リハ職の「理論武装」~難解な言葉を使うのはもうやめよう~


私達リハビリ職は難解な小難しい言葉を使うのが好きな印象があります。

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医学、解剖・生理学、運動学には確かに難解な言葉が多く、ある程度は仕方ないと思います。

例えば「ゲイトコントロール理論」とかって、私たちのお母さんに言っても普通通じないですよね。(母親が医療従事者なら分かるかも知れませんが。)

 

酷い人になると、そのまま患者さんと専門用語で説明している人なんかもいて、専門用語のメリット・デメリットを一度整理しておいた方が良いんじゃないかと思うことがあります。

専門用語を使う意味

例えば「粗大筋力が4レベルで、MMTで膝伸展がなんちゃら」とか普通に介護職の人に話している療法士なんてざらにいると思います。

そんな療法士は勉強も一生懸命していて知識はある場合が多いのですが、患者さんから拒否されることが多かったり、結構臨床で苦労していたりします。

 

 

MMTって私達からしたら当たり前の言葉ですが、この言葉が通用するのは、リハ医か同業者だけです。リハ医以外の医師にも恐らく通じない、と思っておいた方が良いでしょう。

「4レベル」とかも外部の人には意味不明です。

 

専門用語を使う意味は、同業者の共通言語を持つことで話が早くなるからです。

 

なので、それ以外の職種の人に使う時は、専門用語をかみ砕いて一般的に通じる言葉に変換する言語変換能力が必要です。

 

 

なので上述の専門用語をやたらに使う人は、臨床において、「相手に合わせる」という決定的に大切な臨床能力が欠けており、リハ職として致命的だと思います。

 

 

学術を専攻し、研究する方には、学術用語が一般的なためか、「フェーズに合わせて」などと一般的でない言葉を言う人も多いです。

 

なんだか頭が良さそうですが、実際普通の人にそんな単語を使っても、「なんか難しいこと言っている・・」位しか理解されないでしょう。

 

 

実際に、リハビリは学術の一つの形態であり、専門用語がなければ理解することは困難であろうと思います。

 

特に昔からある、体系的な手技なんて、ただ骨盤を触って股関節に体重を乗せているだけのことを、「なんちゃらハンドリング」とか小難しい言葉を使うことが好きな印象があります。

 

実際に、最近出てきている怪しい療法士向けのセミナーは、そういった難解な言葉の「何か凄そう」な感覚を想起させる特徴を利用して、夢を持ってこの仕事に就いた新人を誘惑します。

 

余談ですが、もう一つ言えることは、セミナーは資格ビジネスと密接に絡んでいるので、その団体だけで認められるような資格を用意して、システマチックにお金を払わせる仕組みが出来上がっていることがほとんどです。

 

しかし、その資格はその団体から一歩外に出たら社会的にはあまり意味がないことも多く、何十万円もつぎ込むメリットは自己満足と、その団体に資金を提供したという実績くらいでしょう。

 

 

 

このように専門用語や難解な言葉を無条件で「凄そう」と思っていると、騙されてしまうことも最近ではありえます。

専門性を高めることは「専門用語を充実させること」ではない

専門用語を積極的に使い、簡単なことをいくらでも難しく表現することはできます。

 

そして、それが一見すると「専門性がある」ように見えるのも分かります。

 

 

しかし、本当の専門性とは、他者に認めてもらって始めて確立できるものです。

 

あなたの医療従事者ではない、おかあさん、もしくはそこらを歩いている高齢者の方でもかまいません。

 

あなたのリハビリの話をして、こんなことができるんですよ、っていった時に「それはすごいね!普通の人はできないね。」ってことになればそれは専門性です。

 

しかし、小難しい話をして相手が「????何のことかよくわからんわ」って言ってるならそれは専門家、あるいは専門性とは認めらているとは言えないと思います。

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これからのリハビリは「どう表現していくか」が問題

リハビリの診療報酬は皆さんご存じの通り、もうとっくに頭打ちです。

あとは下がるだけです。

 

