体の歪みとは?簡単にできるチェック方法と体の歪みの原因

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骨盤ダイエットや骨盤矯正なる言葉が流行し、「体の歪み(ゆがみ)」という言葉が広く認知されるようになりました。体の歪みとはいったいどんな状態でしょうか?専門家(理学療法士)としての見解を述べます。

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体が歪むとはどんな状態か?

様々な情報を見てみると、体が歪むことによる人体への悪影響は、

  • 体調不良
  • 体の各所の凝り・疲れやすい
  • 痛み
  • 頭痛
  • 腰痛

などなど、様々あるようです。

 

しかし、実際のところ、私達は臨床で様々な患者さんを診させて頂いていますが、体が歪んでいない人などほとんどいません。

 

例えば、物を食べる時に片方の歯で噛む癖があるだけで、顔のバランスは非対称になるでしょうし、靴が片方だけ大きくすり減るような歩き方の方は、それだけ体が歪んでいると言えるかもしれません。

極端な話、片方の靴の底にガムが引っ付いているだけで体は歪んだ立位姿勢になります。

 

また利き手、利き足のように、人それぞれ得意な方ばかりを日常生活で使ってしまうのが普通です。

 

私達は、生物として、運動の課題を遂行する時に、より効率の良い方法が無意識に選択されます。

これは本能です。

体の右側に物が置いてあり、それを手元に取りたいと思う場合、右手で取るのが生物として合理的な判断であり、効率的な運動です。

これを、体が歪むから左手で取るという様な判断は、課題遂行の妨げになり、適切な判断とは言えず、かなり不自然なことです。

体の歪みの簡単なチェック方法

そもそも、姿勢には大きく分けて2種類あり、静的・動的な姿勢と区別されています。

静的な姿勢では立位・座位姿勢などの姿勢を指し、動的姿勢ではバランスディスクに載っている時などに取る(外乱・内乱に反応している状態)姿勢のことを言います。

恐らく「体が歪む」と言う状態は、このうちの静的姿勢のことを指していると思われます。

 

また、理学療法では、アライメント(配列の意味)という言葉があります。

 

臨床では、まさしくこれが体の歪みをチェックする指標として用いられています。

簡単に自分でできるアライメントのチェック方法をご紹介します。

手順1.ランドマークをチェックする

ランドマークとは体の要所にある、体の歪みをチェックする上で重要なポイント・目印のことです。

 

人体を横から見たとき(矢状面)には、

アライメント 矢状面

  • 乳様突起
  • 肩峰
  • 大転子
  • 膝関節の中心のやや前方
  • 足関節やや前方

がランドマークになります。

乳様突起

乳様突起
肩峰 解剖

肩峰

人体を後ろから見た(前額面)場合

ランドマーク 前額面

  • 後頭隆起
  • 椎骨棘突起
  • 両膝関節内側の間の中心
  • 両内踝の間の中心

がランドマークとなります。

後頭隆起

頭蓋骨を後方より観察
椎骨棘突起

椎体の棘「椎骨棘突起」

これらが一直線上に整って配列されていると、体は歪んでおらず、適切な位置にあるとリハビリの臨床では判断します。

手順2.アライメント(配列)を確認

上述のランドマークがきれいに配列されているか確認します。

簡易なチェック方法としては、壁にもたれて姿勢をチェックしてみると分かりやすいでしょう。

良い姿勢

アライメントが適正ならば、踵、お尻、肩、後頭部が壁に自然付くはずです。

一直線になっているようであれば適正です。

 

例えば、猫背(円背)の方のランドマークはこのように一直線上になりません。

円背

また、変形性脊椎症や変形性膝・股関節症の患者さんでもアライメントが崩れていることが多いです。

※詳細は後述します。

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体が歪む原因は?

理学療法的に「体の歪み」を解釈すると、上述のように、体の歪み」とは、「アライメントの崩れ」のことを指していると思われます。

 

理学療法において、主にアライメントが崩れる原因は、

  • 関節や骨の変形(人体構造の変化)
  • 痛みを避けるための姿勢を無意識に選択している結果として体が垂直に保てない(疼痛逃避)
  • 片麻痺などで麻痺している片方の足に体重を乗せられないために体が傾く(筋力の著しい低下)
  • 中~重度の感覚障害により、垂直な姿勢を保つことが困難(そもそも真っ直ぐの感覚が正常と異なる)
  • 両足の長さが異なる(股・膝関節の手術の影響・先天性股関節脱臼など)

などが代表的です。(もちろん細かく言うとキリがないほどの原因があります。)

 

臨床で具体的な疾患名(代表的なもの)を挙げると、

  • パーキンソン病
  • 脊椎椎体圧迫骨折(椎体の変形を伴う場合)
  • 脊椎側弯症
  • 変形性股・膝関節症(術後も含む)
  • 小脳性疾患

などが該当します。

 

これらの疾患があったり、体が常に歪んでいる(アライメントが崩れている)と、やや体の使い方が非効率になり、確かに疲れやすくはなるかもしれません。

 

しかし、健常者の場合、厳密に言うと、世界トップレベルのモデル(美≒左右均等だと仮定してモデルを例で挙げました。)であろうと、完璧に左右均等な体=歪みなしの体を維持することは難しいと思います。

日常生活で癖や利き手を全て排除した動きをする必要があるからです。

 

そんなことはどう考えても不自然で無理だと思うので、少々のアライメントの崩れや体の歪みがあるのが普通だという認識で良いと思います。

まとめ

骨盤の歪みや体の歪みで多少は体に負担が掛かることはあると思います。

 

しかし、上述のような疾患があり、常に過度にアライメントが崩れている場合でなければ、体の歪みはそれほど気にすることはないというのが私の見解です。

 

むしろ、体に歪みが微塵もない、と言う状態は生物的にあり得ないので、歪みが多少あるのが普通で正常なことであり、効率的にあなたの生活に体が適応している証拠だとも言えると思います。

 

 

人の体はまだまだ未知の部分がたくさんあります。

未知でない部分でも、色々な影響が複雑に絡み合って症状が出ていることがほとんどなので、はっきりと原因を突き止められないことも多々あります。

 

原因がはっきりしない痛みや凝り、疲労感などの症状に悩まされていると、「もしかして体や骨盤が歪んでいるから??」と思うのも無理はありません。

しかし、そこで一歩留まって、「いや、体が歪むって普通じゃない?みんな歪んでいるんじゃないの?」って冷静に考えられる余裕があるとなお良いのではないでしょうか。

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