
フリーランスも良いですが、これからは「セミフリーランス」が良いと思っています。なぜフリーランスではなく、セミフリーランスなのか?
情報が簡単に得られる様になり、様々な人とは少し違った生き方をする人の人生を、スマホを通して誰でも垣間見れる様になるました。人生に対する価値観が多様化し、それに伴って働き方も様変わりし、色んな”選択肢が見える”時代になっていると思います。
昔みたいに、一つの企業に属して一つだけの仕事・職業を極める以外の選択肢を皆が模索し始めているのだと思います。
その中で、私がオススメしているのが、「セミフリーランス」という働き方です。
ネットを使ったフリーランスという働き方が最近増えてきていますが、そうではなく「セミフリー」です。
※複業家、パラレルキャリアと同じような意味合いですが、より馴染みやすいワードとして「セミフリー」を提唱しています。
セミフリーランスという働き方は、いわばハイブリッドカーのようなもの。非常に効率的だと思っています。サラリーマンとフリーランスの良いとこどりです。
なぜか?以下に説明していきます。
フリーランスのデメリット
何でも物事には良い側面と悪い側面があり、フリーランスにも当然デメリットがあります。
資本主義にも長い歴史があり、それなりに労働者も権利を獲得するために動いて、勝利を得てきました。一部のブロガーなどが煽っているように、一方的に資本家に搾取され続けてきた訳でもないです。
フリーランスになると、その労働者が勝ち取ってきた権利を放棄する、という側面があります。
ではどんな権利を獲得してきたのか?主には以下の通り。
収入の保証がない
フリーランスは収入が不安定になりがちです。ネット上でフリーランスをする(ブロガーやアフィリエイターなど)のも同じで、それだけで生活するには心許ない場合も多く、多くの方は投資などを行い、他の収入源を確保しています。
サラリーマンや雇われは毎月定期的な収入があることが最大最強のメリットです。
少々上司に怒られるくらいは目を瞑っても全然元が取れるくらいの素晴らしいメリットが、「何があっても、仕事しなくても定期収入があること」なんです。
そういう意味では、フリーランスはあくせくと働き続けないと収入がないので、本当に好きなことを仕事にしないととてもやっていけないでしょう。(正確にはやっていけますけど、かなり精神的にしんどい。)
社会的信用が少ない
サラリーマンは社会的信用が高いです。普通にそこそこの組織に属して働いているだけで、他者にはよく分からない仕事をしているフリーランサーに比べて桁違いです。
クレジットカードを作る際やローンを組むときに社会的な信用が少ないフリーランスは契約を断られる場合も多いです。
ローンとかは家も車も買わない、という人にはあまり必要ないかもしれませんが、いざという時にローンが使いにくいというのは、どう転ぶか分からない長い人生、デメリットとして挙げられると思います。
福利厚生がない
当然、基本的に福利厚生もありません。
最近では、フリーランス向けの福利厚生サービスがランサーズなどによって出されていますし、これから充実してくる可能性は十分あります。しかし、まだまだ。きちんとした形になるまでは、あと数十年は掛かりそうな感じです。
セミフリーランスという働き方
フリーランスという働き方は確かに、嫌な上司と関わらなくて良いし、理不尽で明らかに効率が悪い業務命令にいやいや従わなくても済みます。
その代わり、すべて、100%自身の責任において収入を生み出さなければなりませんし、体を壊しでもしたら非常に辛いことになるのは明らかです。もちろん、特別に優秀な人は別ですが、私を含む多くの普通の人にとっては少し荷が重すぎるのではないか?と思うのです。
さらに、保守的で安定を好み、村社会を好み、群れて安心する傾向の強い日本人にとって、フリーランスで独立独歩、というのはどうも肌に合わない気がしています。
運悪く、ブラック企業に入職してしまい、体と精神を病んで退職。
フリーランスになったは良いけど、結局同じようにプレッシャーに押し潰されそうになって毎日過ごしている人も多いのではないかと思っています。
いきなりサラリーマンからフリーランスになるのではなく、途中にセミフリーランスという形をとり、組織(もちろん、ブラックではない組織が大前提です)に属して、今までの勤務形態を維持しつつ、個人でネットの活動(ネットではなくても良いですが、ネットであれば家で手軽に取り組み、スケールしやすいです)を続け、力をつけていくと良いのではないでしょうか。
具体的な収入のイメージでいうと、本業で20万円の手取り、個人の活動(複業)で15万円という様な働き方。
これで結婚し、共働きすれば、普通に都会でも生活できます。あとは生活コストを減らしていけば、貯金もできるでしょう。
この働き方であれば、本業である程度の固定収入があります。個人で活動する際に余計な不安を持つことがありません。
そもそも、ネット上の活動をフリーランスを続けるだけでは、かなり不安定な収入になってしまう場合も多いです。逆に、今までみたいに本業1本だけ、というのも実はこれからの時代、結構不安定です。
株などの投資分野でも常識である、収入源を分散させる方法(一つのカゴに全ての卵を入れない、というやつですね。)がこれからは個人レベルでも意識していくべきことになってくると思います。
