診療報酬に依存しない”自立したセラピスト”を目指すためのキャリアプラン 「今時自費で開業なんてしなくても良い」


今は良いけど、この先セラピストって将来的にどうなるのかな?なんて考えることありますよね。

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溶接工などの専門職であれば、溶接技術が上がると、より複雑で高度な溶接ができるようになるので、提供できる商品の市場価格が上がり、総じて売り上げも上がります。よってその分、給料に反映される可能性もあります。

しかし、診療報酬が一律(=売り上げがスキルと関係ない)のリハビリ業界の場合、勉強して専門職としてのスキルを高めたところで、ゆくゆくは管理職になって、その専門スキルを使わないようなデスクワークばかりするようになる可能性も高いです。考えてみると、なんだか本末転倒です。

もちろん、管理職にもなれるけど、あえて現場で働き続けるということもできますが、そうなると給料も上がらないし、年を重ねてからリハビリの現場で働き続けるのは体力的にも大変です。

 

じゃ、そのスキルを活かして「自費で開業だ!」なんて思う人も多いと思いますが、考えることはみんなだいたい同じです。

今後、その分野での過酷な超競争社会が待っています。普通に組織に属して雇われて働いたほうがよっぽど安心して生活できるでしょう。雇われであれば、借金を背負う可能性も限りなく低いし、仕事をこなしているだけでお金を毎月定額もらえるのですから。

この考え方が「甘えだ」と思う起業家の人もいるかもしれませんが、「楽して毎月定額の給料が入る」というのは個人レベル、家庭レベルのミクロ経済ではメリットでしかないことは疑いようがありません。

「甘えだ」というのは精神論の話であって、経済的な話ではありません。私は、雇われのまま主体性がない生き方を選択し、そのまま他力本願で人生を半自動的に送ろう、という考え方が精神的に甘えているのだ、という解釈をしています。

それはその通りだと思います。

そして、今回この記事で紹介する後述の生き方を選択すれば、別に独立・開業しなくても主体的な人生を送りつつ、最低限の定額の給料が得られるので、独立開業・起業しない人が「甘えている」ということにはならないはずです。

経済的に「診療報酬に依存しないセラピスト」を目指そう!

今後の普通のセラピストは、どのように経済的に安定した職業人生を歩んでいけば良いのでしょうか?

 

この問題を考える上で、優先度が高く、最も外せないコアな部分は、まず「収入源を診療報酬に依存しないこと」です。

それに対する選択肢が「自費で開業」ってことしか思い浮かばないところがいかにも専門職らしいところです。他にも方法はいくらでもあるはずです。

従来のキャリアの形

給料を増やす方法を一般論として普通に考えると、サラリーマンの場合、

  • 出世
  • 待遇の良い組織に転職
  • 副業

が簡単に思い付くのではないでしょうか。

 

「出世もポストの数を考えると難しそうだし、待遇の良い会社で雇ってもらえるかわからないし・・じゃ、副業でもやるか!」と、今の時勢こういった風潮が強くなってきています。

 

この発想って、実は数十年前の終身雇用制度バリバリ時代のサラリーマンの発想と変わりません。昔の価値観の考え方なんですね。基本的に「一つの組織に勤めながら」給料を増やすという固定概念に囚われて考えるから、こういった選択肢しか出てこないのだと思います。

 

一つの組織に属するのも別に悪い訳ではないですが、もっと発想を自由にしてみると色んな選択肢が見えてきます。まず、先ほどのサラリーマンが給料を増やすための選択肢をそれぞれ考えてみると、

1.出世

いきなり所属する組織で出世を目指すのはあまり私はおすすめしません。出世は能力があればできる、という単純なものではないと思うからです。

昨今の実力主義の風潮がある社会では、

  1. 組織の内情を詳しく知り
  2. 積極的に上司にアピールし
  3. 仕事の功績を残し続け
  4. 運が良ければ取り上げてもらえ
  5. 出世できるかもしれない

という、運の要素も多分にあります。能力が高いのに大して出世していない人があなたの周りにもゴロゴロいるはずです。大きな組織ほど、その傾向は著明になります。

 

もし、それらの条件を満たすために「何が何でも、どんな努力でもする」と心に決めて出世を狙ったところで、目的を達成するまでにかなりの時間を要します。

5年や10年は最低必要でしょう。それで出世しても、大企業ならまだしも、セラピストの場合、給料に反映されるのはせいぜい月数万円程度です。仕事量はそれに見合わないほど増えるだろうし、給料アップだけが目的なら費用対効果が悪く、時間が掛かり過ぎて現実的ではありません。

2.転職

転職は私はおすすめします。

セラピストの場合、今はまだ、回復期の病院で働くのと、訪問リハビリで歩合制のところで働くのとでは、ちゃんと転職先を選びさえすれば、月収が1.5倍は違ってきます。

仕事内容は大して変わらないのに、それくらい差があります。

専門職は国家資格を持っていて同業種内での転職がしやすいので、このメリットを利用しない手はないと思います。

訪問リハビリでは勉強できないと思い込んで、給料の安い大手の回復期病院に居続ける人もいますが、それで給料が安い!と愚痴をこぼすとしたらおかしな話です。給料を望まず、回復期の勉強を選択しているのはその人なのですから。今は封建制度の時代ではありません。選択の自由はいつでも与えられています。自分で望む場所を選択してください。

