沿って発展する療法士の活躍分野を把握しておく必要があります。

早いうちからその分野と繋げることができる、つまり横展開できるスキルを磨いておくと、競争者も少なく、今後はより効率よくキャリアを構築できるでしょう。

まとめ

未来に活躍する療法士になるためのキャリアデザインの方法をまとめます。

  1. 新人~:まずは療法士の臨床業務を把握する
  2. 中堅~:ゼネラリストを目指し、業界の全体像及び背景にある社会・市場を把握、自身の興味関心・向き不向きを踏まえて特化したいジャンルを特定する
  3. ベテラン:自身にフィットした分野に特化してスペシャリストを目指す

キャリアアップのために重要なスキルを身に着けるためには、旧来の専門性の枠に囚われ過ぎず、今後の療法士業界の発展を視野に入れて、横展開できるスキルを磨いておくと競争の少ない分野で効率的にキャリアを構築できます。

 

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