職場でいじめられていた理学療法士が上司と先輩に復讐した話

復讐


前回「職場でいじめられていた,極貧で無能な理学療法士の話」という記事を書きました。意外と反響があったので、今回はその続編を書いてみました。

またまた自分語りで退屈かもしれませんが、もし良ければお付き合いください。




笑ってしまうくらいボタンを掛け違える状況

私はつい2年ほど前、職場でもいじめられ、ダメな奴というレッテルを張られ、何をしても上手くいかない状態になりました。

実習中に体験したことがある人も多いと思いますが、指導者やバイザー、目上の人と相性が合わないと、面白いくらいにコミュニケーションが上手く取れず、何をしてもボタンを掛け違えたような事態が頻発します。

そんな状態になってしまうと、正直もうリハビリや仕事どころじゃないです。

 

一挙手、一動作を逐一、否定前提で誰かにどこかから観察されていて、私はリハビリ中に患者さんの横で椅子に座っているだけで「腰を丸めて足を開いて座るな!新人がえらそうにするんじゃない!」と言われたりしていました。

あ、実習中じゃなくて、新社会人の時ですよ。

 

たぶん実際に私にお会いして頂ければ誰でもわかると思いますが、どちからというと私は暗め、控え目なタイプで、小心者なので偉そうになんてしたくてもできないです。偉そうにできる人が堂々としていて、うらやましいくらいです。

たぶん、誰かと見間違えているのだと思うのですが・・・。そんなこと言ったら火に油を注ぐ結果になるのは目に見えています。

 

上司にそういった類の、あることないことを報告・連絡・相談する先輩も結構いた(チくるとも言います笑)ので、仕事中どこで誰に何を見られているのか分かったものではありません。

 

常に背筋を伸ばし、微笑を浮かべ、足をきっちりと閉ざし、まるで有名テレビ局の女子アナのごとくの立ち振る舞いで、30歳を超えたおっさんが毎日患者さんと接し、先輩の話を聞くときは常に起立し、手を身体の横にピッタリと揃え、北朝鮮の軍人のような生活を送っていまいした。

 

頑張って常に微笑を浮かべていると「ニヤニヤするな!リハビリの仕事をナメてんのか!」とも言われました。(笑)

で、じゃあ・・と今度は神妙な顔をしていると、「暗い顔して患者さんに接するな!お前は対人援助職に向いていない。」と言われる始末です。

 

もうなんか、自分は頭がおかしいのかな?と本気で悩みましたね。

 

今まで色々とバイトしたり、仕事してきた経験上、そんなことをいちいち辛辣に言われた事はなかったので、自分は、きっと今まで頭がおかしくて、普通じゃないことを普通だと思っていたのかな?って思うようになりました。もう”常識”が何なのか分からなくなりました。

 

強烈な疎外感というのでしょうか。

今まで自分だけ違う世界で生きてきたのではないか?そんな気持ちで毎日過ごしていました。”異星から来た宇宙人”にでもなった気分です。

 

で、唯一のストレス発散が、休日にバイクに乗り、誰もいない田舎に行って空を眺めることでした。

頭がおかしい無能な自分でも、空を眺める権利くらいはあるだろう、と。

そうやって真夏の昼間、真っ青で雲一つない空を誰もいない田舎で眺めていると、ふわ〜んと上司や先輩の顔が空に浮かんでくることもありました。彼らはいつも何かを罵って、怒っていました。

 

そうなると、もう平穏な気持ちは急激に消え去り、どばーっと冷や汗が出てきてます。

また急いでバイクに飛び乗り、どこか違う場所に全速力で走らないといけない気持ち、耐えられないような焦燥感みたいなものが全身に湧いてきたのを覚えています。

 

なんとかギリギリ職場では健全な精神を保つことができましたが、休日にこうした経験を幾度か経験すると、いずれ自分はおかしくなってしまうかもしれない、とうっすら感じるようになりました。

