筋萎縮ってどんな状態?筋力低下の種類・原因と筋力の評価法MMTのコツ

筋力低下・筋委縮の種類


リハビリは筋肉・筋力を増大させることを目的に行われることも多いです。今回はリハビリにとって要とも言える、筋力、その中でも筋力低下や筋萎縮の種類・原因についてまとめてみました。

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そもそも筋力とは?

そもそも筋力とは骨格筋の収縮によって発生する張力のことを指します。

よって最大努力の収縮により発生する張力が、何らかの原因で弱まることを筋力低下といいます。

筋力の大きさは1本の筋繊維の太さと収縮に参加する筋繊維の数によって決定されます。

両者の積である筋横断面積と等尺性最大筋力との間には相関関係が認められています。

それを利用した評価が下腿周径などの形態測定です。

 

また、最大筋力は筋横断面積だけでなく、

  1. 神経インパルスの発射頻度
  2. 動員される運動単位の数
  3. 運動単位の同期化

などの神経系の因子によっても影響を受けています。

よって筋力低下は筋横断面積の減少である筋萎縮、あるいは神経系の障害によって生じると考えられます。

筋萎縮の種類と原因・代表的な疾患

筋力低下の原因である筋萎縮には、大きく分けて、

  1. 神経原性
  2. 筋原性
  3. 廃用性

の3つのタイプがあります。

更に、神経原性筋萎縮は運動ニューロンのタイプによって性質が別れます。

筋力低下・筋萎縮の種類

それぞれ説明していきます。

1.神経原生性筋萎縮

神経原性筋萎縮には、1次運動ニューロン障害によるものと、2次運動ニューロン障害によるものとがあります。

2次運動ニューロン障害

2次運動ニューロン障害には脊髄前角細胞の病変による筋萎縮、末梢神経の病変による筋萎縮があります。

脊髄前角細胞の病変による筋萎縮

脊髄前角細胞の病変による筋萎縮は、四肢の末梢に強く、左右が対照的に侵されやすく、繊維束性攣縮を認めるなどの特徴があります。

主な原因疾患は脊髄性進行性筋萎縮症、急性脊髄前角炎(ポリオ)、ギランバレー症候群などがあります。

末梢神経の病変による筋萎縮

末梢神経の病変による筋萎縮は、侵された末梢神経の支配領域に限定され、知覚障害を合併していることが特徴です。

主な原因疾患には、多発性神経炎、手根管症候群、外傷や機械的圧迫による末梢神経麻痺などがあります。

1次運動ニューロン障害

一方、1次運動ニューロン障害には、脳障害による筋萎縮と脊髄障害による筋萎縮があります。

1次運動ニューロン障害による筋萎縮では、二次的に廃用性の筋萎縮が発生するまでは萎縮が起こりにくく、萎縮の程度も2次運動ニューロン障害よりは軽度である場合が多いです。

主な原因疾患は、脳血管障害、脳浮腫、脊髄損傷等です。

2.筋原性筋萎縮

筋原性筋萎縮

筋原性筋萎縮は、上腕部、大腿部のような四肢の近位筋や肩甲帯、骨盤周囲などに著明な萎縮が認められます。

例外として、筋強直性ジストロフィーのように遠位筋が主に萎縮するものデュジャンヌ型筋ジストロフィーのように病的な肥大を伴うものもあります。

主な原因疾患としては進行性筋ジストロフィーや多発性筋炎などがあります。

3.廃用性筋萎縮

廃用性筋萎縮は、長期間の筋肉の不使用により生じます。

この廃用性筋委縮は、最も一般的な筋委縮の種類で、著明な疾患が無い方が「筋力低下している」と言われた場合、この廃用性の筋萎縮である可能性が高いでしょう。

 