テクノベート(テクノロジーベース&イノベーション)で社会が変わっていくので、すぐに今までのノウハウやスキル、フレームは陳腐化してしまう時代です。組織ではもはや当たり前になっていると思いますが、これからは個人でも色んな方面に収入源を分散させておくべきだと思っています。
メリット
セミフリーランスのメリットとデメリットを挙げてみます。
収入が短期的に上がりやすい
本業の方は、年功序列的風潮がまだ根強く残っているところも多く、特に20、30歳代の方の場合、わずか数年で月収が数十万円上がったなんて話はかなり稀なケースのはず。(私は聞いたことがありませんが、世の中にはそんな人もいるかもしれません。)
しかし、個人で活動している方の場合、これは結構普通にあることです。私も2年掛かりましたが、達成できています。
若い人の中では、組織の中で昇進して、と夢見ている方も多いと思いますが、昇進したところで月収を数万円上げようと思ってもおそらく最低5年以上は掛かると思います。
なぜなら、組織に属する人みんな同じことを考えているからです。単純にライバルが多いので競争が激しいです。
しかし、ネットでの活動であれば、個人として他にない魅力をアピールして、競争が少ないフィールドを狙うこともできます。「狙うフィールドを選べる」というところが最も素晴らしい点。
労力を個人の活動に注いだほうが、短期的には確実に収入面での見返りが大きいです。月数万円の収入アップなら普通に私の運営するコミュニティ周りの人も経験しています。
第一、昔と違って、日本の企業の体力が落ちているので従業員の給料を上げにくい。
さらに、先ほど述べた様に社会の変化が早いので、企業はできるだけ内部資金を溜めて変化に備えておこうとします。従業員の給料を上げる方向にお金を使いたくないはずです。
組織も人件費を削減できる
組織側にとってもメリットがあり、優秀な人材を低賃金で雇っておくことができます。
今までは、「働く=お金を稼ぐこと」という目的のみが意識されることが多かったので、「良い人材には良い報酬を」というのが常識でしたが、働き方の価値観の多様化に伴い、社会の流れがセミフリー化して行きます。そうすれば、良い人材には個人で能力を発揮しやすい環境を整えてあげれば、それだけで企業に雇われておくメリットがあることになります。
なんせ、人生100年時代に、二毛作、三毛作(仕事を将来的に2個、3個と変えていく時代)を考えておかなければならないので、お金ももちろん重要ですが、それ以外にも、労働の対価として、「自身の経験・成長」の価値が上がっています。
個人でビジネスとして活動していると、自分にはない能力のある人を雇いたくなったりするものですが、それを雇用されている組織に相談できたり、ヒト・モノ・カネどれかをシェアし合うことでお互いwin-winになります。
組織からの収入は一定で変化がなくても、個人で活動して、そっちの方で収入を上げていけば、組織に負担を掛けずに、個人のスキルアップがそのまま収入アップにつながります。
非常に頑張りがいがあり、閉塞感を感じる若い人は一気にモチベーションが上がると思います。
本業と個人での活動でシナジーが起きる
本業と個人の活動を連携させておけば、シナジー(相乗効果)が起き、両者に良い結果が生まれることも少なくありません。私の場合であれば、リハビリで得た知識をブログに書くことで、本も出版し、その影響が本業の方にも良い効果を生み出しています。
むしろ、本業と副業や個人活動、などと分けて認識している人が沢山いる、今の時代の方が仕事の捉え方がおかしいという風潮になってくるでしょう。
仕事は人から生み出されます。
あなたが生み出す全ての価値があなたの仕事を通して生み出されるものであり、全てが本業です。副業だから本業の方が優先、という認識でいるときっと本業も副業も上手くいかないと思います。
https://twitter.com/PT50139040/status/1016866095280504834
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デメリット
もちろんセミフリーランスにもデメリットもあります。以下に挙げてみます。
時間の管理が煩雑になる
人によっては、家庭で子育てもしながらいくつも仕事をこなすとなると、時間の管理が煩雑になってきます。私の周りでセミフリーとして個人活動を行っている方は皆、時間管理(タイムマネジメント)で悩む人は多いです。(もちろん私もです)
昔の一般的なお父さん像の様に、仕事が終わって、家に帰ってからビールを飲んでテレビで野球観戦をする、なんてことは難しいです。(できないことはないです。私もAmazonプライムで映画を見ますし。ただ、毎日というわけにはいかなくなります。)
しかし、このデメリットにも返って良い面もあります。
時間の管理というのは、実は仕事だけでなく、人生を通して必須課題であり、常に意識しておくべきことです。タイムマネジメントは、完成がないというか、ずーっと終わりがありません。それを身を持って勉強する良い機会になります。
組織で働いていると、時給制の考えがどうしても根強いので、時間を多く掛けて仕事をこなした方が残業代が貰える、という認識が、うっすらとでもありませんか?
