【中途半端で】生きていく

中途半端で生きていく


サラリーマンもしながら、フリーランス的なこともしている西野です。自身の働き方を勝手にセミフリーランスと呼んでいます。今回の記事は【中途半端で】生きていくことの素晴らしさについて説明しています。




すでに私たちは【中途半端で】生きている

「中途半端」ってなぜか良いイメージ持ってない人が多いと思いますが、本来、なんでもかんでも中途半端です。

人間や生き方だけでなく、ありとあらゆるもの、この世に存在するもの全て中途半端です。

数学(すうがく)の世界はそんな世の中の物理法則を切り取って、わかりやすくキッチリ数字化しようとする人類の試み(発明)ですが、円周率(3.141592……)然り、結局綺麗に割り切れるものなんて実は少ないのです。

 

なぜなら、この世のもの、ほとんどは人間の頭で考えたくらいで割り切れるような簡単なものではないからです。複雑に色んな要素が絡まり合って1つの事実が導き出されています。

数学だけでなく、言葉だって同じです。

あなたの好きな人が「寂しい」と言ったとき、その人が感じている「寂しさ」には、きっと「悲しさ」も混じっているし、「あなたに理解してほしい」気持ちも混じっているかもしれないし、「怒り」も混じっているかもしれません。

ごちゃごちゃの感情の中で寂しさを感じる割合が多いから「寂しい」と言っているだけのことであり、100%生粋の「寂しい」という「寂しい」なんて存在しないのです。

そう考えるとわかるように、「中途半端はだめ!」などと言っているのは滑稽でしかありません。私たちは何もかも全てが中途半端な世界に生きているのですから。

あなたも私も、みんな中途半端な世界に存在している。ただその事実に気づいているか、いないかだけの話。

自分で、自分の頭で世界の全てを理解し、コントロールできると思っていれば、その間は安心できます。

でも、実際は頭で理解できることの方が少ないのが現実です。明日、あなたは誰と会い、誰となにをして、なにを話し、なにを感じるのか…分かりますか?

分かりませんよね。

本来、”生きる”ってそういうことだと思います。生まれ落ちた時から偶然の外部環境に大きく左右されていて、コントロールできることは取るに足らない小さなことばかりです。

全てはフラットにならされていく

世界屈指の経済大国であった日本がやがて、一般的な人口1億2千万人の経済規模の国に戻っていくように、全てのものは均等にならされていきます。グローバル化とはそういうことで、これは人間の進化の歴史の定めです。

熱いお湯を入れた水のように均等に熱は拡散し、やがて普通の水とさほど変わらない温度になります。全てはならされて均等化されていきます。

かつては”企業戦士”と呼ばれたサラリーマンも、今では”イクメン”と呼ばれるようになり、どちらかに偏ることなく、家庭も職場も同じように大切に時間を使います。

全ては、時間とともに、尖っていた角の部分が取れ、丸くなっていく。そんなイメージで歴史は進んでいます。

サラリーマンのアンチテーゼとしてのフリーランスのトレンド

100年くらい前にはサラリーマンは”エリート”でした。一部のサラリーマン以外、ほとんどみんな個人、あるいは数人で自営業をして細々と暮らしていました。

時代が変わって現代では、サラリーマンと自営業の就労人口は逆転し、ほとんどの人がサラリーマンとなりました。やがてサラリーマンのブラックな労働の部分ばかりが注目されるようになり、その偉大な恩恵、メリットはあまり語られなくなりました。(有給、労災など、労働者は資本主義が始まってからずっと資本家と命を削って戦い、様々な権利を獲得してきたのです。)

アメリカではフリーランサーが4割を超えるという話も聞きますが、なにを隠そう、ここは日本です。アメリカとは真逆と言っても良いくらい保守的で過去の風習を重んじる文化が根強い国です。

いきなりフリーランスになるには抵抗がある人がたくさんいると思います。もちろん私もそうです。

 

そもそも、フリーランスになるためには、その名の通り、個人として何かしら武器となる”ランス(槍)”が必要です。

しかし、今までサラリーマンをして、与えられた仕事をこなすことに熱中していた人が、自分で自分の仕事の武器を他に強烈にアピールして仕事を取ってくるのは、なかなか簡単ではありません。

そこで、今後、日本では「セミフリーランスという働き方」が主流になってくると思っています。

セミフリーせよ!

セミフリーランスとは、下のリンクに詳しく書いていますが、組織に属しながら(非常勤でも可)フリーランスの仕事もする働き方のことです。

 サラリーマン×フリーランス【セミフリーランスという働き方】

複業家は本業を週5(土日休み)でみっちりこなしながら複数の仕事を同時並行でするイメージですが、セミフリーランスは、週4日とか週3日だけ組織で働き、残りの週1、2日をフリーランスとして活動します。(土日は働いたり働かなかったり。)

私は実践していますが、はっきり言って超楽しいです。

 

何かを1つに絞るとそこに全精力を注げるイメージがあるかもしれませんが、実はそれは幻想です。

例えば、フリーランスになると、やりたいことをそっちのけで今月生活できるだけのお金をまずは確保しなければならず、結局やりたいことに集中できない、という話をよく耳にします。経営者にもよく同じようなことを聞きます。

