足の指を鍛えてバランス能力改善!3つの効果的な足趾把持力強化トレーニング

足趾把持


「足の指って何のためにあるの?」私が臨床経験が浅い頃、よく疑問に思ったものでした。

地味な部位で見逃されがちですが、足の指には様々な機能があります。臨床においても、足の指の力を改善することで動作が変わることも多いです。

  • 足の指ってどんな役割があるの?鍛える意味とは?
  • 足の指の効果的な鍛え方は?

について説明していきます。

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足趾の役割

足の指の隠された役割!と言う程でもありませんが、地味な割に結構大切な足趾の機能・役割を説明していきます。

役割①衝撃吸収・蹴りだし(ウィンドラス・トラス機構)

ウィンドラス・トラス機構
中足趾節関節の背屈により足底腱膜は引き伸ばされ、アーチが「巻き上げ」られる。結果、足部の剛性は向上する。引用)文光堂 障害別・ケースで学ぶ理学療法臨床思考 PBLで考え進める 編集:嶋田智明

ウィンドラスとは巻き上げのことで、トラスとは屋根の梁の意味です。

足趾は屈曲・伸展することで、足底腱膜のテンションが変わり、足部のアーチの形状を変え、足部の固さ(剛性)を変化させることができます。

 

足部を柔らかくして衝撃を吸収したり、固めて歩行中の蹴りだしを行い、推進力をより得やすいように調節しています。

これは意識的に行われるものではなく、適切に機能する足指を使って自然に歩くことで、適度に調節される仕組みになっています。

役割②バランス能力

試しに足趾を屈曲させてFRT(ファンクショナルリーチテスト)を行ってみて下さい。足趾を使わない場合に比べて前に重心が移せないはずです。

立位や動作時に特に前額方向(前・後ろ)のバランス能力に足趾は大きな影響を与えています。

前に体重を移動させたときに、足趾がグッと屈曲して床を掴むことでより前に重心を移すことができます。

 

反対に後ろの踵に重心を移した時に足趾は伸展し、足趾に付着する筋肉が緊張することで下腿を後ろに倒さない様にバランスを取ります。

 

このように足趾は人体の立位でのバランス能力に大きく貢献しています。

FRT(ファンクショナルリーチテスト)って?
ファンクショナルリーチテスト
FRT。簡単に言うと、足を動かさずに指をどれだけ前に伸ばせるか計測する評価方法、バランス機能評価に主に使用される。

方法

① 体の横を壁に向けて、両足を左右に開いて立つ。

② 手指は揃え、両腕を脇が直角になるよう前に上げる。

③ 肩の高さに挙げた中指の先端をマークし、壁から離れたほうの手をおろす。

④ 手の平は同じ高さを維持したまま、足も動かさずにできるだけ前へ手を伸ばす。

  爪先立ちになってもよい。

⑤ 最大に伸びた所に印を付け、ゆっくり元に戻りもう一回測定する。

⑥ 開始の位置から最大伸びた位置までの距離を計測し、小数点第1 位を記録する。

カットオフ値

FRT測定距離15cm未満が転倒の可能性が大きくなると言われています。また、25cm以上の高齢者に対し、15cm未満の高齢者は転倒の危険が4倍あると言われています。

足趾の機能を評価しよう!

特に脳卒中の方はぜひ裸足になってもらい、立位や歩行中に、足の指がちゃんと使えているか確認しましょう。

 

普段足趾以外の場所を鍛えていて、それでもバランス能力が上がらない方は、特に足趾を注意して診て下さい。

参考に、臨床で多い、足の指が機能していないケースをご紹介します。

私が臨床で経験した「足趾が機能しないケース」

私が臨床で経験した足趾が機能しないために動作に影響を及ぼしていたケースを4つ、ご紹介します。

①廃用症候群

 歩行や立位を長期間していない方

 立つ動作を日常的にしていても麻痺があったり、大腿骨頸部骨折などでしっかり足趾に荷重できずに長時間過ごされてきた方

は、多くの場合、足趾に可動域制限があります。

 

上述のように、足趾は屈伸することで初めてその能力を活かすことができるので、可動域制限があると機能を果たせなくなります。

②脳卒中で痙性が高い方

CROW TOE(槌指)

