
身体機能が低下し、介護が必要になると、電動ベッドを使う方が大変多いです。
今回は知っておくと便利な電動ベッドの種類と使い方についてご紹介します。
介護用電動ベッドとは?
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電動ベッドとは、介護が必要になった人が使う「電動で動く機能があるベッド」のことです。
特に、身体機能が低下し、寝床からの起き上がりがしにくくなった人が使います。
また、介助者も、おむつを替えたりするときに電動で丁度良い位置に高さを変えることができるため、大変便利です。
付属のリモコンを使うことで簡単に操作できます。
電動で稼働する部分は、後述するベッドの機能(モーター数)によって違いますが、
- 背中部
- ベッド自体の高さ
- 足部
があります。
介護用電動ベッドの基本的な機能と使い方
電動ベッドの基本的な使い方をご紹介します。
背上げ機能
背上げを行うと、起き上がり動作が楽に行えます。
介助者も起き上がりの介助を楽に行えます。
また、ベッドから降りて自ら食卓へ移動することが難しい方は、背上げした状態で以下の写真の様なオーバーテーブルを使用することで、ベッド上で食事をすることもできます。
![]() オーバーテーブル KQ-060M (83cm幅専用)介護用品
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高さ昇降
ベッド自体の高さを昇降させることで、ベッドからの立ち上がり動作が楽に行えます。
そもそも、電動ベッドを使うことになるきっかけとして、「床に布団を敷いていたが、床から立ち上がるのが難しくなってきた」時に導入を検討されることが多いです。
電動ベッドは高さがある寝床から足を下ろすだけで座り、そこから立ち上がるだけで離床することができます。
足上げ機能
足上げ機能は単独で使うと、足に浮腫などでむくみがある方が使うと足を上げて寝れるので、楽になります。
背上げ機能と併用して使うと、背上げだけすると体がずり下がってきてしまうのを抑制する効果があります。
背上げ、高さ昇降などの機能と比べると使う機会は少ないです。
介護用電動ベッドの種類
電動ベッドには様々な種類がありますが、モーター数によって機能が異なってきます。
基本的な考え方としては、モーター数が多くなるほど、機能は多彩になりますが、その分費用が掛かります。
1モーター
市場に出回っている数は少ないですが、1モータータイプの電動ベッドでは、
- 高さ昇降のみ可能
- 背上げのみ可能
なタイプがあります。
主に介護度が軽度の方に使用されます。
上述のどれか一つだけ機能が欲しい方が1モーターを選びます。
2モーター
2モーターのタイプで一番多いのは、
- 背上げと足上げ機能の連動
- 高さ昇降
ができるタイプです。
足上げ機能はオフにすることもでき、単独で背中を上げることができる場合も多いです。
2モータータイプが最も一般的に普及しており、普通、電動ベッドというとこのタイプを指すことが多いです。
3モーター
モーターが3つ付いているので、
- 背上げ
- 足上げ
- 高さ昇降
独立して別々の操作が可能です。
介護用電動ベッドの選び方
様々な種類がある介護用電動ベッドをどのように選べばよいのでしょうか。
考慮すべきポイントは、3つです。
- 機能
- 価格
- 大きさ
です。
機能別に選ぶ
介護用電動ベッドは上述の様に、必要な機能から選ぶことが基本です。
すなわち、モータ数を考慮して選ぶことになります。
起き上がりがしにくくなって電動ベッドの導入を検討している方は、背上げ機能が必須です。
心疾患などがあり、足がすぐにむくんでしまう方は足上げ機能が必要です。
価格で選ぶ
介護用の電動ベッドは介護保険制度の福祉用具貸与サービスで特殊寝台という名目でレンタルすることができます。
費用は1割負担で、モーター数によって費用が変わってきます。
利用者負担は、大体月/1000~2000円程度です。(業者によって価格が異なります。)
半月毎にレンタル料が発生するシステムの業者が多いです。(15日以降に契約した場合、1000円のベッドだったら500円ということになります。)
ベッド本体の他に、上述のオーバーテーブルなどの特殊寝台付属品などもレンタルすることができ、月数百円程度です。
ベッド柵(サイドレール)はマットレスのずり落ち、転落を予防するために両サイドに2本は最低必要で、業者によっては本体とセットになっている場合と、別途数百円必要な場合があります。
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ちなみに、サイドレールはあくまでベッドからの転落防止とマットレスのずり落ち防止のための商品であるため、立ち上がり時の持ち手(手すり)としての機能(強度)はないとのことです。(メーカーより)
