やってみようEBPT② 信頼性のある情報を検索し、吟味しよう!


今回はやってみようEBPT実績編、以前の記事(やってみようEBPT①まずはPICOを実績してみよう!)でピックアップしたPICOに基づいて情報の検索および批判的吟味について解説していきます。

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EBPTのプロセスをもう一度おさらいしておきます。黄色部分を今回解説していきます。

1.患者の臨床問題や疑問点の抽出と定式化(PICOの設定)
2.PICOに基づいた患者の臨床問題や疑問点に関する情報の検索
3.得られた情報の批判的吟味(critical appraisal)
4.得られた情報の患者への適用の検討
5.適用結果の評価

 

前回の症例は、

「例」 基本情報

年齢:70歳代前半

現病歴:診断名は腰椎圧迫骨折(L5~4)。自宅洗濯物を干す時に後方で尻餅を付き転倒。受傷。保存療法にて経過。受傷20日後に当院に転院される。寝返り、立ち上がり時、歩行時に腰背部に疼痛があり、VASで5。入院時、ADL修正自立レベル、歩行FIM5。歩行時に疼痛のため、安定した歩行が困難である。

既往歴:両側変形性膝関節症あるも、疼痛は軽度で歩行に大きな障害はなし。

目標:ADL自立、屋内外歩行自立

でした。

この症例を元に、PICOを抽出しました。以下になります。

 

「例」

P・・ Patient(患者)、Participate(参加者)、Problem(問題)

「腰椎圧迫骨折の患者が、」

I or E・・ Intervention(介入) または Exposure(暴露) 

「体幹筋を運動療法により筋力増大すると、」
・・ Comparison(比較対照)

「体幹筋に運動療法をしなかった場合に比べて、」

O・・ Outcome(転帰、結果)

「疼痛は改善するか」

実際に情報を検索していきましょう

まずは上記の内容を英語に翻訳する必要があります。

翻訳サイトはどれを使うか?

翻訳サイトは、Excite、Gogle、yahooなどたくさんありますが、どれも精度はいまいちです。例えばこんな感じ。

※↓クリックで拡大、字が読めます。

背筋運動

日本語か日本語じゃないのか、グレーな感じの翻訳がズラリ・・。

より理解しやすいように、それぞれのサイト全てで自動で翻訳してくれるサイトを使用します。CUTE007というサイトです。それぞれのサイトの翻訳結果を比較すると意味を汲み取りやすいです。

実際にキーワードを抽出して翻訳していきましょう。

キーワードは”圧迫骨折 体幹筋 トレーニング 疼痛”です。

CUTE007に上記を入力すると・・・

英語がある程度堪能で、これ位なら翻訳する必要がない方はこの手順は省略して下さい。

(↓クリックして拡大して見て下さい。)

翻訳

適切そうなのは、Compression fracture、exercise、trunk mascle、painです。

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情報の検索

次は抽出したキーワードを「PEDro」に入力します。「PEDro」は理学療法のエビデンスデータべースです。研究成果が評価されているものばかりを集めているので、信頼性の高い情報が集まっています。トップページは日本語にも対応しています。検索は英語で行います。

入力してみると・・

pedoro

結果は・・・

pedoro not

No records found(検索結果なし)

キーワードが多すぎるのかもしれません。

Compression fracture、exercise、pain で再検索。

脊椎圧迫骨折

4件ヒット。

この内容を再度CUTE007で翻訳します。

情報の批判的吟味について

まず、エビデンスの元になる情報には2種類あります。

一次情報

専門誌や学会誌、協会誌に掲載されている原著論文などのこと。

二次情報

複数の原著論文を要約して一つにまとめたもので系統的総説(システマティックレビュー)、メタ分析(メタアナリシス)、臨床指針(いわゆるガイドライン)などがこれにあたる。

二次情報の方が信頼性は高く、検索して二次情報が出てくれば、あとは患者さんにその情報が適応となるか吟味する、”外的妥当性”を検討するだけとなります。

もし、二次情報がなければ、一次情報がどれくらい信頼性があるのか吟味する必要があります。

ポイントは、以下の通りです。

・研究デザインのレベルの高さ
・PEDro scale等の批判的吟味の基準の程度
・症例数は十分に多いか
・対象者の85%以上が介入効果の判定対象となっているか
・脱落者を割り付け時のグループに含めて解析しているか→治療企図解析(ITT解析)
・統計的解析方法は妥当であるか
・結果と考察との論理的整合性が認められるか
・フォローアップは十分に長く行われたか
・臨床的アウトカムが評価指標(エンドポイント)とされているか
・理学療法の介入によるマイナスの影響についても報告されているか

まとめ

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10年前の理学療法士でしたら、インターネットで検索しても情報がほとんど出て来ず、感覚に頼ったり、先輩に聞いてプログラムの妥当性を検討していたのではないでしょうか。インターネットの普及により比較的簡単に情報を集めることが可能になってきたからこそ出てきた方法がEBPTだと思います。

現在EBPTは普及しているとはいいがたい状況で、概念を知っている人が増えてきた、という印象です。恐らく普及の妨げになっているのは、「コンピューターの翻訳機能の精度の低さ」がネックになっていると思います。

本などを読んでいると「音声自動翻訳機の開発はもうそこに!」と書いてありますが、この精度では恐らくまだまだでしょう。結構ひどいです。

 

数年もすれば、研究成果がもっとたくさん出てきて、翻訳機能も向上し、EBPTは理学療法士にとってスタンダードな方法になってくると私は思います。

EBPTにおける核は、情報の精査の手法が組み込まれていることでしょう。これは理学療法に限ったことではなく、情報の批判的吟味というスキルは、これから何を知るにしても必須になってくると思います。今から勉強しておいて損はないです。私もまだまだ勉強不足なので、勉強会があれば参加したいと思っています。

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