セラピストの新しい働き方「理学療法士のパラレルキャリア実践者インタビュー」

インタビュー


専門職って、何だか働き方が限られているなぁ・・って感じませんか?プラットホームの上だけが私たちが活躍できる場なのでしょうか?

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本当は専門性を軸に、私みたいにブログで情報発信をしても良いし、Skypeで運動指導や動作分析を元に困っている方にアドバイスをしても良いと思います。

※)このつぶやきをされている井上さんとも以前対談させて頂きました。その節は誠に有難うございました。井上さんの素晴らしいブログはこちら リハビリテーションコンサルタント

 

実際、私がアドバイザーをさせて頂いているFacebook脳卒中患者の自主トレグループでも、「私の歩行動画をアップしますのでご意見を下さい!」という旨の投稿が頻繁にあります。

すでに結構な需要があるということですね。

これだけITが発達した現代では、簡単に専門性を横に展開していくことが可能だと思うのですが、なかなかまだ実績している人は少ないと思います。

参考)これからの療法士に必要なことは「専門スキルを展開させていくこと」

旧来のリハの仕方では1対1が基本ですが、ネットを使えば、多少質は下がるかも知れませんが、1対100とか理論上は可能ですものね。レバレッジを掛けることができます。

リハビリの仕事の質を爆発的に上げるなら、サビ残無くすとか小さいレベルの話なんて目じゃないくらい絶対にITを活用したほうが効果的です。

診療報酬なんて関係ない!自立したセラピストを目指すための「パラレルキャリアの実践方法」

私が自身の経験を元にお勧めしている現代の働き方として、「パラレルキャリア」というものがあります。

 パラレルキャリアとは?副業との違いは?楽しい仕事しかしない方が良い理由

 

従来式の働き方、つまり本業1本でキャリアを構築するのではなく、個人で色々な活動を通して、同時並行で複数のキャリアを育ていこう、という考え方です。私は「複業」と呼んだりもしています。

参考)複業について詳しくはこちら 診療報酬に依存しない自立したセラピストを目指すためのキャリアプラン 「今時自費で開業なんてしなくても良い」

 

日本人の平均給料は年々減り続け、介護保険が始まってから社会保障費は増大する一方で歯止めが利かない状況です。今後、臨床のリハビリの診療報酬だけで収入を得て、国の保護を期待し、それだけに頼るのはどうしても無理があるでしょう。

 

リハビリが世間に浸透してまだ50年ほどしか経っていません。

さらにITが一般的に普及し始めたのがつい20年ほど前。まだまだ、発見されていない、誰もやっていない専門職としての新しい働き方があるのではないかと私は思っています。

このツイートは自戒の意も含めています。

業界の外から、恐ろしく厳しい視点で見たら、この歯医者と療法士も同じようなもんじゃないか?と私は思うのです。

私としても、セラピストとして決して認めたくない、目を逸らしたくなるような事実です。

でも、それが現実ではないでしょうか。

なら、ちゃんと認めて、それに対応するように動いて行かなければならないと思います。

 

私たちも、そろそろ国の診療報酬から自立するセラピストを目指すべきだと思っています。

そのために、私はパラレルキャリアを実践し、複業でキャリアを育てる方法が最も効率的だと思っています。

これは個人レベルで実践できるもので、別に所属する組織や業界、協会に働き掛ける必要もありません。思い立ったら個人レベルで今すぐに始めることができます。

参考)私が個人レベルで複業に取り組んだ記録「職場でいじめられていた、極貧で無能な理学療法士の話

 

政治や協会に文句を言っても現実は何も変わりません。自分たちの環境を変えるには、自分たちで動いてしまうのが一番早くて確実です。

パラレルキャリアをどうやって実践するの?

