「膝の内側が痛い!」原因と効果的な対処法(筋トレとストレッチ)

膝の内側が痛い


「膝の内側が痛い!」

リハビリの臨床で頻繁にこのような訴えが聞かれます。

どんな原因で、なぜ膝の内側が痛くなるのでしょうか?

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膝の内側に痛みが出るのはなぜか(原因)

膝関節の解剖
右の膝関節の解剖

膝関節は実に人体に取って重要な器官です。

体重を支える要になっており、関節が動く方向としては2軸(曲げる:屈曲、伸ばす:伸展)しかありませんが、外反・内反、回旋などそれ以外にも様々なストレスにさらされ、それだけダメージを受けやすい部分でもあります。

立った時に膝関節に掛かるストレスは体重の3.1倍にもなると言われています。

膝の内側がいたくなる原因①「変形性膝関節症」

皆さんも一度は聞かれたことがある疾患だと思います。

 

この疾患は実に悩まされている方が多く、60歳代の女性の約40%、70歳代の女性の約70%がこの病気にかかっていると言われています。日本では推定3000万人もの人がこの疾患にかかっていると言われています。

 

膝の内側に痛みがある場合、多くの方がこの「変形性膝関節症」の影響が考えられます。

変形性膝関節症により膝関節の内側が痛い場合、以下に記載している筋トレとストレッチで調整を図ることもできます。

膝の内側が痛くなる原因②鷲足炎

鷲足炎による膝関節内側の痛み

鷲足といって、脛骨に3つの筋肉(縫工筋、薄筋、半腱様筋)が停止している場所が炎症を起こし、痛くなる場合があります。

(3つの筋肉の走行する様子がガチョウの足ににているためそう呼ばれます。)

これはジョギングやマラソン、歩行などを長時間行った場合のオーバーユース(過剰な酷使)による炎症です。

 

マラソンが趣味であるとか、最近長時間の歩行やジョギングを習慣的に行っている方はこの鷲足炎により膝関節の内側が痛くなっている可能性があります。

 

これは、腱が炎症を起こしている状態なので、基本的な治療方法は、アイシングや安静が一番有効な方法となります。

ある意味、体が危険信号を出している状態ですので、炎症が収まるまで膝に繰り返しストレスが掛かる運動を控えることが最も早く炎症を抑え、痛みを緩和させることができます。

膝の内側が痛くなる原因③内側半月板損傷

膝の大腿骨と脛骨・腓骨の間には半月板があり、膝関節の衝撃吸収、安定化に役立っています。

 

  • 急激な方向転換などの動作後に痛くなった
  • 大きな外的ストレスが膝に加わった(ラグビーでのタックルなど)
  • 無理な体勢を取った
  • 膝を強く打った
  • 急激なダッシュやジャンプ動作を行うスポーツをした

などのことが思い当たる場合、半月板が損傷している可能性があります。

 

治療法は、損傷がひどい場合は手術をしなければならない場合もあります。

下手に自分でどうにかしようとせず、速やかに病院を受診されることをお勧めします。

変形性膝関節症で膝の内側の痛みが出やすい

膝の内側が痛くなる原因には、バスケットやサッカーなどの動きの早い、激しいスポーツをする若い年齢の方は、半月板損傷の可能性もありますし、ジョギングやマラソンを日常的にする方は鷲足炎の可能性もあります。

 

しかし、それぞれの疾患や怪我の有病率から言っても、上述の膝関節の内側に痛みが出る原因のうち、最もリハビリの臨床で多いケースは、変形性膝関節症の骨の変形による痛みです。

 

変形性膝関節症では、加齢や、生活習慣、筋力低下により、軟骨がすり減り、大腿骨と脛骨、腓骨の間の隙間が徐々に狭くなっていきます。

 

また、日本人の場合、内反変形といって、俗に言うO脚になることが大変多いです。

高齢者の姿勢
内反変形・O脚の例

この内反膝(O脚)に変形してしまうと、体重が膝に乗る位置が変わってきます。

 変形性膝関節症のガイドラインに基づいたリハビリの方法

ミクリッツ線

変形性膝関節症による骨の変形により痛みが出る、膝関節への体重の乗り方の違いは、ミクリッツ線(ミクリッツライン)で説明することができます。

ミクリッツ線とは、大腿骨の頸部の中心から足関節の中心を結んだ線のことです。

ミクリッツ線

この図のように、変形性膝関節症で内反変形を来した膝は、体重が膝関節の内側に集中的に掛かるようになります。

膝関節の内側が痛い

よって、多くの変形性膝関節症の方は膝の内側の軟骨がすり減り、歩いたり、立ったりして体重を膝に乗せると、膝関節の内側に痛みを感じるようになりやすいのです。

この内反ストレスにより、膝の内側が痛い方は、大腿部の外側の筋肉が過剰に頑張って膝のストレスを和らげようとします。

 

なので、膝の内側が痛いのと同時に、膝の外側に位置する、

  • 外側広筋
  • 大腿筋膜張筋

も痛くなってしまう場合が多いです。

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変形性膝関節症での膝関節内側が痛い場合のトレとストレッチの方法

変形性膝関節症による膝関節の変形に伴うメカニカルなストレスの増加により、膝の内側が痛くなりやすいことがご理解頂けたかと思います。

それでは過剰なメカニカルストレスを少しでも緩和するために、どのような運動を行えば良いでしょうか。

 

