STEP2.ウェル・ビーイングの理解を高める


科学的に幸せになれる生き方を、知識として知っておきましょう。これからwell-beingを実践する上での土台となります。

STEP2では、well-beingを実践するために自身の理想の生活を叶える目標設定をしていきます。

  • 夢=抽象的な目標  
  • 目標=具体的な夢

と、認識してください。

 

子供の頃に持っていたようなワクワクするような夢を、現実を知った大人として描く。

それがここで行う目標設定です。

STEP2のゴール

STE2のシートをすべて記入したら、確認のメールを以下宛に送って下さい。

musemew.3875@gmail.com

 

人生で集中するものを決める

影響の輪、関心の輪

絶対普遍の真理として、「影響の輪」の範囲のこと以外は変えることができません。変えられないことに貴重な命(=時間)を投資し、執着していると幸せから遠ざかってしまいます。(上記:7つの習慣より引用)

 

逆に、「影響の輪」の範囲の物事に集中していると、影響力が大きくなり、変えられることが増えてきます。

もし、本当に、

  • 上司や部下、子供や親などの自分以外の他人を変えたい
  • 会社や組織、自分の周りの環境やルール、体制を変えたい

のなら、まず自分が大きく変わる必要があります。

 

最も簡単な「自分を変えること」ができない人が、もっと難しい家族や同僚、会社・社会などの「他人を変えること」ができるはずがありません。

 

幸せに生きるための大前提として、この「影響力の輪」を強く意識して下さい。そして、このプログラムで「自分を変えること」で「周りが変わる」ことを体感してください。

【まずは身の回りの事から謙虚に、確実に積み上げていく】

  1. 自分
  2. 周りの人(子供、家族、親戚)
  3. 地域社会・会社
  4. 社会

という順番で影響力を増やしていくと理想的です。まずは、自分をコントロールできるようになりましょう。

well-beingサークルで足りない部分を確認

ステップ0で実施したwell-beingCircleの円グラフで欠けている部分を増やしていくと、人生全体の幸福度が高まります。これが幸福度中心の生き方の指針になります。

 

ソーシャルエリア

  • 地位財
  • 職場の幸せ力
  • 社会の幸せ力

 

パーソナルエリア

  • ソーシャルエリア以外

 

まずはパーソナルエリアから満たしていくようにしましよう。パーソナルエリアが満たされてくると自然とソーシャルの部分も満たされるようになります。

 

社会的成功を望むのなら、必ず先に個人としての成功を達成する必要があります。個人の成功とは、「セルフコントロール力を高める」ことで達成できます。

 

セルフコントロール力とは、「自分で自分を律する力」のことです。

 

▶︎well-beingCircleの項目「ビックファイブ性格傾向」とは?https://syuurourihabili.com/big-five

幸福度を高めるTGT(three good things)を実践する

毎日寝る前に3つ、今日あった良いことを考える習慣を付けましょう。これはポジティブ心理学のTGT(three good things)と言われる手法で、物事のポジティブな側面を見る癖をつける練習になります。

今日から実行していってください。

 

2ヶ月程度実行することで「物事のポジティブな側面を見る癖」が付きます。これは幸福度を上げる、最も手軽な方法です。

 

TGTについては、以下の動画で詳しく解説しています。

 

なぜ目標を持つことがwell-beingに重要なのか?

人の幸せは、実は”過程”にあります。

 

目標を達成すると幸せになるのではなく、目標を立て、達成のために向けて積み上げていく過程に幸福感を感じます。

目標がない人は、PERMA(下に説明しています)を満たすことが難しく、空虚感や人生の意義を感じることが難しくなるとされています。目標を達成したときの充実感(結果)も大切ですが、それ以上に過程を大切にすることで、より持続的な幸福感が得られるのです。

樺沢紫苑「精神科医が見つけた 3つの幸福 最新科学から最高の人生をつくる方法 」より画像引用

目標設定のやり方

①PERMAの要素を目標立案の際に必ず考慮する

ステップ2のシートで目標を定めていきます。「あなたはこれからどうなりたいのか?」本当の自分と向き合っていきます。

 

PERMAとは、ポジティブ心理学で提唱されている幸せの5つの要素のことです。

 

具体的には、

P=ポジティブ感情(positive)

文字通り、前向きな明るい感情のことです。

心理学者のバーバラ・フレドリクソンは、代表的なポジティブ感情として以下の10種類を取り上げています。

 