だから「専門性を高めて、みんなにリハビリの有効性を認めてもらおう」という活動が活発化しています。そうすれば、診療報酬の低下を食い止めることができるのではないかと。

 

その時に、やり方はいくらでもあると思うのですが、どちらかというと、専門用語をたっぷり使って、なんなら新しい専門用語を作る位のことをすると「専門性が高まる」と思っている人が多いように感じます。

 

 

しかし、それは全く逆効果だと思うのです。

世間からはますます、「オカルトじみた、宗教のように勝手な解釈や理解が横行し、難解で、身内だけが理解できるような関係性の中に閉じこもっている引きこもり分野」という印象を持たれてしまっても不思議ではありません。

 

専門性を高めるために効果的なことは、その専門分野を勉強することももちろん大切ですが、それ以上に、どうやってその専門分野を周りに認めてもらうかという事を考えておかなけれなりません。

 

 

その時に、逆に専門用語は邪魔でしかなく、排除していく必要があります。

 

 

私はネットを使ったリハ職の職域の拡大を目指すべきだと思いますが、その時にもこの難しいことを簡単に表現する、言語の変換能力は大変重要です。

 

また、もう一つ付け加えておきたいことがあります。

 

専門分野の勉強をひたすら頑張っている療法士も、何のためにやっているかというと、最終的にはリハ職の職域の拡大、ひいては自分たちの収入源の確保である場合が多いです。

 

もちろん目の前の患者さんのために、とそれだけを想って一生懸命やっている人もいますが、良く聞いてみると職域を拡大していくために専門性を高める必要があると思っていたり、もしくはそれに賛同できる、と言う人がほとんどで、結局のところ、全てこの自分達の身の保身が最終目標です。

 

これは当たり前のことで、身の保身のために勉強するなんて卑しい!と思うなら、ほとんど全ての資格を取ろうと思っている人が卑しいことになりえます。

 

 

これは何も悪いことではなく、むしろ健全なことです。

 

しかし、療法士には、この身の保身や、お金を稼ぐことに対して何となく嫌悪感を持っている人が多い。

 

「この仕事はお金じゃない」と言い、お金を稼ぐことに対して何となく嫌悪感を持っている療法士も、実は勉強をしっかりして、リハ職域の拡大が必要だ、と思っている人が多いのです。

 

 

私はそれが問題だと言いたいのではなくて、それを支持する行動を取っているにもかかわらず、それを認識していない、もしくは自分がやっていることの意味が分かっていないという事が問題であると思います。

 

お金を稼ぐことは全く悪いことではありません。人を騙したり、お金を盗んだりすることが悪いことです。

 

ちゃんとそれなりの価値を提供し、納得してお金を頂けるなら、それは両者にとってWIN-WINであり、むしろ喜ぶべきことです。

 

だから勉強し、職域を拡大し、リハ職が存続していけるのです。

 

まずは療法士のこの稼ぐことに対する無意味な罪悪感を見直していかなければ、職域の拡大も何もなく、ただこのままひっそりと存在感のない職業になってしまうことでしょう。

 

もっと稼げれば、もっと勉強会にも参加できるし、色々な活動ができるし、何倍もの速さで専門性は高まっていきます。

まとめ

旧来のリハビリ職域拡大のやり方では無理があることは明らかです。

「政治家がいない(少ない)から職域が拡大しない」というのでは政治家に自分がなるか、または政治家が出てくるまでじっと待っているしかありません。

政治家が出てきて、実際にリハ職の待遇が改善されるまで、もしそれに10年かかれば、私達はその10年間どうすれば良いのでしょうか?

 

 

稼げそうなことに焦点を置いて、そのために価値を追求し、増大させていくような活動が鍵を握っています。

それはネットを使えば個人レベルで今すぐにも可能です。

 

是非、少し違った視点でこの業界を眺めてみることをお勧めします。

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