「治療技術を学んでスキルアップしたところでどうなるの?」リハビリ職のキャリアについて疑問に思うこと

リハビリ職 スキルアップ


みなさんも日々臨床に携わるものとして、リハビリ分野の勉強に励んでおられることと思います。

この仕事は日々勉強です。




私は現在理学療法士の資格を取って6年になりますが、3年目くらいまではみなさんと同じように勉強会にもたくさん参加し、無我夢中で、自分の技術や専門性を高めようと必死でした。

 

しかし、延々とそんなことを繰り返していると、ふと疑問に思うこともあります。

 

この業界は「いくら勉強しても給料が変わらない」ということです。

ご存じのとおり、リハビリ・医療分野は診療報酬によって、私達の提供する技術の対価として報酬が支払われます。

 

しかし、臨床経験20年の人がリハビリしても、昨日国家資格を取ったばかりの人がリハビリをしても、報酬はまったく同じです。

勉強に励むセラピストは、やがて、みんなここに疑問を抱くようになるわけです。

「治療技術を高めて一体どうなるの?」って思うようになります。

 

もちろん患者さんに提供できる技術が向上するのは望ましいことですが、一方で自分達に見返りがあるのか?ということを考えてしまうようになるのです。

ではどうすれば給料が上がるのか?

リハビリ職のキャリアとして従来から言われている方法は以下になります。

以下は全て、経験と勉強を重なねることでその道が開けてきます。

起業・開業

勉強して臨床の技術を高めていけば、自費診療で起業する、という流れも最近よく見かけます。

 

しかし、実際にはいくら治療技術が高くても、それを宣伝して、多くの人に知ってもらわないと簡単にはお客さんが来ないでしょう。

そのために、技術のある優秀な人を呼び、自費診療を行いながら、宣伝も兼ねて療法士向けの臨床セミナーを開いて稼いでいる会社も多いです。

もう少ししたらリハビリ職の開業で成功するようなモデルケースが出来、起業する人ももっと増えてくるでしょう。

 

しかし、開業・起業にはリスクが付き物で、そこまでリスクを取って、臨床家として突き詰めて勉強できるのか不安という人も多いと思います。

また、リハビリ職はビジネス関係の知識とは少し離れたところで働いているので、マネジメントやマーケティングなど、全く馴染みのない分野の勉強も必要になります。

 

起業したって絶対に成功するという方法はないし、もしうまくいって稼げたとしても、下手したら今より激しい激務が待っています。

 

例え給料が上がっても、激務で今より忙しいとなると、家族で過ごす時間も減るでしょうし、幸せになれるのかは正直微妙だと思います。仕事が充実することが最高の幸せだと言う人は良いでしょうが、家族とゆっくり過ごす時間も大切にしたいという人には向かないのではないでしょうか。

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研究で名を上げる

研究に突出して励み、リハビリ分野に貢献し、出版や文献を発表して名を上げる方法もあると思います。

 

しかし、実際にその分野で突出して有名になるには、かなりの労力と時間が必要です。数年なんかではとても無理で、数十年は最低必要ではないでしょうか。

 

実際私も研究分野に足を踏み入れたこともありますが、むちゃくちゃ賢い人が必死に研究するためにデータを毎日取って、推敲して、ということを無給でやっているのを見て、「こりゃ簡単じゃないわ」と思いました。笑

 

 

 

研究で成果が出るまでは、趣味でできる程にその分野のことが好きでないととても何十年も続けられないと思います。

 

大体、本を出版するだけなら、研究分野で名を馳せるという方法は、効率的な方法ではありません。

自費出版という手もあるし、私の知り合いの理学療法士の方は、ブログを運営していることで出版社から声が掛かり、見事に本を出版されています。

管理職になる

管理職になると少し給料が増え、他の病院や施設から声が掛かってヘッドハンティングはされることもあるようです。

 

しかし、管理職はご存じの様に、リハ職の場合、「中間管理職どまり」のことが多く、病院であれば院長、施設であれば施設長などと、下の療法士との間で仲を取り持つような管理業務をする場合が多いと思います。

 

 

給料が数万円程度増える代わりに、ストレスは比較にならない程増えることが容易に想像できますよね。

従来のキャリアモデルでは限界がある

現場で働いて数年の経験を持ち、勘の良い療法士の方は気付いていると思いますが、10年・20年も前に一般的な療法士が目指したキャリア確立の方法はすでに限界に来ています。

 

その時とは状況が全く異なります。

職業人数が爆発的に増え、診療報酬は年々減っています。

 

そのなかで、療法士の給料を増やすキャリアモデルを考えることは以前より厳しくなっていることは明白です。

 

療法士は国家資格保有者のために、安定して需要があります。

これから先も仕事自体が無くなることは恐らくないでしょう。

 

しかし、給料アップが見込みにくい、「夢のない仕事」になってきていると思って間違いないと思います。

「リハビリの有効性を社会的に認めさせる」・「選ばれる療法士になる」???

