セラピストの勉強会が「投資」ではなく、ただの「出費」になっている件


4月になると新入職員が入ってくる季節ですね。初めの内は外部の勉強会に同期で誘い合わせて行ったりするのですが、3年もするとほとんどみんな行かなくなります。なぜでしょうか?

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セラピストの勉強会はただの「出費」

普通専門職と言うと、例えばプログラマーとかであれば、スキルアップしてより複雑なプログラムを組めるようになったり、プログラムを構築するスピードが上がって、自身の収入に直結します。

しかし、セラピストの場合はいくらスキルが上がったところで自身の収入は上がることはありません。

セラピスト以外の普通の専門職は、その勉強会に行けば後々自分にそれ以上のベネフィット(利益)がある可能性が高くなるので、勉強会の費用は「投資」であり、後々に勉強会に参加する費用を充分取り返せる可能性があるんですね。

もちろん、セラピストも勉強会に行ってスキルを上げて、患者さんにより役立つセラピストになることは大切です。

しかし、3年もの間安い給料から「投資」ではなく「出費」して勉強会に行っている間に、自身の環境も目まぐるしく変わっていきます。結婚したり、子供ができたり。そうなると、自身の家庭が生活していくために、余計な「出費」は抑えなければなりません。

そうやって、次第にみな勉強会に顔を出さなくなります。

結局、「行ったところでどうなんの?」って思うんですね。正直に言うと。それなら、家族で焼き肉を食べに行ったほうが幸せかもしれない、そう思っても何も不思議ではないでしょう。人間そんなものです。

臨床経験を積んだ療法士は、勉強会には滅多に行かず、間違いなくみんな家で専門書を買って読んでいます。その方が圧倒的にコスパが良いですから。

セラピストの勉強会の価格は異常

投資ではなく、ただの出費であるセラピストの勉強会の値段が1万円も2万円もすると、それは行かなくなって当たり前です。

相対的に入ってくる給料は目減りしていて、手取りが20万円を切っているところも少なくない中、未だに強気な価格設定をしている勉強会やセミナーが目立ちます。

時勢を知らないのでしょうか?あえてでしょうか?

よくわかりませんが、おそらく、10年程前の療法士バブル時代の価格設定のままなのではないでしょうか。

著明な権威ある先生の講義ならまだしも、よくわからないセラピストの勉強会で1万円も2万円も払う人は、きっと新人で、あまり状況がよく分かっていない人くらいでしょう。そして、そんな人も少し状況が飲み込めてくると勉強会に行かなくなります。

ここらはそういったセミナーを開催する団体も経験上知っていて、定着率を上げるための工夫が見られます。

団体内で資格を作り、勉強会に通うことで「何チャラ認定士」という称号が与えられ、その団体の中でセミナー講師をすることができるようになる、というのが王道です。

しかし、これはその団体を一歩出たところで全く役に立たない資格で、社会的にはほとんど価値がありません。そんなものを取得するために2~3年も足しげく勉強会に通い、少ない給料から総額何十万円のお金をつぎ込む意味があるのか、私は少し理解に苦しみます。

セラピストの質を担保するなら勉強会の価格を下げれば良いのでは?

世の中、勉強するためには対価が必要で、少ない給料をどう効果的に使うかが重要です。よって、今の異常価格の勉強会の価格が下がれば、勉強会に気軽に行けて、セラピストは継続的にスキルアップすることができます。

結果的に療法士の質の全体的な底上げになると思います。

 

本当に価値ある勉強会に3千円くらいで行けるのならみんな行くでしょう。勉強熱心な人多いですよ、この業界は。

勉強会を開催する側の団体はそんな低価格ではビジネスにならない、と思うかもしれません。

でも、有名講師の授業を動画で撮影し、ネットで会員に配信するシステムであれば、セミナーをするための大きな場所も借りなくて良いですし、講師の出演料は一回限りなので、掛かるコストは少なく、会員が増えれば増えるほど利益が出ますし、不可能ではないように思います。

実技の講習であれば、Skypeと合わせて行えば良いと思います。いわゆる”e-ラーニング”ですね。

 