 

理学療法士として働く前の実習では、上手くバイザーと関係性を築けて、「そのままで大丈夫!頑張ってください!応援しています!」と言われて嬉しかったのですが、そのままいざ就職してみたら、ドえらいことになりました。(笑)

夢は一度死ぬ

私は就職する前、淡い夢を描いていました。

理学療法士として一生懸命勉強して、たくさんの患者さんに喜んでもらい、本を出して、ゆくゆくはこの道の権威になれたら良いなぁ、なんて漠然と思っていたのです。

ここに書くのも恥ずかしいくらい甘っちょろい夢ですが。

アホの戯言だと思ってご容赦下さい。m(_ _)m

 

でも、実際就職してみたら、そんな夢を追いかけるどころか、上述のようにまともに。普通に働くことすらもできない状況で、ほとほと困惑しました。

 

やがて、自身の実力と周囲の環境を現実的に考慮して、私の夢は徐々にランクを下げていき、リハビリの権威になりたいという馬鹿みたいに崇高な夢から、もうただ普通に働けたらそれで良いと思うようになりました。

とにかく、家庭もあるし、収入を得なければ・・と、それだけを考えていました。

禊(みそぎ)

そんな状況でも、時に、人生には信じられないくらい素晴らしいことが起こるものです。

私に子どもが生まれたのです。

 

仕事を何とか休ませてもらい、私は急いで家に帰り、出産に立ち会いました。世間で言われている通り、こんな時、男は全くの無力。案の定、何もできずにオロオロしました。

 

子供が生まれ落ちて「オギャァー!」と泣いた瞬間、私は今まで体験したことがない感覚を味わいました。

 

私の周りにいつも漂っていた、先の見えないどす暗い将来の不安とか、周囲への怒り、恨みの感情、そういったものが一気にかき消されて、世界がパーッと白く輝いて、周囲に明るい光が広がったような気がしました。

 

分かりやすくいうと、真っ暗の部屋に急に白い電気を点けたような感じです。

 

あの赤ちゃんの、生まれ落ちたときの空気をつんざく様な泣き声って、禊(みそぎ)みたいなものですね。一気に私に取り付いていた禍々しいものが吹っ飛んで、きれいさっぱり、跡形もなく消え失せました。

なんていうのでしょう?

「美しい」という表現が一番合っていると思うのですが、出産って、それはそれは輝かしくて、素晴らしい出来事だなぁと心から思いました。

 

私は、それまでは何となく「もう自分なんてどうなっても良いや」という感覚が常にありました。

周りの人が言うように、「自分になんか何の価値もない」と心底自分でも思っていたのですが、子供が生まれ落ちたその時、「この子のために、もう一回ちゃんと生き直そう」と思いました。

 

私は力強く抱きしめると壊れてしまいそうな、小さな小さな赤ちゃんを、不慣れな手つきでそっと、でも精いっぱい抱きしめて、ただただ、涙をこぼしていました。

 

私は、子供が生まれると同時に、新しい自分も生まれたような気持ちになりました。

もう、きっと、今までの自分は死んだのだと思ったのです。

 

 

今までは、人を憎んで、嫉妬して、何でも人のせいにして・・・。

自分が怒られるのが嫌とか、周りの環境が悪いとか、自分が自分が・・・とばかり思っていた醜い私は、その時に死んで、子供と一緒に新しく「父親」としてこの世に生まれ落ちたのだと思いました。

 

 

私は、自分は、もう、本当にどうでも良いのです。

 

私は、生まれ落ちた生命力の塊のような、眩しいばかりの子供の命と引き換えに、生活することにすっかりくたびれて、心がねじ曲がって、何もかも上手く行かなくなった過去の自分を、過去の自分の人生を、誰にも気付かれないように、自分でそっと静かに殺したのです。

 

 