セミフリーとして働くようになったら、そんなことしている暇があるなら家に帰って個人でバリバリ仕事している方が得なので、無駄な残業も社会的に少なくなると思います。
また、嫌いな人と距離をおくためにも、時間管理をシビアにすることは、精神衛生上、非常に良いことです。
セミフリーとして個人で活動していると、嫌いな人やクレクレ君、生産性がない人と付き合っている暇がなくなるので、自然と生産的な仲間としか行動しなくなります。
そして、そういった人たちは、時間管理の重要性を身を以て知っているので、他人の時間を無駄に奪うことはしません。
個人で活動する際、信頼関係を構築するに当たって、これってすごく重要なことです。
私も、「ブログ始めたので、アドバイス下さい!( ´ ▽ ` )」というメールをもらったりしますが、タイムマネジメントを常に意識している人(個人でもバリバリ活動している人)は、こういったメールを簡単にはしません。
常に相手のメリットを考えますし、アドバイスを求めるにしてもふわっとした形ではなく「ここをこうしたいのですが、どうしたら良いでしょうか?」という具体的な感じになるはずです。
それが相手の時間も大切にする人の発想であり、正直、こういった「アドバイスください!」系の連絡をしてくる方は、それだけで自分の時間を有効に活用しようと努力している様子が伺えないので、アドバイスしたところで果たして意味があるのか?と思ってしまいます。(基本的な心理として、ブログをやっと始めたので嬉しい!褒めて!ということだと思っていますが。)
少しグチみたいになりましたが(笑)、タイムマネジメントの大切さを知ったもらうための良い例になると思いました。
結論としては、若いうちに時間に困窮するのは良いことだと思っています。
なぜなら、自分の時間を捻出するためにあれやこれやと試行錯誤し、その経験が今後の人生に間違いなく活きてくると思うからです。
個人の責任が重くなる
セミフリーになったら、以前の様におんぶに抱っこで組織が面倒を見てくれるわけではないので、ネットで情報を発信するにも、著作権など色々と自分で気をつけなければならない点が出てきます。
受動的な姿勢では仕事は進みませんし、あれやこれやと降りかかる問題を個人で考え、動き、状況を常に創造し、変えていく意識が必要だと感じます。
しかし、本来、仕事とはそういうもので、頭を使って考えることが当たり前。ただ言われたことを言われた通りにやるのは作業であり、仕事ではありません。
社会が成熟して、やっと多くの日本人が”作業”から”仕事”をし始めるようになる、と私は思っています。
情報化社会(ほとんどの人が情報を媒体に仕事をするようになる社会)では、ネット上でコンテンツを作って売れば、コストがほとんどかからず、知識資本をお金に変えることができます。
そうなってくれば、いよいよ知識資本主流の社会となり、普段から勉強していない人はどんどん取り残されてしまうようになります。
私はこれは特定の個人には厳しい側面がある一方、全体としてはすごく良いことだと思っていて、人の不幸は無知から始まる側面も多々あると思っています。
ネットの情報を鵜呑みにして騙される、というのは、もちろん、嘘の情報をネットに載せる方が悪いのは当たり前ですが、一方で、それに騙されてしまう人がいるからこそ、そういった情報がいつまでも消えずに残っている、という側面もあります。
こういった話をすると、じゃ騙される方が悪いのか?という、どっちが完全に100%悪いのか、という話になりがちですが、そうではなく、両者が注意すべきことがある、ということです。
知識資本が大切になってくるこれからの世の中、情弱(情報弱者)をいくら守ろうとしても限界があります。自分で勉強して自分の身を自分で守る、ということが基本姿勢として重要になってくることは間違いありません。
まとめ
フリーランスにある欠点を補う、セミフリーランスという働き方は、その欠点を補い、例えると”ハイブリッドカー”のように、サラリーマンとフリーランスの良いとこどりで、安心・安全に働ける環境を維持しながら、自由に創造性を持って仕事を行うことができます。
また、日本人の特性にも合っていると思います。
昨今、不安定で閉塞感のある時代だからこそ、新卒者の大企業・安定志向が高まっているそうです。
新卒の就職希望先において、2010年以降は、大規模な企業グループを抱える老舗企業に加えて、鉄道や航空などの交通インフラ関連企業、保険会社・金融機関などのほか、旅行・レジャー業界も人気を集めていることがわかる。企業規模の大きな老舗企業や交通インフラ業界、金融業界は、経営基盤が比較的安定しており、「長く働く」という点において手堅い業界である。
引用・一部改変)https://www.hrpro.co.jp/trend_news.php?news_no=526
しかし、企業が今より安定して長く経営できる環境にあった過去の時代には戻れません。これからは新しい形の「安定」した働き方を私自身が身を以て提示し、若い世代に伝えていければ良いなと思っています。