脳卒中の既往があり、痙性が高い方は、足趾がクロウトゥ(槌指=つちゆび)といって常に屈曲した状態になることも珍しくありません。

槌指になっていると、歩行中では立脚後期が出現しなかったり、足趾が機能しないので立位バランスが著しく悪い方が多いです。

転倒しやすくなるので特に注意が必要です。

Crow Toe=槌指の対策 指枕

リハビリにおいて、脳卒中の痙性が原因で槌指が出現している場合は、指枕と言われる下記の様なものを作って対処します。

   

本来はリハビリ病院などに在籍する技師装具士にオーダーメイドで作ってもらいますが、市販で探してみるとこのような商品があります。

ただし、この商品の説明にあるような「バランスを整える」と言う機能は本当かどうか少し疑問がありますので、あくまで、槌指があって歩くと足の指が痛い方が試してみると良いと思います。

③外反母趾などの変形や足趾の外傷

足趾が構築学的に異常をきたしているため、足趾の屈伸が機能的に行えず、足趾の把持力が著しく低下しています。

④麻痺、重度変形性股関節症などにより、股関節周囲筋の著しい筋力低下があるケース

足趾が座位及び臥位でちゃんと機能していても、股関節周囲筋の筋力もしくは随意性が著しく弱い方が立位を取ると、中枢部で固定できないため、抹消である足趾がぎゅーと屈曲して正常に機能しないケースがあります。

 

こういった場合、股関節周囲筋や体幹筋を鍛えることで、徐々に立位や動作中に足趾が機能するようになってくることがあります。

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効果的な足の指の鍛え方 3種類

効果的な足趾把持力の鍛え方を3種類ご紹介します。

①タオルギャザー

タオルギャザー
タオルギャザー。足首を動かさず、足趾のみでタオルをたぐり寄せる。

タオルを足の指だけを使って引きつけます。足首の底背屈運動が出やすいので注意して下さい。

患者さんと向かい合わせに座って引っ張り合いをするとゲーム感覚でトレーニングすることができます。

結構足趾を大きく指を曲げたり、伸ばしたりするので、足趾の可動域制限が著明にある方(ほとんど可動域がないような場合)にはかなり難しい運動です。

 

タオルギャザーを応用して、足趾でお手玉などの物を掴んで、かごに入れるなどの足趾把持力の運動もあります

市販では下記の様な足の指で掴むボールがあります。

 
 

②踵上げ運動(別法)

ヒールライズ
ヒールライズ。体を前に倒してやらないと、下腿三頭筋の運動になり、足趾にほとんど負荷がかからないので注意!

別名ヒールライズ、俗に言う「背伸び」です。

体を前に倒しながら背伸びをすることで、足趾に全体重が乗るため、自然と足趾が地面を把持しようと筋収縮が入ります。

 

足趾が屈曲拘縮している方には疼痛を誘発する可能性があるため向きませんが、足趾を正中位に保持でき、伸展制限が少しある程度の方ならストレッチにもなり一石二鳥なトレーニングです。

普通に垂直方向に背伸びをするだけだと、ほとんど足趾に負荷はかからないので、必ず体を前に倒して足趾に体重を乗せて行う必要があります。

③体前倒し運動

足趾のトレーニング
体前倒し運動。下腿三頭筋を鍛えると同時に足趾のトレーニングにもなります。

以前、過去記事でもご紹介した(参照:3種類のふくらはぎを鍛える運動)この運動も、足趾の把持力(歩行中の蹴りだし)を鍛える運動として最適です。歩行の立脚後期を模した形のトレーニングですので、足趾に問題があり、歩行速度が低下していると思われる方には効果的なトレーニングです。

まとめ

足趾は地味であまり目立たない体の部位ですが、バランスの能力や円滑な歩行動作に影響を及ぼしています。臨床において見逃しがちですが、転倒しやすい、バランス能力が悪い患者さんには是非チェックしてみて下さい。

 

次の記事は、 つま先が自分で上げらない人でもできる!3種類の効果的な前脛骨筋トレーニングです。

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