じゃあ、実際はどうしたら良いの?ってなりますよね。

自分の身の周りを見渡しても、未だに古い価値観に基づいた縦方向の専門性の追求ばかりを支持するセラピストも多いです。

あくまで私の個人的見解ですが、徒手療法的な手技を極めたところで、ADLが改善することもありますが、その人の生活や人生が大きく変わることは決して多くないように思います。

リハビリの回数制限なども現実的な話になってきている昨今、たった数回のリハビリで大きく人生を変えるようなインパクトを与えるためには、リハビリ中にどうするか?だけでなく、リハビリの「その後」が大切だと思います。

そこまで思考を巡らせる療法士自体、今はまだ結構少ないのではないでしょうか。

 

今後、旧来の機能的問題点や動作に固執するオタク的な専門家は世間には求められないかもしれません。「オタク(家で1人で)でお願いします」となりかねません。(すいません、突然の駄洒落です。)

 

「その人の可能性をより高めるにはどうしたら良いのか?」を第一に考える必要があると思うのです。

そのためにはもっと視野を広げて、まず、私たちにできないことを見極める必要があると思っています。

国家資格を保有し、先生と呼ばれてプライドの高い私たち療法士は、できないことに着目するのが苦手なような気がしています。

患者さんのできないことにばかり目を向けて、自分のできないことには目を向けられない、直視できない。なぜなら、専門家としてのプライドが邪魔するからです。

 

上のTwitterの内容で言えば、高齢者乗り合いマッチングサービスを、本来ならば療法士(特に移動に関わるPTでしょうか)が真っ先に考えて付いていても全然不思議ではないのでは?と思うんですよね。本当に患者さんの自立を願ったリハをしているのなら。

自分のできることばかりを主張して、できないことには目をつぶる、認めない。

これって個人的には、現実逃避以外のなにものでもないと思うのですが、いかがでしょうか。

いい加減やり方を変えていかなければならないはずです。

終始周りはそんな感じなので、専門職でパラレルキャリアとか、複業成功者の具体例・モデルケースが現在では見つからないのが普通だと思います。

 

少し前置きが長くなりましたが、今回はパラレルキャリアを実践されている理学療法士の方にインタビューをさせて頂きました。

今後のセラピストのキャリアの参考にして頂ければ幸いです。

パラレルキャリア実践者紹介

daichi-RPTのリハビリテーション記

以前も当ブログで対談をお願いした松村さんは、理学療法士として働きながら地域で個人的に活動を続け、現在専門職としてのパラレルキャリアを実践されています。

松村さんのブログ、お世辞抜きで深いので、是非一度読んでみて下さい。視野が広がります。

参考)以前の対談内容はこちら リハビリはこれからどうなっていく?未来のリハビリテーションの形「地域リハビリテーション」とは一体なんなのか?

 

松村さんは平日は訪問リハで働き、休日に個人の活動としてNPOで地域に関わるお仕事をされています。めちゃくちゃお忙しいのに、ダメ元でぜひお話をお聞きしたいとお願いすると、心良く承諾して下さいました。本当にありがとうございます・・。

 

それではインタビューをどうぞ。

hideyuki

まず、松村さんの経歴をお聞きしても宜しいでしょうか?理学療法士として働き始めたのは病院ですか?臨床経験は何年でしょうか?

bKsua_0T

私は現在、理学療法士4年目、2017年4月で5年目となります。高校卒業後に4年制私大へ進学し、大学では環境・経済・福祉と幅広い学問を学び、その中で私は医療経済を専攻しました。

当時から理学療法士になろうと考えていたので、卒業論文のテーマは診療報酬改定がリハビリテーションに与える影響と題して、2006年前後での提供されるリハビリテーション(論文上ではFIM)に質の違いがあったのかを取り上げました。