結論から言うと、ストレスを和らげるために、膝の内側の筋肉、具体的には、

  • 大腿四頭筋(内側広筋)
  • 内転筋群
  • 大殿筋

を鍛えることが重要です。

 

これらの筋肉は、内反変形によるストレスを緩和する方向に力を発揮します。

 

また同時に大腿筋膜張筋をストレッチして緩めると、過剰にストレスが掛かっている筋肉を緩め、全身の調整に役立ちます。

大腿四頭筋(内側広筋)を鍛える方法

パテラセッティングという方法が手軽に行えておすすめです。

パテラセッティング 方法

上向きに寝て、膝の裏にタオルを丸めたものなどを入れて、それを押しつぶすようにグッーと膝を伸ばします。

この時、主に使われる筋肉は膝を伸ばす筋肉である大腿四頭筋です。

 

大腿四頭筋は膝関節を跨ぐように付着するかなり大きな筋肉なので、鍛えることで膝関節の安定性が向上し、膝関節のストレスを緩和することができます。

さらに、パテラセッティングを行う際に足先を内側に倒して行うことで内側広筋を優位に使ったトレーニングになります。

 変形性膝関節症に効果的!10倍効果を高める、パテラセッティングの方法

大殿筋を鍛える方法

大殿筋を鍛える方法では、

  • ヒップアップ
  • フォワードランジ

がおすすめです。

ヒップアップ

お尻上げ2

上向きに寝て、お尻を地面から浮かすトレーニングです。

お尻上げ
写真2 足部を遠くに置くと大殿筋には効きにくい

足の位置を写真2のように遠ざけて行うと、大殿筋よりも、ももの裏側の筋肉であるハムストリングスが優位に鍛えられるため、できるだけ足をお尻に近づけた状態でお尻上げを行うと大殿筋に効果的に作用します。

 

さらに、できるだけお尻を地面にゆっくりと降ろすことでより効果的に大殿筋にアプローチすることができます。

 

このヒップアップはリハビリの王道トレーニングともいえる方法で、どこの病院やクリニックでもリハビリメニューに入っているくらい万能なトレーニングです。(また、大殿筋が人体にとって大変重要な筋肉であるということも示唆していると言えるでしょう。)

 大殿筋を鍛える方法

フォワードランジ

フォワードランジ2

写真のように立った状態から、鍛えたい方の足を前に踏み出します。

この時にできるだけ、足を大きく前に出すことで大殿筋を優位に鍛えることができます。

膝関節に体重が強く乗るので痛みがある方は加減をしながら行って下さい。

 手軽で効果的!ランジエクササイズの効果と方法

 

 

ちなみに、この運動は特別な道具も必要とせず、簡単に行えるので、テレビを見ながら家でする「ながら運動」に最適です。

詳細は 理学療法士が考える、運動不足解消におすすめの運動

内転筋群を鍛える方法

内転筋群は股関節を内転(両足を閉じる方向)させる主動作筋です。

長内転筋
内転筋群のひとつ、長内転筋

 内転筋群の解剖とストレッチの方法

横向き(側臥位)で寝て足を閉じる方に動かしても良いのですが、なかなか上手に鍛えるのは難しいのでおすすめしません。

おすすめの方法は、上述のフォワードランジの応用形、サイドランジです。

サイドランジ立った状態から横に大きく足を出し、踏み込むようにします。これで簡単に内転筋群が鍛えられます。

 

家でする運動はどれだけ手軽・簡単に行えるかが重要だと思いますので、このサイドランジを私はおすすめします。

これなら、「ながら」でできますし、大きくやり方を間違えなければ内転筋に効果的に働き掛けることができます。

大腿筋膜張筋のストレッチの方法

大腿筋膜張筋は、骨盤の側方から起始し、腸脛靭帯となって脛骨に付着します。

大腿筋膜張筋

大腿筋膜張筋は、なかなかストレッチでの伸ばすのは難しいというか、少しコツが要ります。

大腿筋膜張筋 ストレッチ

このようにストレッチすることで伸ばすことができます。

この時に矢印の方向に、骨盤をグゥーっと押し付けるようにするとより効果的にストレッチされます。

 

もし、この方法で伸張されている感じが少ない場合、横向きに寝て(側臥位)大腿筋膜張筋の下にテニスボールを置いて、グリグリと体を擦りつけてマッサージすることでも同じような筋の弛緩作用が得られます。

まとめ

膝関節の内側が痛くなる原因の内、変形性膝関節症による内反変形が疑われる場合、膝関節の内反ストレスを和らげるような運動やストレッチを行うと痛みが緩和されやすくなります。

 

具体的には、

  • 内転筋群
  • 大殿筋
  • 大腿四頭筋(内側広筋)

を鍛え、

  • 大腿筋膜張筋

をストレッチし、緊張を和らげてあげることで、正常な膝関節の機能に近い筋肉の状態を作っていきます。

 

リハビリの臨床で膝が痛いと言う場合、内側部に疼痛を訴えられる方が大変多いです。

スポーツを日常的に行っている方の場合、鷲足炎や半月板損傷、内側側副靭帯損傷の場合もありますが、有病率の多さから、変形性膝関節症による疼痛の場合が非常に多いと思います。

 

変形性膝関節症による痛みの場合、少しの解剖学の知識と、ミクリッツ線の知識さえあれば簡単にその機序を理解することができます。

是非今回の記事を参考にしてみてくださいね。

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