 経験者が語る理学療法士の訪問リハビリへの転職「訪問看護ステーションの選び方と求人の探し方について」

転職を効果的に行えば、転職活動期間も含めて1年くらいあれば給料が上がる可能性が高いです。私もこれは体験済みです。出世を目指すよりも断然早く成果が出るので、効率的でしょう。

3.副業

副業というと、組織で禁止されているところも多いので、漠然と「怪しい」と思う人も多いかもしれません。(でも、そんな人に限って休日にこっそり他の施設や訪問リハビリでバイトしていたりします。笑)

しかし、これからは「複業」が当たり前の時代になっていきます。

「副業」の方は、本業の隙間時間ににこっそりとやって小銭を稼ぐというイメージがあると思います。ポイントサイトでちょこちょこ稼いだりとか、ですね。でも、それってその時は良いですけど、長い目で見ると自分のスキルアップにはつながりません。

「複業」は少し趣旨が違います。

本業と同時並行で、本業と同じくらいの労力を注いで取り組んでいくのが複業です。なので、簡単に両立できるようなものでもありません。それなりに頭を使うし、継続した努力が必要です。

今、過労死の事件を発端に「残業を減らそう!」という取り組みが社会的にクローズアップされ始めています。私からすれば、これもみんな複業をし始める方向に時代が流れるための伏線だと思っています。

 

そのうち、近い将来、多くの日本人が本業で無駄に残業している暇があったら、家に帰って自分のやりたいことで収入に結びつくことを一生懸命やるようになるでしょう。

もちろん、そうなっても、何もやらないで相変わらず、世の中が悪いと文句を言っているだけの人もたくさんいると思いますが。

日本の労働者の平均給料は年々右肩下がりなのに、物価は徐々に上がっているのですから、生活をするためには自然にそうならざるを得ません。

そして、できれば短期的、その場限りの収入を得る「副業」ではなく、長期的に自分のスキルとキャリアを育てられるような「複業」をするべきです。

結論としては、3の複業を行いながら、転職もして、ゆくゆくは出世を狙っていくというのが「普通のセラピストのキャリア」としてこれから王道になってくるでしょう。

3→2→1の優先順位ですね。

1.2.3どれかを選ぶという一択ではなくて、優先順位を見極め、複合的に、同時並行ですべてを目指すとよいでしょう。手短に結果が出ることをまず優先して行い、自身のスキルを高めつつ収入を増やしていくのが最も効率が良いです。収入がすぐに増えれば、その分を勉強に再投資でき、自身のスキルが上がるので、自分の実力を付けるには最も効率的でしょう。

 

だいたい、1.出世というのも、給料を増やしたいという目的だけなら、別に今いる組織で出世しなくても良いわけです。

複業や転職をして、キャリアを積み重ねていけば、そのうち、自分のやりたいところで、いきなり良い立場で向こうから呼ばれる可能性だってあります。

私個人としては、出世はあくまで「結果」であって、終身雇用制度の崩壊している今時、初めからキャリアとして目指すようなものではないと思っています。まずは個人の能力を上げなければ話になりません。

複業について

現在、本業の給料が少ないと思っている療法士は土日にアルバイトで他の組織でリハビリをしてお小遣いを得ている人も多いと思います。

組織側も一応就業規則では禁止にしていても、実質公認のところも多いのではないでしょうか。「みんなやってるよ」みたいな感じですね。仕方ないですよね、これ一本で家庭を養うにはしんどいくらい、特に病院勤務のセラピストの給料は低いですから。

しかし、本業のパフォーマンスが著しく低下するようでは、副業を咎められる可能性もあり得るので、注意が必要だと思います。

 

さて、こういった働き方、つまり休日にも療法士としてリハビリをするというのは、副業と複業どちらだと思いますか?

私は休日に「同じ職種で働く」というのは副業であり、複業ではないと思います。

もちろん、セラピストとしての臨床の経験値は増えていきますが、これではいつまでたっても自身の収入を診療報酬にのみ依存していて、経済的リスクの高い状態は変わらないからです。

 

確かに現状では資格の専門性を使う方が効率よく稼げます(時給が良い)が、収入源分散による経済的リスク軽減のメリットは望めません。

ここから抜け出すことができて始めてセピストにとって本当に有意義な複業になると思います。診療報酬がどうなろうがお構いなしで、好きでこの仕事を気楽にやりたいだけ続けたいですよね。

 

じゃ、どうすれば良いのか?