その後は3年制の専門学校へ進学。卒業後は都内回復期リハ病院で2年勤め、法人内異動で現在の職場で訪問・通所リハに携わっています。

hideyuki
やっぱり、学生時代からしっかりと軸を持ってキャリアを積んで来られたのですね。私とはエライ違いだw

NPOに所属されていると過去にお聞きしたと思うのですが、それはいつ頃から始められたのでしょうか?そこがパラレルキャリアのスタートになると思うのですが。

bKsua_0T

NPOに至るまでの経緯が自分としては原点になっているので、まずそこからお話させてください。

HEISEI KAIGO LEADERS(以下、HKL)というコミュニティは西野さんもご存じ(西野:以前の松村さんとの対談後、Twitterでフォローさせて頂きました。)かと思いますが、そこから始まっています。

参考)HEISEI KAIGO LEADERS

平成介護リーダー

病院勤務時代から、比較的リハと介護職がフラットに話せる環境ではあったのですが、生活を底上げするリハと生活を支える介護職の連携をもっともっと強める必要があるなと問題意識があり、たまたまHKLを見つけて『KAIGO MY PROJECT』(通称マイプロ)に参加しました。

一昨年(2015年)の10月のことでしたね。

マイプロでは、そのときの思いや、やりたいことを深めていく過程で仲間と一緒に自分の人生を振り返り、想いの背景を探す作業を重ねました。

そこで、リハ職が地域や業界を飛び越えていくには、もっとリハビリテーションとは何かを伝えていかないといけないと考えられるようになりました。

これを自分の中で紐解けたことで、地域住民へのリハビリテーションとは?ということが伝えやすくなりました。つまり、他職種や地域住民の目線を知ることができたんですね。

マイプロは一旦は3ヶ月で終わるため、そこから自身でPDCAサイクルを繰り返しながらマイプロを進めました。

その中で地元での市民活動に参加するようになり、現在携わっているNPOとつながることができました。これが昨年(2016年)夏のことです。

hideyuki

HKLでマイプロに参加されたことが松村さんの大きな人生の転機だったということですね。マイプロでは実際にどのようなことをされたのでしょうか?
参加したメンバーの想いを形にする、つまりは具体的に何か行動に移す過程までをマイプロで体験するのでしょうか?

bKsua_0T

人生の転機まで言えるかわかりませんが、視界が広がったのは確かです。マイプロでは、自己のこれまでをかなり具体的に振り返ります。そのときの選択はどんな想いだったのか?という具合です。

それをメンバーに共有してフィードバックをもらう。そうすると新たな学びとなる。
聞き役に徹するというワークもありますし、プロジェクトをどう進めようかとディスカッションする場もある。ざっというとこんな内容です。

hideyuki

地元の市民活動に参加するきっかけとなったことはなんでしょうか?どんなアプローチをしてNPOに参加出来たのですか?

bKsua_0T

地元の市民活動は、まさしくマイプロを継続させていく上でたまたま見つけました。

まつど市民活動サポートセンターという中間支援施設がシリーズで開催する「まちづくりキーパーソン講座」というのに参加し、実地研修という形で2つのNPO法人に1日体験しました。

そのうちの1つが現在関わっている団体です。

ここで大事にしたのが、「自分はPTでこんなことできるよ」という主張はし過ぎず、むしろ「あなたの団体にはもっとこんなことができそうですね(リハビリテーションの概念に通じる部分をピックアップ)」といったこと伝えたことで、活動をいくつもご一緒することができました。

hideyuki
他にも活動されていることってありますか?

bKsua_0T

セミナーの講師や司会などをやりました。

PTとしてはまだまだ経験も知識もありませんので、専門職としての社外活動は活発にはしていません(というよりできません。)

現在私が住んでいる松戸市では、社会参加する場(いわゆる通いの場)の創出に力を入れていく動きになっているのですが、地域に出たい地域住民と参加を増やしたい団体をマッチングさせる等々のコーディネートのお話を頂いています。

hideyuki

私は松村さんよりも臨床経験が1年上ですが、それでもプラプラしているのに、セミナーの講師や司会をされているなんて凄いです・・。純粋に尊敬します。

 

