
激変していく社会で私たちは今後どのように働き方を考えて変えていけば良いのでしょうか。
さて、このようなタイトルで書かれた働き方に関する記事は腐るほど世の中にたくさんあります。
私は最近のネットでの記事しか知りませんが、きっと30年も40年前にも同じようなタイトルの書籍がいくつも出版されていただろうと推測しています。
つまり、別に今だから特別という訳でもなく、いつの時代もその時代を生きる当事者にとっては”激動”であり、その中で仕事に不安を抱えた人はたくさんいたはずなのです。
なぜなら、いつだって未来は誰にも分からないからです。分からないことに不安を持つのは人として当然のことです。
私は理学療法士を生業としており、この仕事は肉体労働の要素も多分にあるので、50歳、60歳台になっても体が動くのか、仕事が続けられるのか、非常に不安に思います。
しかし、少し周りを見渡してみれば、
- 終身雇用制度の実質的な崩壊
- 先の見えない国の財政難
- 少子高齢化
など、別にこれは自身のリハビリ業界だけに限った話ではなく、日本で働く人がみんな抱えている共通の悩みだと思います。
1.加速する時代の変化
私が最近訪問リハビリをしている70歳代の方は、「本当にスマホが出てきてから世の中が大きく変わった」と言っていました。
それくらいの年代の方は、大きな時代の流れを幾度も経験しています。その中でもスマホの登場は大きな出来事だった、と言っていました。
実際、スマホの出現は、リアルタイムで経験した今生きているすべての世代にとって、かなりのインパクトがある出来事でした。
その前には家庭用のパソコンの普及で、「IT革命」と呼ばれる大きなムーブメントもりました。
江戸時代であれば100年かかるような文明の進化がわずか3年程度で成し得る、とする人もいるくらいです。
そう考えると、時代の変化の速さに素早く反応する思考の柔軟性、行動力は今後必須となってくるでしょう。
去年に流行っていたものは、もうすでに昔の出来事であり、そこで止まっていてしまうとどんどん流れについていくことができなくなってしまいます。
2.幻想を捨てる
私たちの親の世代では、一軒家に住み、子供は二人、普通車を所有し、子供の長期休暇には家族で旅行に出かける、というのが一般的な家庭の姿であったと思います。
しかし、今はもはやそれは贅沢な夢と言っても良いくらいの状態で、結婚しない、子供もいらない、車は持たない、そういった生活を送っている人が増えてきています。
もはや過去の普通は今の普通ではないのです。
まずはこれをしっかりと認識する必要があります。
時代の変化が早くなった世の中で、10年以上も前の常識は、もはや”幻想”と言ってもよいかもしれません。
もう、出世したって大した昇給もなく、現実的には仕事量が増え、仕事内容もより複雑になり、より経営者を肥やすために手足となって働くことが求められるということが平社員どころか、新入社員にも勘付かれている世の中です。
また、旧来は生活のために仕事を我慢する、というが世間一般の暗黙の了解であり、常識でしたが、今はそうとも限りません。
現在では、百円均一ショップでもある程度の日用品は揃えられますし、youtubeなどのコンテンツを見ていれば、タダでも結構楽しい生活が送れたりします。
子供の教育にかかるコストは依然高いままですが、今ではそれも問題視し始めており、今後確実にそれらも低コストが推進されていくでしょう。すでにスマホで有名講師の授業が受けられるeラーニングも普及しつつあります。
生活に掛かるコストはどんどん下がり続け、仕事を何が何でも一生懸命頑張らないと生活が成り立たないのか?という疑問も湧いてきて当然です。
流通や生産コストの見直し、テクノロジーの普及による工場の機械化などにより、生活必需品のコストは下がり続けています。
月に15万円もあれば、普通に生活できる社会ももう目の前まで来ているかもしれません。
その時、あなたは何を仕事にして、人生の内どれくらいの労力を仕事に割きますか?
今までの働く理由であった、生活のために働くというのはもう通用しなくなってしまうかもしれません。
それでも現在の仕事を続けたいと思えますか?
3.先に目を向ける(過去も見る)
未来は誰にも分からないです。しかし、大手グローバル企業の語る未来は酷似しています。
なぜでしょうか?
未来は現在の延長線上にあります。そして現在は過去の延長線上にあります。
現在と過去を知り、過去の出来事から、なぜ現在の出来事が起こっているのか考えることで、未来に向けて確実ではないにしろ、ある程度予測し、準備をすることは可能です。
また、一方で時間の流れは刻々と過ぎていきますが、その中でも人間の本質は古来から大きく変わりありません。時代の流れとは関係なく変わらないものもあるのです。
人間の本質を見極めること、過去の事例を知ることが未来を生きる私たちの大きなアイデアのひとつになることは間違いありません。
4.現在の働き方を捉え直す
現在のみなさんの働き方はどのように作られたのでしょうか。きっと過去の慣習に習って作られていると思います。
しかし、漠然と何となく残っている慣習こそが実は最も時代の変化の影響を受けやすいものの一つです。
そういった場合、「原理原則に戻って考え直す」ことが効果的な場合があります。
- 自分はなぜ働いているのか?