自分に価値があるのかどうかとか、人より優れているのかどうかとか、リハビリの権威も身の丈に合わない夢も、自分の小さな醜い、いびつで滑稽なだけのプライドも、何もかも、そんなものは、もうどうでも良いのです。

他人と価値観が合わないとか、職場の人間関係が辛いとか、いい年して年下にいじめられているとか、それももう、どうでも良いことです。

 

私は父親として、子供が生まれたその瞬間に、再びこの世に生まれ落ちました。

子供を守るためなら、何でも、どんな努力でもしてやろうと心に誓ったのです。

たとえ、地の底を這ってでも、この子を幸せにするためだけに生きよう、と決めました。

 

私は昔から自分のタフさや我慢強さには自信があるので、そう心に決めたら、今後の自分たちの将来も、何とでもなる、いや、何とでもできるし、してみせる。

そう初めて強く思うことができました。

復讐開始

復讐

そこから、私の復讐が始まったのです。

今までは職場では、できるだけ怒られないようにコソコソと隠れていましたが、もう関係ありません。

例え、殴られようが、年下にみんなの前でなじられようが、何も怖くなくなりました。

 

今では、私には絶対に守りたい確固としたものがあって、それは自分の小さな下らないプライドや、世間体や、自分の能力とか、人に認められたいとか、そんなものではないのです。

 

職場でクソミソに扱われようが(笑)、全く構いません。

そう思うと、逆に、あれだけ苦手だった上司や先輩の目を見て、大きな声ではっきりと自分の主張ができるようになりました。

 

そして、そうやってはっきりと自己主張するようになると、不思議なことに、周りからあまり何も言われなくなりました。

 

あなたの職場にも、いじめられやすい雰囲気の人っているかも知れません。なんだか自信が無さそうで、声も小さく、人の目を見て話をしない。

恐らく、私は職場で繰り返し怒られていくうちに、すっかり萎縮してしまって、そのような状態になってしまっていたのだとこの時に初めて気が付きました。

 

鬼気迫る覚悟を持って人に接していれば、無駄で的外れな、下らない忠告もされなくなるものです。

不思議なのですが、なぜか、自分を殺した途端すごく生きやすくなりました。

 

そこから、この前の記事にも書いたのですが、その時のセラピストとしての給料では子供たちの将来がとても危ういことに気づき、死に者狂いでブログを書き始めます。

 

当時、職場まで電車で2時間掛かるところに住んでいたので、朝の5時半に起きて、自宅に帰ってくると21時頃でした。

睡眠時間を削って、来る日も来る日もブログを書き続けました。しかも、そうやって必死で書いても、見てくれている人はほとんどいませんし、当然収入なんてありません。

どうしても眠たい時は、職場で休憩時間にトイレにこもって10分だけ寝ていました。

 

休日の昼間は、妻と交代で赤ちゃんを見ていました。

ブログを必死で書いていて、赤ちゃんが泣き出したりすると、抱っこしても何をしても泣き止まないので、困り果てたことも一度や二度ではありません。

 

「ブログを書かなければ、うちはずっとこのままだ。このまま何もない貧乏で終わるんだ。」

そう思うと、焦燥感が先走って、いても経っても居られなくなり、赤ちゃんを抱っこしてあやしながら、一緒に大声で泣き出したい、もう、泣き崩れたい気持ちに何度も何度も襲われました。

そうやって、泣きながらでも必死でブログを書き続けました。

 

やがて、半年位したころに、初めてブログから月数千円の収入が入ってきました。

すごく興奮しました。

金額はごくわずかで、全然労力に見合っていません。でも、人生で初めて収入源が複数になったのです。それが何より嬉しかったです。

 

そうやって続けていくと、本当に徐々にですが、結構稼げるようになってきました。

おそらく今では、訪問リハに転職して給料が上がった分も含めると、当時私が苦手だった上司の月収を超えていると思います。

 