特別にトレーニングをしなくても、人間は、座る、立って歩くなど、普段の生活をしているだけでたくさんの筋肉を使っています。

地球に重力がある限り、人間に限らず全ての生物は重量に抗して筋力を使って活動する必要があり、夜寝て、朝起きて、トイレに行って、お風呂に入って、という生活は人間にとって筋肉を維持するためにも必要なものです。

怪我や病気、加齢などにより、これらの生活の動作が行えなくなってくると、筋肉が長時間使われにくい状態になってしまい、廃用性筋委縮が起きてしまう可能性が高くなります。

 

例としては、脳障害や肺炎、手術後の長期臥床、あるいは関節炎などの痛みや骨折、脱臼の治療目的のギプス固定等による長期の不動が原因で起こることが多いです。

 

 

その他の原因による筋力低下としては、拒食症、うつ病、ヒステリーなどのような心理社会的な背景が深く関与している場合があることも知っていると良いかもしれません。

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筋力低下の評価、MMTのコツ

筋力低下を判断する際にリハビリで頻繁に用いられるのが徒手筋力テスト(MMT)です。

簡単にどこでも実施できる検査法であり、臨床場面に於いて最も使用頻度の高い筋力測定方法です。

しかし、その等級判定には検査者の主観的な要素が加わり、検査の信頼性と妥当性が問題になるため、検査テクニックには習熟が必要です。

 

特にMMTの4、5は、検査者の経験的、主観的な要素が加わり、判定が難しく、信頼性も低くなる傾向にあります。

抵抗の大きさを患者の年齢、性別、体格等を考慮に入れて調節するためには、基準を決めておかなければなりません。

 

その基準の1つの決め方として、検者の腕の重さと上半身の重さを利用する方法があります。

例えば、膝関節伸展のMMTであれば、腕のみの力で抑える場合にMMT4体重を乗せて抑えなければならない場合を5とする、などです。

MMT4 good
このように肘関節を曲げて膝関節伸展を抑えることができる場合、”MMT4”とする。
MMT5 normal
このように肘関節を伸展させ、体重を乗せないと抑えきれない場合、”MMT5”とする。

再現性を持ったMMTを行うためには、自分の中で検査の方法・肢位・力の入れ方などを決めておくと良いと思います。

筋力低下に付き物の代償動作

筋力低下がある場合、その筋力低下を補うために様々な代償動作が起こるため、筋力低下の存在を見誤らないように注意する必要があります。

逆にいうと、代償運動には特有の出現パターンがあります。それを把握しておくことでどこの筋肉に筋力低下があるのかを予測することも可能です。

筋力低下が正常か異常かを見分けるには

正常と異常の判定は、左右差を比べることが最も簡単で的確な方法です。

しかし、両側性に筋力低下がある場合は簡単では無く、機器で測定した筋力値、徒手筋力テストの等級の程度などを総合的に分析し、年齢、性別等も考慮に入れて判定しなければなりません。

特に筋ジストロフィーの仮性肥大や肥満により脂肪が多い患者さんでは、外観的に筋萎縮が著明ではなく、単一の検査だけでは判断を誤ることもあります。

 

筋力低下の程度を的確に把握することは大変重要ですが、筋力低下は、あくまで機能障害の1つであり、その重症度が必ずしも能力障害の重症度を反映するものではないということを念頭においておく必要があります。

まとめ

筋萎縮の程度や筋力測定時には、個人差が大きいので、一概に筋萎縮や筋力低下の程度を判断することはできません。

筋力評価を行う際には、必ず患者の年齢、性別、体格、そして職業などを考慮すべきです。

筋力測定値は同じ筋肉であっても測定する肢位や姿勢によって大きく異なり、これが検査の信頼性を大きく作用する要因となっています。

また、筋力検査全般において、抵抗を加える部位、固定部位について充分配慮し、患者が筋力を発揮しやすい状態に整えることが重要です。

参考)大塚哲也:リハビリテーション入門
   和才嘉昭ほか:測定と評価、第2版

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