足部の構造 足関節・アーチの解剖と機能について

足部の機能 解剖 アーチ 役割


足部は人体で最も末梢に位置する器官です。しかし、実はかなり重要な役割を持ちます。足部を怪我したことがある方なら分かると思いますが、足部がきちんと使えないと、本当に日常生活が不便になります。




足部の構造を理解しておくと、歩行や立位でのバランス・メカニズムを理解する際に役立ちます。

また、人が立って動く動作をする際に必ず地面に足を付けておく必要があります。そして以下に紹介する機能を有していることで始めて、立って歩くという動作が円滑に可能となります。

 

最近は大手のスポーツメーカーでも足部の研究を行い、インソールや足底板を独自に開発しているケースも珍しくありません。それだけ一般企業にリハビリを応用した技術が浸透しているのは喜ばしいことです。

逆に言うと、一般の方でもそこそこ解剖や医学の知識を持っている方が増えてきているということなので、専門家として最低限基本的なことは知っておきたいですね。

足部の解剖・関節

足部足部は7つの足根骨、5つの中足骨、14の指骨の合計26個の骨からできています。

足部の骨 解剖足部には代表的な関節として、

  1. 距腿関節
  2. 足根間関節
  3. 足根中足関節
  4. 中足間関節
  5. 指節間関節

などがあります。

足部を構成する主な関節について説明していきます。

距腿関節

底屈、背屈が可能であり、運動の自由度は1の関節です。

距骨の関節面は後方よりも前方が約5㎜広いため、底屈位では関節の遊びがあるため。わずかに内転と外転の運動も可能です。

背屈位では関節窩が関節頭を固く挟み込むため、内転や外転の運動はできません。

この機能によって歩行時のイニシャルコンタクト(IC/踵接地)時の足部のブレを制御しています

 

距骨の向きは前外側を向いているため、背屈時には足底はやや外側を向き、底屈時には内側を向きます。純粋な底背屈運動は物理的に行えない、ということです。

距骨下関節

距骨下関節は、距骨の下面と踵骨上全面の間にある関節で、顆状関節です。

距骨下関節では外転と内転運動、外返しと内返し運動が可能です。

 

外返し運動とは、足部が回内-外転-背屈した状態、

外返し

内返し運動とは足部の回外-内転-底屈の複合した運動のことを指します。

内返し

横足間関節

この部位は外科的に切断する部位として、ショパール関節とも言います。

横足関節に付随する長足底靭帯は、踵骨隆起のすぐ前方から立方骨及び第2~5中足骨底に至る厚い腱性の足底腱膜と共に足の縦方向のアーチを形成します。

 

横足関節の運動は、底屈と背屈、内転と外転、外返しと内返しですが、可動域は小さく微調整程度です。

足部が形成するアーチの役割

足部の機能

足部は上方に隆起した軽い彎曲を示し、外観からは土踏まずが見て取れます。これを足のアーチと言い、力学的に荷重を分散するために人体の歩行などにおいて大変重要な役割を担います。

 

ヒトのアーチは出生時には低く、未完成で、ほとんど確認できません。

成長と共に筋活動量が増え、体重も増加するため、抗重力作用として高さを増していき、次第に完成します。

アーチの形成によって足底に掛かる体重は分散され、地面に伝達されるようになります。

 

安静立位では体重の50%ずつ等しく両足の距骨にかかります。

距骨はこれを踵骨に25%、母指球と小指球に25%の比率で分配し、圧を分散させ、過剰なストレスが足部にかかり過ぎなように調節しています。

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縦アーチとは

縦アーチには内側縦アーチ、外側縦アーチがあります。

縦・横アーチ
図1(足部を足裏から見ています。)
内側縦アーチ(図1のA-B)

内側縦アーチは「土踏まず」を形成し、歩行時に衝撃を吸収する重要な役割があります。

形成する骨は、

  • 踵骨
  • 距骨
  • 舟状骨
  • 内側楔状骨
  • 第一中足骨

です。

皮膚を通して地面に接地している部分は、後方の踵骨隆起、前方では第一中足骨種子骨です。このアーチの核となっている骨は船状骨です。

 

関係する筋は、

  • 後脛骨筋(舟状骨を引く)
  • 前脛骨筋(第一中足骨を引く)
  • 長母指屈筋及び長趾屈筋(第1~5指を引くと同時に距骨と踵骨を安定させる)
  • 母指外転筋(第一中足骨と距骨を引く)

です。

外側縦アーチ(図1のA-C)

外側縦アーチは足のバランスを保つために重要です。

外側縦アーチを形成する骨は、

  • 踵骨
  • 立方骨
  • 第5中足骨

です

 

内側縦アーチに比べると、アーチの高さは低く、長さも短いです。

皮膚を含めた軟部組織で全長に渡って接地しています。要となるのは踵骨立方関節です。

 

構成する筋は、

  • 長腓骨筋(踵骨を持ち上げる)
  • 短腓骨筋(長腓骨筋と共同して同時に第5中足骨頭を引く)
  • 指外転筋

です。

横アーチとは

横アーチとは、内側縦アーチと外側縦アーチの間にできるもので、部位によって構成する要素が異なります。

横アーチ
足の裏の方から見た図です。

B-Cは第一中足骨頭ー第二中足骨頭からなり、このアーチの頂点は第2中足骨頭です。

 

D-Eは内側楔状骨ー中間楔状骨ー外側楔状骨ー立方骨からなり、頂点は中間楔状骨です。筋は長腓骨筋が関与します。

まとめ

足部が機能的に働くためにはこれらのアーチの機能が重要です。

 

外反母趾や偏平足など、足部に問題を抱える方は大変多いです。

リハビリの効果はなかなかすぐには結果が見えないものが多いですが、足部に対してのアプローチ(インソール・足底板)などはすぐに効果が表れるため、重宝されています。

これらの基本的な足部の知識を元に是非治療にも役立てて下さい。

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