これが私の復讐です。

私はあまりどうにもならないことにはこだわらない性格なので、上司に直接何か復讐したいなど思っていません。

「今では上司の月収を超えているぜ・・・」と自分で心の中でほくそえんでいるだけです笑。

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死んでも夢は叶う

私は、復讐なんて、この程度で充分だと思っています。

復讐なんて無駄なことをしている暇があったら、私は、自分の家族が幸せになることをしたいです。

 

この前も家族でUSJに行って来ました。

チケット代は家計から出し、その他のご飯やパーク内で掛かる費用は私のブログ代から全て出しました。

 

子供の笑顔を見て、自分も心から楽しんでいると、つい2年前にはあれだけ苦しんでいた自分の過去がまるで嘘のようです。

私が自身の経験から言いたいことは、恨みや怒り、憎しみ、そんなものを直接相手にぶつけても、人生は好転なんてしない、ということです。

 

でも、あなたがもし今、過去の私と同じようにすごく辛い環境にいて、怒りや恨みの感情に囚われそうになったら、決してそれを否定しないで下さい。是非、受け入れてあげて下さい。

 

よく、「ネガティブな感情は捨てよう!」と書いてある本がありますが、あんなの嘘です。

静止していても身を焦がすような、強大な怒りや憎しみ、悲しみは簡単に捨てられるようなものではありません。捨てられる程度のものなら、言われなくてもみんなそうしているはずです。

私はそれを体験して知っているつもりです。

 

ドロドロした感情を消してしまおうと、その感情を否定すればするほど、それは形を変え、姿を変え、嫉妬、妬みなど、もっと厄介な感情になってあなたの心を蝕み続けます。

私は恨みたかったから恨めば良いし、憎めば良いと思うのです。

 

でも、それを人にぶつけては絶対にダメだと思います。黒い巨大な復讐心には、とてつもないパワーがあります。きっと、他人も、自分の人生もめちゃくちゃに壊れてしまうでしょう。

 

自分を憎むのではなく、他人を憎むのでもなく、「自分の現状」を心から憎んで下さい。自分に、そうなってしまった不甲斐ない自分の現状に、思いっ切りぶつけて下さい。

そして、その真っ黒の、もの凄い巨大なパワーを原動力に、必死で認めたくない自分の今の現実を変えてやろうと、自分と、自分の周りの人が幸せになることのみを目指し、もがいて下さい。

まずは自分たちが幸せになることが最優先です。

 

でも、もちろん、他の人を不幸にすることをしているのでは、自分達も幸せになれないことはご存知ですよね。

人を不幸にせず、自分達が幸せになることができれば、自然と周りにも幸せが広がっていきます。

 

 

私は、至って普通の見た目の、普通の理学療法士です。どちらかというと冴えない見た目です。いつでもGUの1000円くらいの靴を履いて、ユニクロの安い服を着ています。笑

 

でも、決して誰にも覗くことができない私の心の奥底には、巨大な禍々しい復讐心が、いつでも底知れない力を蓄えて眠っています。そして、それをうまく使えば、人生を急激に好転させることができるということを体験して知っています。

 

 

あなたは、どうあがいても周りに認められないとか、耐えられないくらい悔しい想いをしたことがありますか?

何をしても上手く行かなくて、現状を認めたくなくて、死んでしまいたいほど苦しんだことがありますか?

もし、あるならば、あなたは非常に”ラッキー”です。

 

その他大勢の普通の人が決して持ち得ない、”巨大な復讐心”という、とてつもない強力な力があなたの中に眠っています。

認めたくない自分の周りの現実を、歯がゆい現状を、軽々とぶち壊せるだけの力を持っています。

 

その気持ちをうまく飼いならすことさえできれば、きっと、私と同じく、あなたにも急激に人生を変えられると私は思うのです。

決してあきらめないで、負けないでください。

 

 

前回の話はこちら>>職場でいじめられていた、極貧で無能な理学療法士の話

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