そもそも、一番安定している状態は、何か1つに的を絞っている状態のことではありません。むしろ真逆で、分散先が沢山ある状態を「安定している状態」だと私は定義しています。

私が生業としているリハビリでもそうです。

リハビリでは最終的に対象者の”自立”を目指しますが、社会的な生物である人間が本当に”一人で立って(自立)”しまったら、社会的に「孤独である」ということと同義です。決して良い状態ではありませんし、本当にそんな風に自立できる人なんて一人もいません。

私は、いつでも妻に支えられています。依存しています。お給料にも、家庭と子供という”心の安全域”にも、会社にも複業先にも依存しています。依存が依存を生み、その中で幸せに生きています。

そして、全てをうまく組み合わせ、幾重にも重ね合わせ、今の私の心安らかな環境を、意図的かつ偶発的に創り出しています。

 

つまり、リハビリで理想とする”自立”とは、依存先が多く分散されていて安定している状態のことを指します。

あまり知られていませんが、アインシュタインも特許庁で働きながら研究を続け、相対性理論を発見したそうですし、一か八かではなく、”安全域”を確保している方が、人間はクリエイティビティを発揮し、イキイキと本領を発揮して活動できるものです。

中途半端とはグラデーション、つまりは多様性のこと

最近よく耳にする言葉に「発達障害」という言葉がありますが、みんな数%は必ず発達障害的な要素を持っているものです。ただ、その割合が多いか少ないかだけのことです。

何度も言いますが、なんでも中途半端、つまりはグラデーションで世界は構成されています。

イヌイットは白い雪の世界でずっと暮らしてきたために、日本人には”白”としか見えない”白”に何十種類もの白を感じ取り、表現します。

日本人の場合では、国土の60%以上が森林という環境で文化が形成されてきたため、”緑”については他の国よりもグラデーションで捉えることができます。(深緑、新緑など)

また、水(雨)も多い環境なので、五月雨、霧雨など、水や雨に関する表現も他国よりも多いです。

日本には古来、八百万(やおよろず)の神を信仰する文化があり、たくさんの神が同時多発的に存在する状態を「自然」と呼びました。(つまりそれが当たり前。)

日本人は「あれも良いね。でも、これも良いね!」という感覚を文化的に根本から持っています。

一方で、西洋は一神教です。他の存在を絶対的に超越した1つの神の存在以外は認めない文化・風土、感覚があります。

日本は元来多神教であるために、これから来る、多様化社会を許容できる基盤がある、ということです。

働き方も百人いれば百通りの働き方があって当然で自然。それを戦後の西洋化の流れで無理やり数種類の型にはめられてしまった。

だからみんな仕事が苦しくて辛いのです。日本人の性質に合っていないのです。

西洋から輸入された拝金主義は肌に合わない

現在、日本では年収で相手を測る傾向も若干あるように感じますが、本来、日本人にはそれは馴染まないと思っています。

数字で成果を出せば確かにわかりやすいですが、日本人は曖昧で多様な、グラデーションに”粋”を感じ、”割り切れないもの”を大切にしてきました。義理人情、根性、努力、ご縁…その他挙げればキリがないです。

そういった数値化できないものを好む性質があります。だから働き方改革もなかなか進みません。ご存知だと思いますが、「人は好きなものしか信じない」のです。

 

ある程度はもちろん必要ですが、お金を追い求めてもキリがありませんし、物欲はとどまることを知りません。

枯山水で有名な庭園がある京都の龍安寺には「吾唯足知」の四文字が書かれた石(つくばい)があります。

真ん中の穴が「口」になる。

これは、「私は、今あるもので充分幸せであることを知るべきだ」という意味です。まさしく、これからの日本人に必要な考え方だと思います。

大切な人との時間を犠牲にして、お金のため、生活できる以上の年収を上げるために働かなくても、私たちの周りには、すでにたくさんの資産が転がっています。

親兄弟、親戚、夫・妻、子供に友人・知人、職場…数えればキリがないくらいの貴重な資産とご縁が転がっています。

私たちは、今後、その資産を1つ1つ感謝し、拾い上げ、見つめ直し、それらを組み合わせて、自分の人生を望むカタチに創り上げていくようになるでしょう。

それがきっと、これからの日本人のスタンダードな生き方になります。

働き方は生き方だ

セミフリーランスという働き方がおすすめだよ!という話から、少し話が逸れているように感じられる方もいるかもしれませんが、私の中では全て筋(スジ)が通っています。

【中途半端で生きていく】という働き方(セミフリーランス)は私の人生の指針であり、哲学でもあり、思想でもあるのです。

つまり、私の働き方=生き方であるということです。

私の、大して賢くもない頭では理解できない曖昧なものを快く受け入れ、雑多な多様性の中で、どんな人もそれぞれが私にとっては”神”であり、敬い、ご縁に感謝し、今あるものに幸せを感じ、細々と、でもちゃんと地に足を着けて生きていく。

時代の波に乗りながらも、決して流されず、本質をいつでも見失わないように。

それが【中途半端で生きていく】ということ。

私はそういった人生を送りたいのです。

 サラリーマン×フリーランス【セミフリーランスという働き方】

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