- 一体仕事で何がしたいのか?
- 将来どうなりたいのか?
- なぜ今の働き方を選んでいるのか?
もう一度自分に改めて問いただしてみるのも良いかも知れません。
その時に、自身の働き方を捉え直すだけでなく「根底から原理原則に戻って考えてみる」ことをお勧めします。
つまり、
- 仕事とは一体なにか?
- 仕事で得られるお金とは一体何か?
- 自分らしい生活とは一体何か?(そもそも生活するためにどれくらい自分にお金が必要なのか?)
きれいさっぱりゼロから考え直すと良いと思います。
5.違和感を大切にする
私は、就職活動をし始めたころ、平日に出勤するために電車に乗り込むサラリーマンの暗い表情を見て愕然としたものです。
こんな辛そうな世界に中に私は入っていかなければならないのか・・そう考えると胸が詰まる思いがしました。
これはきっと皆さんも感じたことがある感覚ではないでしょうか。
仕事を幸せだとかやりがいがあると言っている人がいたとしても、あのサラリーマンの表情を見ていたら現実はそうでもない、むしろそれは少数派の意見である、ということを直感的に思い知ると思います。
- なぜ、これほどまでに生活の中で仕事の比重が大きいのか?
- なぜ、こんなに辛そうに毎日満員電車に乗り込んで働かなければならないのか?
ひと昔前であれば、これらの疑問に対する答えは「甘えるな。それが社会だ。生きていくためだ。」という一言で終わっていたかもしれません。
しかし、今ではリモートワークやフレックスタイムなどの導入で状況は変わってきています。大手企業も今までの働き方を見直し始めています。
それらの方法を駆使すれば、甘えるな、だけでは答えにならないし、仕事に必要以上に囚われて生活する必要がないかもしれない、という可能性が出てきます。
そして、ここでも
- なぜ私たちは働くのか?
- どうやって私たちは働くのか?
という根源的な問いをもう一度自然と考えてしまうような流れが出てきているのです。
時代の流れにそのように仕向けられていると言っても良いと思います。
6.新しい働き方を知る
最近では副業OKな会社も増えてきていますし、私のように本業とは別でネットで結構な額の副収入を得ている人もたくさんいると思います。
プロブロガーのイケダハヤト氏のように、限界集落に住み、満員電車とは無縁で、家に居ながら普通のサラリーマンよりもたくさんのお金を稼いでいる人もいます。
また、パラレルキャリアといって、複数のキャリアを積みかねていく仕事のスタイルも実績している人はたくさんいます。
今まで仕事のスタイルは「死ぬまで一つの会社で働く」というものが主流でした。
スタイルを選べないし、選べたとしても少ない選択肢しかありませんでしたが、時代の流れとともに今では選択肢がたくさん出てきているのです。
あなたはどんな働き方のスタイルが自分に合っているのでしょうか?
7.”自分のために”働き方を考えるな
冒頭で書いたように、このような働き方を考えるようなタイトルの記事はいくらでも世の中にあります。いくつか関連する記事を読んでみましたが、2つほど筆者が言いたいことが欠けているなと思いました。
まず1つ目は、どれも、”自分が今後生きていくために”働き方を考えていく、という視点で書かれていることです。
しかし、実際は、自分目線では物事は進みません。
特に「働き方」というと、周りとの相互関係が重要になるはずです。
よって、筆者が今後の働き方で新たに追加して提案したい視点は、「自分は人にどれだけのことをしてあげられるのか?」という視点です。
自分ではなく、相手の立場に立って自分の働き方を再考することで、また新たな気付きが得られるのではないでしょうか。
ビジネスで成功する一番の方法は、人からいくら取れるかをいつも考えるのではなく、人にどれだけのことをしてあげられるかを考えることである。
- あなたは何をすれば、今よりもっと人に喜んでもらえる仕事ができるのでしょうか?
- どんな仕事のスタイルを取ればもっと効率良く人に喜んでもらえるでしょうか?
- そのためにどんな力を、どのように磨いていけば良いのでしょうか?