今、進学塾がそのようなことをやっていますよね。あれをそのままセラピスト向けにやれば、まじめで熱心な人が多い業界なので、すぐに質は底上げできると思います。

以前、今後免許を更新制にして療法士の質の担保を図るようになるかも、という話がTwitterで流れていましたが、講習を定期的に受けるだけで質は担保できません。講習中寝ている人だってたくさんいるに違いありませんから。(目が空いているとしても脳が寝ている人もたくさんいるでしょう。)

むしろ、主催者側にお金が定期的に、確実に、高い確率で予測できる収入が入ってくるようになることが一番のメリットだろうと推測できます。

スキルアップ=給料が増える。ではないからみんな勉強会に行かなくなる

勉強会にやがてみんな行かなくなるのは、スキルをアップしても自分にほとんど見返りがないからなんですよね。

みんな声を大にしてこんなこと言いたくないかも知れないですけど、私は皆さんを代表してここに書きますね。笑

それが間違いなく本心でしょう。

 

そこにみんな気づき始めるのが就職して3年くらいする頃なんですよね。ちょうど勉強会に行かなくなる時期と合致します。

「専門職なんだから、患者さんのために身を削ってでも勉強しろ!という言葉は、少しでも自分の頭で考えることができる人には響く訳がありません。

身を削っていったら最終的にはお金が無くなり、勉強会にも行けなくなります。そうなるともはや専門職ではなく、資格を持っているだけのただの貧乏人になってしまいます。そのような発言をする人はそこまで頭が回っていません。ただ自分のポリシーを人に押し付けているだけのことです。

 

しかし、やっかいなのは、専門職はそういったことを認めたくないことですね。

本当は、自分に見返りがないから行かないのに「良い勉強会がないから行かない」などと言う人が多いような気がします。

「自分にばかり見返りを求めているセラピストは、ダメなセラピストだ」となんとなく過去の教育で刷り込まれているのではないでしょうか。要するに、そういったことが言いにくい雰囲気がこの業界にはあるんですね。

 

そんなことはありません。これははっきりと言っておきます。

大丈夫です。みんなそう思っていますから!

というか、そうでないと逆に危機感なさ過ぎて大丈夫かなと私は思います。

 

繰り返しこのブログ内では述べていますが、自分の金銭的な環境をまず整えることが、後々に患者さんのためになる」のです。

介護の業界では、「介護者が倒れてしまわないように」環境を整えることが基本です。介護者が倒れれば、介護される人も介護されなくなり、共倒れになります。

セラピストも同じです。リハビリする人が金銭的に倒れてしまえば、リハビリされる人も低品質なリハビリしか受けれなくなります。

 

自分に見返りがないのに身を削って勉強会に行け、というのは不自然すぎて、よく考えると論理が破綻しています。

勉強会に行くにも、専門書を買うにも、お金は必要です。知識・スキルを永続的に得ていくためにお金は必須です。無ければ身動きが取なくなります。私は実際にそれを経験済みです。

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今後の理想の勉強会の姿はこれだ!

こういったことを踏まえると、業界のためにも、個人のためにも、セラピストの勉強会は、自分にも患者さんにも見返りがある勉強会の形を今後目指していくべきだと思います。

この記事でも書きましたがこれからの療法士に必要なことは「専門スキルを展開させていくこと」専門職としてのスキルアップは、あくまで患者さんのためだけのものなのです。スキルアップしても、「自分の将来が良くなる」とは思わないことです。

それはほとんど関係がありません。

 

自分の給料を上げたかったり、自身の将来が不安なら、自分で稼ぐ方法を他に考えて実行していく必要があります。

本当に今後セラピストが通いたい勉強会の姿は、今まで通り専門職としてのスキルアップのためのことを教えるのと同時に、それを使って自分で稼ぐ方法も教えるような勉強会だと思います。

 

これ、勉強会やセミナーを開催する側の人がもし見て下さっているのなら、超ブルーオーシャンですよ!間違いなく需要あります。是非そんなセミナーをやってください。そして私も受講者側で末席に参加させて下さい。笑