今後、私達がしている仕事を、後に続く療法士のためにも「夢のある仕事」と言えるようにしたいものです。

 

私は、少し違った視点でキャリアを構築していく人がこの業界に必要ではないかと思います。

 

 

私は出会う先輩の理学療法士に、将来の自分のキャリアをどう考えているのか尋ねるのですが、大体はっきりとした答えは聞けず、「どうしたら良いんだろうね?」というような感じで返答される方がほとんどです。

モチベーションの高い人は起業することと答えた方もいましたが。

 

恐らく、みんな

「エビデンスを立証してリハビリの有効性を社会的に認めてもらう」とか、

「勉強して選ばれる療法士になる」

とか、漠然としか考えていないのだと思います。

 

しかし、これらの考え方は、私にはほとんど何も考えていない人が「ただしっかり勉強していればなんとかなるだろう」という憶測に基づいて流れに身を任せているだけにしか思えません。

 

エビデンスを立証したところで、まず日本のこの現状をどうにかしなければ、時代の流れに逆行して診療報酬が上がり、さらに療法士の給料が上がるとはとても思えません。

 

また、選ばれる療法士になるという方法も、逆に言うと「選ばれない療法士を作り出す」ということなので、結局業界全体が良くなる方法とは思えません。

経済市場の価格競争のように、競争が激しくなり、より仕事がやりにくい業界になるだけではないでしょうか。

 

実際リハビリ業界が「完全実力主義」になってくると、結局はお金を持っている人が生き残るようになります。

 

なぜならば、お金があれば勉強会にもバンバン行けるし、書籍だってたくさん買えるからです。

高額な勉強会・書籍が多いですからね、この業界。

(現在の協会の新人プログラムだってe-ラーニングでお金を払えば習得できる仕組みになっています。すでにその兆候が見えている、ということです。)

 

 

考えてみてください。

もし、「選ばれる療法士になる」というキャリアデザインを選択し、その通りの業界になったとします。

 

「生き残った療法士たち」は、引き続き勉強会にどんどん参加しなければ、立場を維持できないようになりますよね。

休日は勉強会で潰れ、今より診療報酬が下がって、データ通りに行けば給料がさらに下がった将来、少ない給料をさらに勉強会で削られることになります。

大げさではなく、低賃金・休日なしのブラック企業なみの業界になります。

 

そんな未来を望んでいるのですか?・・・本気ですか?

と問いたいです。

 

「業界全体のリハビリの質が上がれば、患者さんをより良く治療できるじゃないか」という反論もあるでしょう。

それはその通りです。実際に仕事の質を上げていくことは、リハビリ業界に限ったことではなく、どの業界でも必須のことでしょう。当たり前のことです。

 

でも、まずは自分たちの生活を守ることが先ではありませんか?

 

ボランティアでリハビリをやるなら良いですが、給料をもらい、家庭を持っている人もたくさんいます。

家族が金銭的に苦しい想いをしているのに、患者さんのためといって、勉強会に行き、少ない給料を削る・・・。

 

それは本当に自分のエゴではないのでしょうか?

患者さんが良くなることで自分の有能感を満足させたいだけではありませんか?

正確に線引きすることは難しいですが、療法士は皆そういった感情が少しはあると思います。

 

 

患者さんはあなたが居なくても他の人が良い治療を施すこともできるでしょうが、あなたの家族はあなたしか頼る人がいません。

まずは自分の家族を守ることが社会的責任として第一ですよね。

 

 

 

大体そんなブラック業界になってしまったら、その後の療法士の成り手がいなくなって、業界自体が立ちいかなくなるのではないでしょうか。そしたら、患者さんもほったらかし、元も子もないです。

 

 

 

 

従来と少し違った視点でリハビリ業界を見るために鍵となるのが、最近になって普通の人にも敷居が下がってきている、「ネット」を使ったキャリア確立の方法でしょう。

 

20年前には一般の人には敷居が高かったネットでの情報発信などの方法が手軽にできるようになってきています。

 

実際に私はネットでのリハビリの情報発信を行い、このブログを始めて8か月程度で2万円/月の報酬を得ることができています。

 

普通にリハビリ職で働いて、月2万の収入アップを図ろうと思うと、恐らく最低数年はかかると思います。

まとめ

激変していく業界の状態に付いていくことだけでも精一杯で、将来のことを考える余裕がないのが実情だと思います。

 

「エビデンスを立証する」、「選ばれる療法士」

これらのキャリア構築の方法を突き詰めて考えると、いかにあまり考えらていないかがよくわかります。

 

キャリアのロールモデルが少ないこの業界で、新しいキャリアの形が出現し、皆が夢を持つことができる業界を目指したいものですね。

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