それを考えていけば、おのずと自身の強みや興味関心、向き不向きを踏まえた働き方の答えが出るのではないかと思います。
8.行動など後で良い
2つ目は、今後の働き方について書かれたどの情報も、何かこちら側に行動を促す内容になっていることです。
「自身の今後の働き方を見つけるために、どんどん行動しましょう。」というような風に。
読んでいると、なにか焦ってしまうような、急かされる感覚があります。
しかし、私は、焦って行動してもしょうがないのではないか、と思うのです。
もちろん行動することはとても大切です。動かなければ何も見えてきません。
しかし、行動できる人はもうとっくに行動しているでしょう。
行動できない人が世の中にはたくさんいるのです。これは別に嫌味ではありません。人間の性として、行動することにはリスクが必ず伴うために、その場でじっとしているほうが安心できるのです。
なので、ここでは敢えて行動しろ、ということは書きません。
9.自身の気持ちを”ちゃんと知る”
私は行動よりもまず、もっと「自分の感情や気持ちを大事にしよう」と言いたいのです。
私はクロスワードなどのパズルが嫌いです。あれを仕事にしたらおそらく三日で発狂すると思います。
人には、延々と意味もなく続けてできることがあったり、やたらと行うことがしんどいこともあります。
まずは自分がどんなことが好きで、どんなことに適性があるのか、そこを見つけてからでないと行動など簡単にできるものではないと思うのです。
そして、本当に好きなことが見つかれば、延々と、意味もなく続けることも、いとも簡単にできてしまいます。
やっていたら楽しいのですから。
つまり、行動する!と意気込んで動くのではなく、自然に行動できるように、好きなことを見つけることが先決だと思うのです。
そのためにはまず自分の気持ちが日々どう動いているのか注意深く観察することです。
自分の気持ちの機微に気付けるようになれば、自然と好きなことが見えてきて、行動してしまう。
きっと、そういうものだと思います。そしてそれが正当な順序で行われる本当の”行動”だと思います。
10.好きなことを見つけたら常に動く
私は、文章を書くことが好きで、他に特にこれと言って特技がありません。
文章を書くとき、いつも何となく書き始めます。特に何を書くか決めずに書き始めるのです。
しかし、話の結末は、意外と自分が思っている以上にしっくりとくることが多いのです。
最終的には、書いているうちに自分の中で言語化できていない感覚が言語化され、自身で驚くようなことが書かれていることも少なくありません。
まるで途中から他人が書いたかのように感じることもあるくらいです。
つまりは、「いくら頭で考えていても出てくる結果は知れている」ということも、私が言いたいことの一つです。
とにかく、好きなことを続けること。
つまり、まずは好きなことを見つけ、それを中心に動いてみて、その都度軌道を修正しながら、ベストと思う方向に辻褄を合わせながら進んでいく、それしか未来を切り開く道はないのではないかと思います。
だって周りはいつだって変化している上に、未来は絶対に誰にも分からないのですから。
しかしながら、時や時代は刻々と変化していきますが、人間の本質は何時だって変わりません。
働き方やそのほかのシステムは変わっても、人間の本能や欲望は変わりません。
よって、働き方を考えるなら、まず自分がどんな人間か、それを知っておくことが最低限必要だと思います。
そうすれば、自ずと自分にできることが見えてくる。
そこからできることを拡大していく方法を色々探っていけば良いのではないでしょうか。
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11.主体性を持って生きること
今はネットなどの普及によって、チームの重要性が見直されつつあります。
チームで最も重要なのは、個々の”主体性”です。誰もがリーダーである、という意識を皆が持っているチームは必ず上手くいきます。
今後の働き方で重要になってくる一つのキーワードとして、”主体性”が挙げられると思います。
よく世間で言われているように、会社に雇われているのか、いないのか、フリーランスなのかどうなのか、そういった働く形の問題ではなく、どんな形であれ、どれだけ主体性を持って仕事ができるかが今後確実に問われてくると思います。
嫌いな仕事に主体性を発揮するのはかなり難しいだろうと思います。
やはりこういった観点からも、好きなことをまず見つけることが重要になってくると思います。
最後に「日はまた昇る」
今後の働き方に不安を抱えている人は今すごく多いと思います。
今後、当たり前のようにどんどん働き方に関する社会情勢は厳しくなっていくでしょう。
しかし、私たちのおじいさんの世代は、戦後のそれはひどい焼け野原から世界有数の経済大国に日本を成長させたのです。
文字通り、”一からすべてを作り直した”のです。
そして、私たちの働き方も、”一からすべてを作り直す”時代に来ています。
当時は最先端の科学技術もネットも何もありません。でも、それを成し得たのです。
やってやれないことはないのです。
私たちが直面する働き方の問題の先には、必ずより良い仕事の未来の形が築かれていることを私は信じています。
いつだって「日はまた昇る」のです。
諦めず、日々爪を研ぎ続けましょう。
最後にリンカーンの言葉を引用して長い稚拙な文章を終わりとさせて頂きます。
あなたが倒れたことはどうでもよいのです。私はあなたが立ち上がることに興味があるのです。