
理学療法士として、最低限押さえておきたいこと、それは「リスク管理」です。
当たり前ですが、職場で耳にタコが出来るほどみなさん聞く言葉でしょう。
それでは、理学療法士個人ではなく、PT業界全体のリスク管理は出来ているのか?
正直疑問です。
今回はこのことを考えていきます。
このブログでは時代背景を考慮することが仕事をする上で必須だと何度も提示してきました。
いくら「理学療法士が勝手に思う」質が良いリハビリを提供していても、時代に求められないものは受け入れられません。
「いらない」と言われるだけです。
映画バックトゥザフューチャーで描かれた未来は2015年でした。
自動で体にフィットする服、空中に浮くスケボーなど、夢のようなものが沢山出てきます。
私が小さい頃には2000年頃には車が空を走っているだろうとみんな思っていました。
でも、全然そうなっていませんよね。
未来予測の精度の変化
では、未来の予測は外れるのか?
確かに人の希望や欲が未来予測には自然に含まれてしまうため、少し過大に予測してしまうことが多いと思います。
しかし、私が小さい頃の20年前位は家庭で使われるコンピューターと言ったら、ファミコン位でした。
家庭のコンピューターを売りにしていたため、ファミリーコンピューター=ファミコンという名前が付いたくらいです。
その位コンピューターという言葉が日常に無かったのです。
現代のコンピューターとその性能の差は歴然です。
コンピューターの進化によって時代の進化する速度は年々速くなっています。
産業界でも同じです。
現在の大企業も10年後にはどうなっているかわかりません。
私達の親の世代は大企業に勤めていれば安泰と言われていました。
過大に未来予想されていたとしても、それに迫る勢いで時代が追いついていく時代になってきています。
要するに20年前の予想と今の予想では全く話が違う、ということです。
時代について行けない職種がハイリスク
オートメーション化によって分業、定量化された職種の職域は奪われていきます。
全体の社会の流れを見ていれば、明白でしょう。
この時代の流れに何としても付いて行くことが、理学療法士という職種にとってのリスク管理です。
理学療法士は時代に付いていけているのか?
結論から言うと
”ブレーキを掛けながら”という感じでしょうか。
どの業界でもそうかもしれませんが、旧体制とも言える昔からの慣習がブレーキとなりがちです。
特に縦社会的な性質が強い業界は顕著です。
時代に合わせること=積極的に変化していくことです。
変化を望まない人が沢山いる業界も多いです。
IT業界は新しいアイデアが沢山出てきて、実現化し、変化を重ねています。
この躍進は、業界の歴史が浅いため、旧体制を保持しようとする人が少ないこと、
縦社会の性質が薄い業界であることが要因として挙げられるのではないでしょうか。
もちろんITだってトライアンドエラーで、全てがうまくいく訳ではありません。
しかし、それでもトライはやめていません。
以前の記事で理学・作業療法士法が設立されてちょうど50年という話をしました。
私達の業界はどうでしょうか?
積極的な変化を望む人がどれ程いて、
どれ程業界がその変化を受容してくれるでしょうか?
変化を受け入れる姿勢・準備を取れているか?
それが理学療法士の職種としてのリスク管理です。
まとめ
理学療法士という職種にとって、
1番危険なことは、
日本の社会保障費の増大でもなく、
政治家が少ないことでもなく、
国が赤字なことでもなく、
少子高齢化でもなく、
理学療法士の爆発的な増加でもありません。
「時代の変化に目を瞑り、以前のやり方を盲目的に続けること」だと思います。
そう思いませんか?
この業界にもっと変化を望み、変化を作り出し、それぞれ思う方向に各理学療法士が動いていける基盤があるのか。
それが、今問われているのではないでしょうか。
現状維持は最早衰退でしかありません。