 

世の中楽してお金が稼げることなんてありませんから、始めは収入に直結しないことでも、まず何かしら自分のコツコツ続けられる分野のものを極めるのが良いと思います。

ゴルフが好きならゴルフをプロに迫る勢いで極めるとかですね。

その過程を私のようにブログで情報発信しても良いですし、ITを使ってマネタイズする方法を色々考え続ければ、いずれ何か出てくるはずです。その時には、労力少なく大勢に効率よくアピールできるネットを使いましょう。

ブログ運営なんて、月1000円程度のレンタルサーバー台位のリスクで始められます。

 

さらに、できれば個人の名前を表に出すことで、量的な仕事ではなく、質的な仕事、つまりは「あなただから仕事を頼みたい」という話がいつかは来ます。

それなりに価値のある情報をずっとブログやSNSで発信していれば、仕事の問い合わせが来たりして、思わぬ他の仕事につながっていきます。実際私のブログでもそういったことがありますし、他のブロガーに聞いてもそういった話はよく聞きます。別に珍しいことではないと思います。

 

こういったことは頭で考えていても無駄です。

とにかく、目指す方向性を決めて、どんどん動いているうちに、徐々に収入に結び付く方法が見えてきます。その時の方向性は、自分が好きなジャンルで、別に誰に褒められなくてもコツコツ、淡々と続けられるものにすると良いと思います。

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セラピストが複業をする本当のメリットは収入じゃない。”外の世界を深く知るため”だ

上述のように、収入源を分散させ、診療報酬に依存しない、経済的に自立したセラピストになるために、自身の経験から複業が良いと思っています。

収入面ばかりメリットを挙げてきましたが、実は最大のメリットはそこにはありません。

収入源の分散はあくまで副次的なものです。

いきなり、独立・開業なんてリスクの高いことをしなくても、今まで通り本業を持ちながら、複業で徐々に自分の事業を育てて行くことで、個人が事業者としての視点を持つことができます。

これは、リハ業界の先の見えない停滞が解消され、新たな道に歩み出す良いきっかけになります。

 

これからは、セラピストは専門の勉強だけしてれば良いという時代ではなくなります。その傾向は簡単に見て取れると思います。

社会的にリハビリをもっと普及させるには、まずはセラピスト自身が深く外の世界を知ることが先決です。

アイデンティティ(自己同一性)を確立するために、人は思春期に外の人と自分を徹底的に比較します。他を知らなければ、相対的に自分を知ることができないからです。これはリハビリ業界でも基本的に同じです。

で、今は昔に比べてSNSやネットを見て異業種の情報を積極的に仕入れているセラピストも増えています。

でも、ネットの情報を眺めているだけで分かった気になってしまうと、「深く知る」ということにはなりません。それでは動けないんですね。自分の人生を変えるほどのインパクトにはなりません。せいぜい「物知り」になるだけです。

 

実際に自分で試行錯誤して、動いて、周りの反応を得る

それで得た「感触」こそが自分の人生にとって大きな財産となります。知識ではなく、知識も含有した「感触」こそが本当に現実で活かすことのできる「知恵」になるのです。

これは決して言葉で伝達できるものではないし、他の人から聞いて、ただ実行すれば良いという簡単なものではなく、自分は汗をかかずに楽して得られるものではないことを、セラピストのみなさんならよくご存じだと思います。

よって、個人レベルでも異業種の中で自分が実際に動いて行動する、そういったことが今後セラピストに求められてくるでしょう。そうでなければ、他の世界を「深く」知ることはできません。

複業をして、異業種の中で、収入が得られる程の価値を提供し続けながら継続的に動く。そこで得た感触を活かす。

そういうサイクルを個人で回せば、自ずとセラピストの職業も世に知れ渡り、認知度も上がり、リハビリ業界はまた違った形に発展・進化していくでしょう。

それこそが、個人が本業と複業を一生懸命頑張って得られる最大のメリットになります。

まとめ

上述のことは、個人で今すぐにできることです。所属する組織や診療報酬、リハビリ業界、国や親など周りの環境は一切関係ありません。

 

患者さんに「なかなか自主トレをしてもらえない」というのは、セラピストならみんな一度は悩むことですよね。いつまでも私たちが患者さんの人生に関わっている訳にはいきませんから。

結局は、自分でやらなければ良くならないんですよね。極論では、「やるかやらないか」ではないでしょうか。

 

患者さんへのリハビリだけでなく、セラピストの人生・キャリアデザインにおいてもこれは全く同じです。

診療報酬に依存せず、経済的に自立したセラピストを目指すなら、今時自費診療で開業するほどリスクを背負う必要はありませんが、他の形で、自分で主体的に考えて実行していかなければなりません。

 

人の意見を参考にしながら、自分で考えて動く、反復して、何があろうと諦めずに行動する。

これしか自分の人生を良くしていく方法なんてないんですよね。

本当に人生を通して大切な、貴重な財産を手に入れたかったら、「めんどくさいこと」をひたすらしなければなりません。手軽に得られるものほど、すぐに消えて無くなります。

 

是非、始められることからで結構ですので、なにかを一歩踏み出してみることをお勧めします。

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