素晴らしいお話をありがとうございました。前回に引き続きご協力頂き、大変感謝しています。

読者のみなさまが、今回の松村さんのお話を読んで、少しでも自由に自分のセラピスト人生を考え、築いていければ良いなぁと思っています。

 

まだまだ、歴史の浅い業界だと思います。

もっと色んな考え方や働き方があった方が絶対良いと思います。その方が、同じ分野で同じ場所を目指して競争し合うよりも、明らかにみんな幸せだし、業界もより大きく発展していくのではないでしょうか。

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まとめ

セラピストは臨床経験が上の先輩の意見が全て何でも正しいと思ってしまいがちです。

でも、歴史上、いつもでも新しいことをして、新しい道を切り開いていくのは、若い人たちの強い意志と情熱です。

 

過去の価値観の中で生きる先輩に「お前の考え方はおかしい」と言われることもあるかもしれません。

でも、絶対に負けないでください。「そうですか・・(心の声:ふん、負けるか!)」とでも言って流しておきましょう。笑

 

あなたが信じるモノが形になる日まで、しつこく理想を追い求めていれば、きっと、どっちが正しいのか嫌でも分かる日が来ます。それまで誰も正解なんて分からないのですから。

 

今回のインタビューで私が思ったことは、松村さんは別にパラレルキャリアを実践したいと思って行動しているのではなく、非常に強い想いが先にあって、それが行動になって表出しただけだということです。

そして、それが色々な結果を生むことに繋がっていったのではないかと思います。その結果が色々な人と縁を結び、結果的にパラレルキャリアを実績していることになっただけなのかもしれませんね。

 

今、私はマザーテレサの以下の言葉を思い出しました。

松村さんにとって、強い想いを抱いて、実際に一歩を自分の力で踏み出したこと。

それは決して誰にも真似できない唯一無二のセラピストとしてのキャリアだと思うのです。

 

これは、もうキャリアがどうとかを通り越して「一人の人間の確固たる生き様」といっても良いと、「永遠の人生の迷子」としてふらふらし続けてきた私なんかは思います。

そう考えると、パラレルキャリアを実績するコツはまず、「自分の中に生涯を通じた1本の確固たる軸を持つこと」なのかな、と思いました。

 

私たち療法士が困っている患者さんを助けられる場所は、本当にプラットホームの上にしかないのでしょうか?

各種手技や、エビデンスを勉強して、治療技術を向上させることだけがセラピストのスキルであり専門性なのでしょうか?

そんなはずありません。

 

リハビリテーションの定義とは何でしょうか?

なぜ、あんなに定義が漠然としているのでしょうか?

 

それはきっと、色んな解釈があった方が良いからではないでしょうか。私はそう考えています。

わざと柔軟性を持たせているのではないか?

私は、それでしか本当のリハビリテーションは成り立たないのではないかと思うのです。

 

私はリハビリをする上で、別に体や機能、動作にこだわる必要はない、と思うPTがいても全然良いと思います。

患者さんによって、地域によって、時と場合によって、それぞれ求めているリハビリテーションの形は全然違うのではないでしょうか。

身体や動作、生活にこだわることだけがリハビリテーションだと思っているのは、ひょっとしたら私たちの勝手な思い込みなのかもしれませんね。

 

自分の思うリハビリテーションを対象に押し付けるのではなく、相手の求める、望むリハビリの形を自在に提示してあげられるのが、本当のリハビリテーションのプロなのではないでしょうか。

 

そして、そう考えることができるようになると、あなたはきっと、もっともっとリハビリの将来性、無限の可能性を感じ、とてつもなく広大なリハビリテーションという概念の中で、自由に発想を広げ、自分のしたいリハビリを追求していくことができるのではないでしょうか。

 

私は何にも囚われず、療法士の各々が活き活きと自由に、望む方向にリハビリを通して自己実現させていくことが、今後の業界の理想の姿だと確信しています。

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