  1. 喜び…思わず笑顔になるような感情
  2. 感謝…与えられた何かについてその価値を認めたときに湧く感情
  3. 安らぎ…今の心地よさをじっくり味わっている感情。
  4. 興味…新しい物事に関心を抱き、心を突き動かされる感情。
  5. 希望…絶望的状況の中で、可能性を信じる感情。
  6. 誇り…自分の能力と努力を信じて何か上手くできた時の感情。
  7. 愉快…心から面白いと思った時に湧いてくる感情。
  8. 鼓舞…奮い立つような感情が湧いて心が熱くなっている感情。
  9. 畏敬…鼓舞よりもスケールの大きい素晴らしさに出会った時に感じる感情。
  10. 愛 …相手への興味から始まり、様々な喜びをもたらしてくれます。

 

これらの感情が日々の生活の中で感じられると幸福感が上がります。

E=熱中(engagement)

時が立つのを忘れるほど何かに熱中している状態をフローと呼び、幸せに深く関係していることが明らかになっています。「何かの作業に集中していて、気が付くと何時間も経っていた」という経験はありませんか?

 
この経験を心理学者のミハイ・チクセントミハイは「フロー:flow」と呼んでいます。フローは幸せに生きるために重要な概念です。
 

ちなみに、私の場合、中学生の頃にエレキギターの練習に熱中しており、「気がつくと3時間経っていた!」という強烈な経験をしています。

R:人間関係(relationship)

人は誰かと結びつきを感じた時に幸福を感じます。

一人でいる時の方が安心するという人もいますが、それはあくまで短期的なものです。長期的な目で見ると、必ず誰もが人との結びつきを求めます。

 

安心でき、温かい人間関係があると人の幸福度は向上します。

M:意義(meaning)

人はなんの意味も感じられないことをやっていると大きなストレスを感じます。

小説家のドストエフスキーは、意義の感じられない活動を下のように表現しました。

【究極の拷問】

シベリアに流刑された男は、半日かけて穴を掘り、半日かけてその穴を埋めるという強制労働をひたすらやらされた。朝、自分で掘った穴を、午後には自分で埋める。そんなふうになったら、誰だって生きる意味が見出せなくなる。何の意味もない単純作業を延々とやらされると、やがて人は精神に異常をきたし発狂する。

出典:ドストエフスキー著作『死の家の記録』

人は、意義が感じられないことを続けることは絶対にできません。

 

しかし、不思議なもので、逆にどれほど大変で辛くて苦労するようなことでも、それを上回るだけの意義や意味を感じることができれば、人は幸福感すら感じることができます。

 

これが俗にいう”生きがい”と呼ばれるものの正体です。

A:達成感(achievement)

仕事でも趣味でも、目標達成のためにやり遂げた時、大きな達成感を感じ、幸福を感じます。

さらにやり遂げたことが自信になり、新たなことに挑戦する勇気が湧いてきます。

V:合わせてV(Vitality)も重要

最近では、上の5つの要素に加えて、バイタリティのVも加えた方が良いのではないか、という議論があります。

バイタリティとは、生命力や活力、活気のことです。

当たり前のことですが、身体が健康な時の方が上の5つの要素を感じやすくなるためです。

 

活力を沸かせるためには、

  • 良質な睡眠
  • 健康的な食事
  • 適切な運動

が必要です。これらに取り組むことで幸福度を上げることができます。

 

これらの要素を満たす目標を設定します。

②目標を立案

具体的には、以下のような目標を立てることで幸福度を高めることができます。

自分が意義(M)が感じることに没頭・熱中(E)する喜びを感じながら(P)、道を進んでいけるような目標を立て、達成(A)する。その過程で人間関係を構築していく(R)

少し理解しにくいかもしれないので、私の場合の具体例を挙げておきます。

 

私の才能→診断の結果、創造性、合理性、個別性、共感性。文章を書くこと、本を読むことが好き。

  1. リハビリ職として働く中で、リハビリをもっと広く世間に認知してもらいたい!という気持ちが強くあった。(目標:リハビリに関する情報を得やすい社会に)
  2. リハビリブログを書いて情報発信
  3. 熱中して才能を活かしながら毎日2〜3時間の記事作成
  4. 6ヶ月後に問い合わせが3日に1件ほど来るようになる
  5. 色々な人から仕事や相談のオファーを受ける(人間関係構築)
  6. ブログの書き方を教えて後進を育てる
  7. 世間にリハビリブログがたくさん増える→目標達成

 

例を元に、自身の目標をSTEP2のシートに書き込んで下さい。

 

