
人生満足度=幸福度であることが分かっています。つまり、毎日充実して過ごすことができる人は幸福度が高い人である、ということができます。
では、どのようにして毎日の充実感を高めると良いのでしょうか。
充実感がない人
毎日朝起きて仕事に行き、帰ってきて寝る。休日は特にやりたいこともなく、ダラダラとテレビを見たりして過ごします。このような生活ではなかなか充実感を感じる事は難しいでしょう。

内閣府による、平成29年「国民生活に関する調査」では、日々の生活の中で「充実感を感じていない」とする者の割合が24.7%となっています。
実に約4人に1人が充実感を感じていないということになります。
私自身も経験がありますが、特に社会人になってからは毎日職場と家庭の往復で、充実感を感じることが少ないと言う人も多いのではないでしょうか。
充実感がないと、なぜダメなの?
充実感がないとなぜダメなのでしょうか?
別に「ダメ」と言うわけではありませんが、「充実感がない=欲望を満たせていない」ということになります。
心の底から渇望する、本能的な欲望を満たした時、人は充実した感覚を覚えます。
これが日常生活でほとんどないということは、欲望が満たせていないということを意味します。なので、決して気持ちの良い状態でははありません。わかりやすくいうと、喉が乾いているような状態です。
そんな状態では、何かに集中することもできませんし、幸福感を感じる習慣としてフロー(没頭)することもできません。
つまり、「息をして心臓も動いているけど、なにか自分は生きていない」ような、そんな生命力の枯渇した状態を経験することになってしまいます。
欲望とは
欲望というと、生理的なものばかり(3大欲求:睡眠・食事・性欲)をイメージされる方が多いと思いますが、社会的生物である人間は、もっとたくさんの社会的な欲求(高次の欲求)を持っています。
マズローの五段階欲求説が理解しやすいでしょう。(下図)

社会人になって充実感がないと悩んでいる方は、だいたい、高次(社会的欲求、尊厳欲求、自己実現欲求)の欲求が満たされていない場合がほとんどです。
これらの欲求を満たすことで毎日充実感を感じながら生活を送れる、ということ。
充実感を感じる具体的な方法
さて、では、どのようにしてこれらの欲求を充足させ、充実感を感じながら毎日を過ごすことができるのでしょうか?
答えは、
自分で決めた具体的な目標を持ち、それに向かって計画を立て、(自分が)意義を感じること(M)を、毎日前向きな気持ち(P)で没頭しながら(E)実行し、達成する(A)こと。その中で豊かな人間関係を形成(R)し、交流すること。
です。(赤字は特に大切な部分)
少しイメージしにくいと思うので、具体例を挙げますね。
例)「1年後までに月50万円、自分の力で稼ぐ方法を身につける」という目標を立て、そのために毎日すべきことを考え、コツコツと実行していきます。
お金の例が一番わかりやすいのですが、他の目標でも全然構いません。結局、他人に言われたり、求められている姿ではなく、自分が本当に達成したい目標を持つことが重要です。
計画を立てたら、1ヶ月はとりあえず必死で取り組んでみます。
PERMAを満たすと充実感がある
ポジティブ心理学で、「PERMA(パーマ)」が幸福の要素として提唱されています。
パーマとは、
- P:ポジティブ感情
- E:没頭(エンゲージメント)
- R:人間関係(リレーションシップ)
- M:意義(ミーニング)
- A:達成(アチーブメント)
のことです。これらの要素が満たされている人は幸福度が高いことが研究から分かっています。
これらを日常的に満たしていくためには、上記の「目標を立てて実行していくこと」が必須です。全ての要素が含まれます。
なので、私の企画・運営する「ウェルビーイング実践プログラム」でも、目標を立て、計画を実行していくための方法を一緒に考え、実践しています。
実際に、これをすると、幸福度が上がる(効果判定に幸福度を数値化できるサイトを使用します。)のが非常に面白いところです。
目標を持とう!
私がここで言いたいのは、「目標がなければ幸福にはなりにくい」ということです。
「目標=夢」と言い換えても良いと思います。
希望は他者から与えられるもではなく、自分で作るものだという認識を持つことで主体的に自身の人生を生きることができます。
なにもない、穏やかな日々を過ごすのももちろん幸せのひとつですが、熱くなるような目標がないまま何十年も過ごすのは少ししんどいのではないでしょうか。
人は何かに向かって熱中しているときに本来の才能を発揮し、自分を大きく成長させます。
ぜひ小さいもので結構ですので目標を持ち、それに向かって熱中して取り組んでみてください。きっと、大きな充実感を感じることができるはずです。