サイドレールを手すりとして使用したい場合は、介助バーと呼ばれる商品を使用する必要があります。
![]() (介護ベッド用)パラマウントベッド社スイングアーム介助バースタンダード(アイボリー) [JIS認証取得]楽匠Zシリーズ/楽匠Sシリーズ用型番KS-096Aパラマウントベッド(電動ベッド用)
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要介護認定を受けていない、45歳以下で認定が受けられない、または、要介護認定を受けていても要介護度が2以下であれば、保険を使って電動ベッドをレンタルすることができないこともあります。
その場合は、中古ベッドを購入するか、自費レンタルがおすすめです。
最近では、自費レンタルでもほとんど介護保険を使ったレンタルと同じ程度の価格まで値段が下がっています。
スペースで選ぶ(大きさ)
自宅のスペースに応じて介護ベッドの種類を選ぶ場合もあります。
基本的にモーター数が増えても、電動ベッド本体の寸法自体は変わりません。
しかし、メーカーによって多少サイズが異なったりします。
また、電動ベッドは高さ昇降をする際には握り拳一つ分程度頭側にスイングして動くため、電動ベッドの実寸に加えて、15㎝程度余裕を見ておく方が無難です。
最近ではスイングせずに垂直に昇降するタイプのベッドもあるので、スペースに悩んでいる方は検討されてみてもよいかもしれません。
普通のタイプの電動ベッドであれば横1m、縦2m程度のスペースがあれば設置できます。
マットレスの幅は普通90㎝で、ワイドタイプもあり、幅100㎝のものもあります。
体の大きな方が寝返りを打った際に、ベッドの柵がすぐ目の前に来てしまい、柵を持って起き上がることが難しくなる場合があるので、そういった方はワイドタイプを選定されると良いかもしれません。
介護用電動ベッドの便利な使い方
基本的な使い方は上述のとおりです。
しかし、他にもアイデア次第で色々な使い方ができるのが電動ベッドです。
私はリハビリの分野で毎日の様に介護用ベッドを使用しているので、少し変わった使い方をここではご紹介します。
立ち上がり補助
ベッドから起き上がり、足を下ろした状態で、地面に足をしっかりと着け、そこから電動ベッドの高さ昇降で高さを上げていくと、お尻をベッドが押してくれるので、立ち上がりの補助として使えます。
リハビリで立ち上がり練習を行う際にこの様に使用することもあります。
普段、自身でリモコンを操作されている方は、立ち上がりがしにくい時に試してみると良いかもしれません。
座位保持
ベッドから足を下ろした状態で座れない方は電動ベッドを座位保持練習のために使用することもできます。
普段、後ろに倒れてしまって座っていることができない方は、ベッドの高さを上げることで、足が地面から浮き、骨盤が前傾することで、座位保持ができる場合があります。
もちろん、不安定で、転倒・転落の危険があるので、必ずそばに人がいる時に行って下さい。
リハビリで座位保持練習をする際にこのように電動ベッドを使う場合もあります。
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ベッド背上げ時のずり落ち防止に効果的な方法
電動ベッドの背上げ機能を使うと体が下にずり落ちてしまうことがあります。
それを防ぐために最近のベッドは「連動」というボタンがあり、これを押して背上げすることで先に足部が上がってきてから背上げが行われるようになっています。
しかし、その機能が付いていない電動ベッドも未だに多く普及しています。
背上げだけすると下に体が落ちてくる場合は、先に足上げボタンで足をある程度上げておいてから、背上げを行うと体が下にずり落ちてきません。
リハビリ職や医療職で電動ベッドの扱いに慣れている人ならほとんどの人がこのようにして背上げを行っています。
ベッド上で食事をする場合
ベッド上で食事をする方で、食欲が無くて困っている、という話を家族さんから稀にお聞きします。
よくよく聞いて見ると、背上げ角度が充分でないため、介助される側も飲み込みがしにくく、食事が進まない場合もある様です。
背上げ機能を使って、最低30°まで上げると飲み込みがしやすくなり、食事が進みやすくなります。
最近の電動ベッドはリモコン部に角度が表示されるものが多いので、表示を確認しながら食事をされると良いと思います。
まとめ
福祉用具のバリエーションは充実しつつありますが、まだまだ使い方を広く知られていないものもたくさんあります。
電動ベッドなどの福祉用具は使い方次第で絶大な効果があるので、是非、今回の記事を参考にして下さい。