しかし、始めから完璧な目標を立てることはできないと思っておくほうが挫折しません。

何度も目標を立てて修正していくうちに自分にぴったりの目標が見つかります。まずは、ブレインストーミング(アイデア出し)のつもりで、自分が楽しくなるような目標を考えてみましょう。

③自分の気持ちを最優先する

社会から求められている良い大人像を目標にはせず、必ず自身の意義や意味を優先し、ワクワクしてしまうような未来を目標に設定してください。

 

社会から求められている”良い大人”の例

  • 良妻賢母
  • 家族のために尽くす夫
  • お金をたくさん稼いで、社会的に良い肩書(役員、社長など)がある
  • 一般の人よりも年収が高い
  • 自分を犠牲にしても他者のために尽くす

 

必ず自分を心の底から喜ばせる理想像を描いて下さい。理想像が描けたら、達成に向かってステップ3以降、生活習慣を最適化していきます。

④具体的に目標を設定する

SMARTの法則通りに目標を設定します。

『SMARTの法則』目標を立案するときに考えるべきこと

  • Specific:「具体的、分かりやすい」
  • Measurable:「計測可能、数字になっている」
  • Achievable:「同意して、達成可能な」
  • Relevant:「※関連性」
  • Time-bound:「期限が明確」

※関連性=その目標を達成したら自分や周囲の環境はどうなるか?→未来像

STEP2のシートの通りに目標を考えて下さい。

 

期限(いつまでに)などは、始めは希望的観測(勘or感覚)でしか目標設定できません。

しかし、一度目標を設定して計画を実行していけば、おおよその目安がわかってきます。その都度修正していけば大丈夫です。

 

ステップとしては、

1、価値観を明確にする

2,現状の不満を改善した”成りたい姿”を描く

3,具体的な目標を設定する

4,達成のためにやるべきことを明確にする

ことでPERMAを満たすことができます。

 

ステップ2のワークシートがあるので、そこに記入してください。

家族関係、人間関係

ハーバード大学が進めている成人発達研究の調査としてヴェイラントらが行ったもので、ハーバード大学卒の男性たちと、ボストン育ちの貧しい男性たち、この2つのグループ(約700人)の追跡調査を実施。(なんと75年間)

結論は、「私たちの幸福と健康を高めてくれるのは、良い人間関係である」

家柄、学歴、職業、家の環境、年収や老後資金の有無といったことではなく、人間の幸福度、健康と直接的に関係があったのは人間関係だったという結果になった。

人は元来本当に脆弱な生き物で、爪や牙などの武器を何ももっていませんが、「社会(他の生物が真似できないほど膨大な数の、目的を持った集団)」という人間独自の「強力な武器」を持つことで生物競争に勝利し、地球を支配してきました。

 

その影響で、人間は一人だと孤独感から不安に悩まされるように、原始の頃から脳に刻まれています。

 

なので、本当に助け合える、心から信頼できる人間関係を持つことは、人の幸福感を高めます。

 

まず、現在の人間関係を書き出します。会社やサークル、コミュニティ(地域)での人間関係も書き出してみましょう。

自分が大切にしたい人間関係を決めておきます。

 

例えば、「家族を人生で一番大切にする!」と自主的に「決めている人」は、上司から急な残業を命じられても断ることができます。(仕事を誰のためにやっているのか?という視点も重要です。家族のため?自分のため?会社のため?これも自分の中で答えを持っておきましょう。)

 

一方、「全ての人間関係が大切」と考えている人は、残業と家族のどちらも、両方を選択したいため、ダブルバインド(二重拘束状態)に陥り、人生において人間関係の悩みが増えます。

 

また、年齢を重ねるほど、人間関係の量よりも質を重視する方が幸福度が高い傾向にあります。実は友人・知人の数はあまり重要ではありません。とにかく価値観が合い、助け合える関係を少数の人と築いていくことです。

金銭管理

収入はある程度までは幸福度に相関しています。(年収約800万円程度までは幸福度と収入は比例して大きくなります。)

お金と幸福感は切ってもきれない関係にあります。

 

お金の問題を抱えている人は、心配や気苦労が絶えません。さらに、安価な食事や十分でない生活環境で生活していると、やがて身体と心の健康も脅かされてしまいます。実際、リハビリの臨床の現場で、お金を普通よりも多く持っている方々とたくさん接してきましたが、彼らは健康の管理をコツコツとするのと同じように、お金の管理もコツコツと計画的に行っています。

