キシリトールが日本に普及した理由から考えるリハビリ業界の今後

予防歯科 キシリトール


歯の健康に良いとされている、フィンランド発祥の甘味料”キシリトール”。実は日本に持ち込まれた時に、「虫歯になる人が減ったら困る!」と歯科医師が大反対した経緯があるそうです。




しかし、現在ではキシリトールは歯科医師の推奨で日本で幅広く普及しています。一体なぜでしょうか?キシリトーを日本で認めさせるためにどうやって歯科医師を説得したのでしょうか?その答えは今後のリハビリ界に大切なことが隠されていると思います。

キシリトールは甘味料で唯一、虫歯を予防する効果がある

キシリトールは、人工甘味料の一つで、甘味料で唯一、虫歯予防効果が認められています

私が幼い頃は、ガムと言えば砂糖がたっぷり入っており、虫歯になるから、と親が私に与えるのを嫌がっていたのを覚えています。

 

しかし、最近ではキシリトール入りのガムが主流で、食後やお菓子を食べた後に子供に食べさせると、ミュータンス菌による酸の発生を予防し、虫歯を予防するとのことです。

今ではガムを食べさせた方が歯に良い、ということが常識にさえなりつつあります。

キシリトールを日本で普及させた逆転の発想

キシリトールが日本に紹介された時、歯科医師会が日本で普及させることに大反対したそうです。

 

それまでの常識として、歯医者は虫歯治療に訪れる患者の治療費で成り立っており、人口のおよそ1割と言われる虫歯に掛かる患者を大切にしていたのです。

 

 

なので、当然キシリトールで虫歯になる人が減ると困ります。

しかし、キシリトールを日本に紹介した人は、正に逆転の発想で歯科医師と敵対するどころか味方に付けてしまうのです

 

一体どう説得したのでしょうか?

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歯科医師に、「虫歯になる患者は人口の一割しかいないが、虫歯予防が必要な人は10割だ」と説得したそうです。

 

つまり、虫歯治療しか頭に無かった歯科界に虫歯”予防”の概念を導入することで、マーケットを10倍に拡大させたのです。

もちろんマーケットそのものは何も変わっていませんが、考え方・ターゲットを変えるだけでお客さんが10倍になったという事です。

 

それから、今まで虫歯になったら行くところであった歯医者が、健康な歯を持つ患者さんが口腔トラブルの予防のために歯医者に通うようになります。

 

今この記事を見ている方にも、虫歯が無くても歯科検診やクリーニング(歯石取り)に行かれている人も多いと思います。

 

実はこれは一昔前には考えられないことでした。

社会は「より多くの人が幸せになる」方向へ進んでいく

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このキシリトールの日本での普及の例に限らず、社会が成熟するにしたがって、より多くの人が求めるものが必要とされ、それ以外のものは自然淘汰されていきます。

このキシリトールの場合も、虫歯治療だけを続ける歯医者と、予防も含めて関わる歯医者、患者も歯医者も両方が幸せになる方はどちらでしょうか?

 

当然後者ですよね。

 

キシリトールを日本に紹介する際に、このように、「予防歯科の啓蒙」を行わなかったら、いまだに虫歯により多くの人が歯の痛みに苦しみ、歯医者はお客さんが少ない状態が続いていたかもしれません。

 

どんなサービスも、ビジネスも、お客さんと会社、両方が得をするWin-Winの関係をどれだけ高めていけるかと言うところが大切です。

 

今が良ければ良い、なんて考えの企業は一時的には儲かるかも知れませんが、そんなことが続く訳がありません。

消費者側も、今は昔と違い、情報をたくさん集めることも、逆にたくさん発信することも簡単にできます。

不誠実な企業はすぐに廃れていきます。

 

 

つまり、関わる人全てが幸せになる方法、それを探っていくことが社会の成熟であり、サービス業の成熟だということです。

医療業界は予防の画期的な「アイテム・武器」が必要?

今では歯医者に限らず、医学全般で予防医学の必要性が叫ばれています。

 

医療費削減、少子高齢化を考えると当然のことでしょう。病気になってしまってからでは治療に患者さんも、国も大変な労力を必要とします。

 

リハビリ業界も同じく、当然予防に力を入れていくべきです。

 

歯科の場合、キシリトールと言う新しい素材(しかも今までにないほど画期的なもの)をきっかけに変わることができましたが、リハビリ業界は何をきっかけに変わることができるでしょうか。

 

それは、一般人レベルで手軽にできる遺伝子検査の実現かもしれませんし、遠隔診療の開始・普及に伴う、医療従事者の介護・疾病予防運動の動画やコンテンツの配信かもしれません。あるいは、患者さんが自ら使えるような画期的なリハビリ機器の開発・普及かもしれません。

参考)・遺伝子検査について 

   ・オンラインでの介護予防について

   ・遠隔診療について

   ・新しいリハビリ機器について(簡易筋電図 マッスルアライブ)

 

リハビリ業界でも盛んに予防の意識が高まりつつありますが、いまいち浸透していないというか、上手くいっていないような気がします。

 

リハビリ業界が予防に力を入れ、効果をちゃんと出すためには、歯科で言うキシリトールの様な強力な「アイテム・武器」が足らないような気がします。

まとめ

今までになかった「アイテム」キシリトールが、歯科界に今までにない革命を与えたように、今後はリハビリ業界も、今までにないものを柔軟に受け入れ、方向転換を図っていく必要があります。

 

そのためには、新しいものや動きを頭ごなしに否定するのではなく、リスクを最小限に抑えながら、果敢にチャレンジしてみることが必要です。

今での体制を維持する・・・そんな時代はもうとっくに終わっています。

現状維持するために新しいものを排除し続けると、それは周りが進化していく中で取り残されることを意味し、それは維持ではなく、停滞・後退です。

 

今後は、リハビリ業界の新しい事業やアイデアをもっと取り上げて、盛り上げていく動きがこの業界全体に出てくることが必要になってくると思います。

たくさんの優秀なセラピストが夢を持ってこの業界に携われるようになると良いですね。

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