この前の記事でも書きましたが、今はマーケティング4.0の時代です。

  • マーケティング1.0:製品中心主義(Mind)
  • マーケティング2.0:消費者志向(Heart)
  • マーケティング3.0:価値主導(Spirit)
  • マーケティング4.0:自己実現(Self-Actualization)

市場では”自己実現の欲求”を解消するようなサービスが求められています。患者さんの自己実現だけを達成させるような専門職のスキルアップに特化した内容では、少し時代にそぐわないでしょう。

”セラピストの自己実現”を達成できるような内容を盛り込んだセミナーが時代に求められていると思います。

 

また、もし今まで勉強会やセミナーやったことないセラピストのみなさんも、このアイデアを使って自分で稼げるようになったら素晴らしいし、どんどんそうやって自主的に動いて稼げる人たちが出てくるリハ業界が理想だと思っています。

むしろ、そうなっていかないと今後はきついですよね。

 

”自費で開業”とかは誰でも思い付くので、バリバリレッドオーシャンです。今後血で血を洗う戦場になっていくのは目に見えています。

これから生き残るためには競争などしないことにも書いたんですけど、アイデアを色々出して、できるだけ誰も手を出していない分野で稼ぐ方法を考えて、自主的に動いていく人がどんどん出てくると、もっと業界も良くなるし、個人の収入も安定(複数の収入源を持つように動くことをお勧めします)して、将来的に夢のある業界になると私は固く信じています。

 

 

話を戻します。

こんな勉強会やセミナーがあれば、患者さんの役にも立ち、勉強会に行かなくなってしまった将来に不安を持つ療法士も足を運ぶでしょう。そうなると、自動的に業界の質も底上げされます。

そして、それこそが本当に「投資」になる勉強会です。本来、勉強会やセミナーとはそのような「投資」の意味合いを持つものなのですから。

 

また、一方で高額セミナーを駆逐するために、低価格でそこそこの質の勉強会も世に出回るとよいと思います。セラピストの勉強会にも、もっと多様性が欲しいです。

例えば、2000円くらいの参加費でSkypeなどで基本的な触診や歩行動作分析を新人向けに教えるセミナーです。

こういった勉強会が出回れば、価格競争が始まり、高額で強気なセミナーが価格を再考するかもしれません。そして、この低価格セミナーは、そこらの普通の療法士が開催するとなお良いと思います。

職場で後輩に教えるような感じですね。みんな普通にやっていることなので、できないわけがありません。

もちろん、嘘を教えてはだめですが、テキストを用意してそれに沿ってやるだけなら、質は決して高いものではなくても、それほど難しくなく、誰でも少し努力すればできます。

そうすれば、給料に悩むセラピストの副収入となって、その資金を元にまた少し高額なセミナーに通えるようになるかもしれませんよね。

 

そうやって、お金を循環させる仕組みがあれば、もっとより良く”セラピストの経済”は回っていくのではないでしょうか。

※)”セラピストの経済”についても少し考えがあるので、また別記事で詳しくお話しますね。

まとめ

このような今の勉強会や高額セミナーが乱立している状態は、一体何に根本の原因があるのでしょうか。

きっと、セラピストの意識の問題が大きいように思います。

専門職としてのスキルアップがそのまま収入に直結した過去の感覚のまま思考停止しているから、それに答えてスキルアップするためのセミナーしか発展してこなかったのでしょう。

そして、その当時の価格設定をそのまま続けているというのが現状ではないでしょうか。

 

そして、高額な価格設定の勉強会に、何も疑問を持たずに通ってしまう経済感覚もどうかと個人的には思います。

こういった悪循環、不毛な環境を変えるには、今後は、セラピストはまず、スキルアップしても収入に直結しない職種であることを再確認する必要があります。

そして、「勉強会に行かないのは、患者さんのためにならないかも知れないけど、自分に明確な見返りがないからだ。だから私は家で専門書を読んで勉強しているんだ。」と堂々と言える業界の雰囲気を作っていかなければならないと思います。

 

私はそれで良いのだと思います。

患者さんのためにスキルアップすることと、自分に見返りがあることとを分けて考えていかなければ、この先高額な勉強会に行けるほどの給料も貰えなくなる可能性が極めて高い業界で、逆に生き残ってはいけないと思います。

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