書評「医療・介護職の新しいキャリア・デザイン戦略」(三好貴之氏/細川寛将氏著)~自己理解とマーケット感覚~

医療介護職の新しいキャリアデザイン戦略


いつもお世話になっている細川さんが出版された新著「医療介護職の新しいキャリアデザイン戦略」を読んだので、その書評を西野視点でご紹介します。

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概要

この本では、いろいろな人のケースがストーリー風に書かれていることが大きな特徴で、それに従ってキャリア論の網羅的な概念が書かれています。うんうん、と思わず頷きながら、共感しながら読んでしまう内容で、実際にキャリアに悩む人のストーリーが描かれているため、頭の中に入ってきやすい内容となっています。

「自分は何ができるのか?」を言えるようになるには

理学療法士として働いている私ですが、「あなたは何ができる人なのか?」と問われると、「リハビリの〜法の研修を受けました」という風になりがちです。

しかし、そういった主張の仕方では、外部から見たときに「何ができる人なのか?どれくらいすごいことなのか?」は伝わりません。

 

そこで必要になってくるのが、「自己理解」と「マーケット感覚」です。

旧来は医療・介護というと専門分野として少し特殊な立ち位置にいましたが、現在は高齢者人口の増加に伴い、世相もあって、一層コモディティ化してきています。つまりは、医療介護のことは特別なものではなく、「普通の人も普通に考えること」になってきています。

 

マーケット(市場)がこのように変わってきている中、より旧来の普通に寄り添った表現が求められることになります。

「自己理解」と「マーケット感覚」の本質は同じ

この本の主な主張は「自己理解を深め、マーケット感覚を磨きながら試行錯誤していくことがキャリアデザインの根幹にある」ということだと感じました。

個で完結する内的な「自己理解」と、社会的な関係性の上に成り立つ(個と関係ないように思える)マーケット感覚は、一見すると対立しているかのように思えます、

しかし、私は、本質は全く同じものだと認識しています。

 

自己理解を進めるために(誰しも自分を知ることが一番難しいものです)、深く内観すること…自分は何がしたいのか?何ができるのか?と考えるためには、外の世界を見て、色々な気づきや発見、経験が必要になります。

つまり、マーケットに出て、様々なことを実験、失敗と成功を経験してみる必要があります。

 

発達心理学でも、アイデンティ(自我同一性:私は私であるという認識)が確立される時期はちょうど反抗期に当たる年代で、親や周囲の友達のことをはっきりと「自分とは違うもの」と認識することから自己理解を深めていきます。

つまり、他者を知ること=自分を知ることになります。

もっと自己理解を深めたいと思ったら、まずは、「一旦自分を捨てて外に出てみる」ことが最善の策になるはずです。「自分を大切にし、自分にこだわりすぎると逆に自分のことが分からなくなる」という真理が、あるように思えます。

 

私自身、学生時代に朝早くに満員電車に乗ってから、「仕事」と「働き方」にかなり興味を持って自分なりに色々と模索してきました。

学生時代に見た、満員電車に乗るスーツを着た大人は、酷くくたびれて、とても楽しそうには見えません。「大人になることってこういうことなの?」と衝撃を受けました。素直に、自分はあんな風になりたくないと思いました。

結果、満員電車に乗らなくて済む働き方の一つの自分の選択として、理学療法士をして、このようなブログで気ままに情報発信をして少しばかりの収入を得るようになりました。

決して、当時から今のような働き方をするとは思っていませんでしたが、実際、

  • 自分のやりたくないこと
  • やりたいこと
  • 好きで得意なこと

を見つめ続けてきた一つの結果だと思います。

これらも決して固定的なものではありませんし、不動的でコロコロとある程度変化するのは普通です。

まとめ

この本の冒頭で出てくる言葉ですが、「このまま、今の職場で働いていて良いのだろうか?」と誰しも一度は思うことです。

この問いに対して、確実に言えることは「答えは自分の中にしかない」ということです。

自分の人生の舵を取るのは自分であり、その結果を引き受ける覚悟を持つことが「一生懸命生きる」ということだと思います。

 

まず、「自分は本当は何がしたいのか?」色んな視点から何千回も自分に問いかけること。

本書で紹介されている理論を参考にしながらも、直感や感覚もフル動員して、「より良い自分が望む人生」に向けて一歩一歩歩みを進めていくしかありません。

 

何度も言いますが、答えは自分の中にあります。

その答えを得るために、逆説的ですが、他を知る必要があり、そのための修行の場が「マーケット」ということです。マーケットはネットでもリアルでも構わないと思います。他者比較ができ、価値の交換がなされている場です。

劇作家の寺山修司氏も「書を捨てよ、街に出よう」と言っており、これは「とにかく外を知ろう、体験しよう。話はそこからだ。」というような意味です。ついつい頭でっかちに思考を巡らせてしまいがちな私は、それを読んだ時に深く共感、感動したものです。

まさしく、この「医療介護職の新しいキャリア・デザイン戦略」は、これから医療介護職が他の業界と混ざり合っていく時代、「街に出る」ための道標になる本だと思いました。

 

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