 

お金の管理がきちんとできる人は、体の健康の管理もきちんとできます。両者は繋がっています。

 

現在の収入と貯金について、ここで一度きちんと考えて整理していきましょう。多くの人が自分の総資産を把握していません。まずは自身にどのくらいの資産があるのかを調べてみましょう。

 

自分で自分のことを貧乏であると思っていても、実は意外と資産があったり、資産があると思っていても実はあまりなかったりします。まずは現状をきちんと把握することから始めましょう。

 

できれば奥様や旦那様と一緒に年1回は継続して資産の変動を記録していきましょう。

 

保険は必要最低限にし、積み立てNISAやiDeCo、ふるさと納税など、リスクの少ない範囲で投資をおすすめします。投資計画を持っていれば、将来に対する金銭的な不安はそれほど感じなくなります。「将来への金銭的な不安感が減る」ことは、well-beingに直結します。

 

投資のやり方や方法については、ここでお伝えしてもニュアンスが伝わらない可能性が高いので、グルコンで直接お伝えします。

  • 積み立てNISAや投資はめんどくさい…という方はこう考えよう

NISAのメリット(具体的にどれくらい儲かるのか)を調べてみましょう。積み立てNISAは年利3〜7%と言われており、現在の大手メガバンクの銀行金利が年利0.001%です。

平均5%の年利としても、その差は5千倍です。

さらに複利運用するため、年数を経るほど大きな金額になる可能性が高いです。NISAや投資がめんどくさいと思うのは当たり前のことで、誰しもそう思います。しかし、本業と同じだと思い、「お金を稼ぐための仕事」だと思うようにしてください。仕事であれば、めんどくさくても家族や自分のためにやらなければならないはず、です。

「投資する資金がない」と思う方もいると思います。NISAは月100円からでも始められます。本当に月100~1000円も投資する資金がない人はほとんどいません。小額からでも構いませんので、始めてみましょう。

”複利の力”を使う

20世紀最大の物理学者とも言われるアインシュタインが「人類最大の発明」、「宇宙で最も偉大な力」と呼ぶ、「複利」の効果を投資で体感できます。

「アインシュタイン:”複利”は人類最大の発明だ」

NISAなどの投資は複利で運用することができるため、元金40万円を年利5%で運用した場合、10年で1.62倍に資産が増えます。積み立てNISAは毎年元金を増やしていくため、もっと大きく増えていきます。

 

複利を計算できるサイトがあるため、活用してください。

 

「緊急ではないけど重要なこと」をする時間を最優先で確保する

多くの人は「緊急で重要なこと(第一領域)」と、「緊急でも重要でもないこと(第四領域)=娯楽」に多くの時間を使います。NISA、投資や勉強などは「緊急ではない」ため、ほとんどの人が「優先度が低い」と思っています。

 

しかし、ウェルビーイングな生き方を実践できる人は、「緊急ではないけど重要なこと(第二領域)」を第一に優先します。「緊急ではないけど重要なこと」とは、健康管理(運動など)、投資、勉強・学習のことです。

 

「緊急ではないけど重要なこと(第二領域)」にどれほど時間を割けるかで自分の将来が決まってきます。なによりもこの時間を優先して確保するようにしてください。

 

  • 豊かな資源の使い方を身につけよう!

時間もお金も人生を豊かに生きるための貴重な資源です。

貯金が貯まる人と貯まらない人との差は、「先取り貯金(収入があったら先に貯金して残りを生活費に使う)」ができるかどうかです。

時間も同じで、第二領域に先に時間を使い、残りの時間をそのほかの領域の時間として使います。

 

具体的には、「早寝早起き」の習慣を身につけ、誰にも邪魔されない朝の時間に「自分の偉大な目標達成」に向けた時間(第二領域の時間)を確保します。

浪費・投資・消費

浪費と消費を最小限に抑え、投資にお金を使うと幸福度が高まります。投資とは株式投資などのことだけではなく、3Kのことです。

3K=投資=経験、教育、健康

  • 経験=家族旅行、留学、友人・知人との交流など
  • 教育=学び、学校、自己投資、書籍購入、セミナー受講など
  • 健康=良い寝具を買う、近視矯正の手術を受ける、ランニングウェアを揃える、歩きやすい靴を買うなど

これらにお金を使うことでウェルビーイングな生き方を実践しやすくなります。

 

物を買って幸せになれるのは一瞬です。長期的に幸福感を持続させるには、3Kを意識してお金の分配を考えて下さい。