
適切に断ることができるようになると圧倒的に人生が豊かになります。
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「課題の分離」ができないと全ての責任は自分にあると思ってしまう
私の母親は、ヘルパーステーションでヘルパーとして働いています。
介護業界は、ものすごく小さい、極小企業が多いのですが、母の働くヘルパーステーションも極小事業所です。
管理者は人材が足りないといつも言っていて、休日出勤や長時間労働を当たり前のように、従業員にお願いしてきます。
母親は、「募集しても来ないから仕方ない」と言って、その要請に応えています。同僚も同じような感じで、過労のため2人も入院する従業員が出ているそうです。
これはいわゆる「課題の分離」ができていなくて、母は、自分の問題と事業所の問題を混同していると思います。
※課題の分離とは:自分の課題と他者の課題を分けること。 心理学者アドラー曰く、「あらゆる対人関係のトラブルは、他者の課題に土足で踏み込むこと(あるいは自分の課題に土足で踏み込まれること)によって引き起こされる」。
人材が足りないのは、事業主の抱える問題であって、母親の(従業員)の問題ではありません。しかも、事業所として、人材募集の方法をどのようにしているのか?母親に聞いてみたところ、ハローワークに募集を出しているしだけ、との事でした。
これでは人は来ないですよね。旧来の方法でやっても人が来ないから業界の人材不足が叫ばれている訳で、もう少し工夫する必要があります。
本来、一人目が倒れた時点で、人材募集のための方法を工夫しなければならないはずです。それを行わないばかりか、従業員にその穴埋めをさせている、という状況です。
私は母親に無理して仕事を受ける必要は無いと何度も伝え、それは母親の問題では無いから、と伝えました。
お互いのために”断る”
こういった事は、私たちの周りですごくたくさんあります。
滅私奉公が推奨されていた過去もあり、会社の問題をあたかも自分(従業員)の問題であるかのように捉え、自分が消耗するまで働いたり、貢献したりしてしまいます。
その時は良いかもしれませんが、これは長い目で見ると従業員の為にも会社の為にもなりません。これは詭弁でもなく、事実です。
その会社は、人材で困っているときにどのような対応をするかを学ぶ良いチャンスなのですが、そのチャンスをみすみす逃し、従業員の情に頼って何とか乗り超えられてしまうということを学んでしまいます。また同じことが起こったときに適切な対応方法がわからないままになるのです。
これはお互いのためによくありません。
なので、ぜひ断る勇気を持って仕事やお願いを断ってみてください。長期的にみて、必ずお互いのためになります。
自分の人生、身体や健康・時間は、自分で守らないと誰も守ってくれません。後悔しない人生を生きるためにぜひ、当たり前のように課題を分離し、必要のないことは断る勇気をお持ちましょう